第86話 あれ? なんか小さくない? 

 喜び勇んで見てみたら……なんか小さい。

 南蛮船の来航にあわせて馬を頼んでいたのに、予想より一回りから二回り弱かな? 

 それでも、大串の牧場でみた馬より一回り大きい。140cm~150cmくらいだ。

 うん、どうした? 何かの手違いか? だとしても、はるばる慣れない船に乗ってやってきたんだ。もてなそう。

 ……そうかあ、戦国時代とか江戸時代のドラマの馬って、嘘だったんだなあ。

「おーよしよし。どうどうどう」
 
「あいたっおわっ!」
 
 噛まれてはいない。首のあたりを撫でようとして、ぶるるるっとされただけだ。丈夫で従順って言ってたのに、うそ?

 どうするかは専門家に任せるとして、とりあえず区画を分けて育てるようにした。このまま交配させるか、日本馬と掛け合わせるか?

 そういえば馬って何年で大人になるんだろう? 哺乳類だから、最低3~4年はかかるのかな。日本の馬より大きい最強騎馬軍団つくろうと思ったんだけど。

 でもまあ、陸戦で大砲がメインになるなら、騎兵って縮小傾向なんだよねー。そうなったら活用法考えないとな。うーん、機動力をいかした偵察騎兵? 

 間違っても平野の相手陣地に騎馬突撃なんて、ないよね。

 あ、ていうかその前例なら長篠があるじゃん。

 大砲以前だった。

 でもなあ、幕末はおろか日清日露、第一次大戦後くらいまで戦力で残ってたしな。うん、戦力路線でいこうか。

 うーん、馬を戦力ねー。ん、他に戦力になる動物っていたっけ?

 そういえば犬を伝令用に使った戦国武将がいたな。

 確か、太田道灌? 太田資正? 関東系の武将で100匹以上を運用していたような、気がする。

 艦隊同士や城同士で、手旗で視認できる距離はそれでいい。でもそれより遠い場合は、伝令より小回りが利くし、なにより殺されたりしにくいよな。

 よし、ちょっと訓練してみよう。犬の伝書鳩の犬バージョンだな。

 なんでも気づいた時にやってみて、どんどん改良していこう。

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