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転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第33回 『藩政改革と新たな商品開発。精錬方も』(1839/06/12)

天保十年五月二日(1839/06/12) 肥前 |玖島《くしま》城 次郎左衛門  断った。  ありがたく拝命いたします、と言った直後の居室での会合で、俺は即断った。 「殿、それがしはまだ家督も継いでおらぬ十七の若輩者。また、継いだとて郷村給...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第593話 女真派遣団の帰国と蝦夷地開拓

天正二年四月十二日(1573/5/23) 諫早城  二年前の夏に始まった蝦夷地の開拓と入植は順調に進んでいた。  蝦夷地交易を独占的に任せている太田和屋弥次郎の交易船の運航とあわせて、人員の輸送も行われたのだ。  まずは大首長チパパタインの...
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第31話 『江川英龍の知己を得、鳥居耀蔵を排除しよう』

天正九年十一月十七日(1839/1/2)   ……と次郎左衛門は言ったものの、排除など簡単にできるはずがない。  鳥居耀蔵は今はまだその職にいない。  水野忠邦が重用した幕閣だからだ。そうなると、現実的にできることは、揚げ足を取られないよう...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第591話 北方探険艦隊の帰還と暗躍・北条氏政(1573/3/31)

天正二年二月十八日(1573/3/31) 肥前 諫早 「よう戻ってきたな三郎右衛門に清右衛門。大義であった」  北方探険艦隊司令の伊能三郎右衛門忠孝と副将の間宮清右衛門森蔵である。  2人は探検艦隊を率いて北海道を西岸から北上し、樺太を発見...
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第30話 『人生初の参勤交代』(1838/12/29)

天正九年十一月十三日(1838/12/29) <次郎左衛門>  4月にいきなり参勤交代への同行を命じられた俺は、条件を出した。  臣下の身分で主君に条件など、というのが普通かもしれないが、こればかりは願い出るしかなかったのだ。  その条件と...
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第590話 信長の悪あがきと純正の妥協

天正二年 一月十七日(1573/02/19) 近江国蒲生郡  日ノ本大同盟合議所 「拒否権の儀、ならびにその他の題目についてもおおよそ得心しておる。然れど一つだけ、一つだけ発議いたしたい」 「なんでござろう」  信長は拒否権にしばりをつけら...
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第29話 『幕府最後の巡見使。ゲベール銃の完成とパーカッションロック式』

天保九年四月十四日(1838/5/7) 玖島くしま城 「巡見使の検分はつつがなく終わったか?」  巡見使とは、江戸幕府が諸国の監視と情勢調査のために派遣した使節の事だが、天領および旗本知行所を監察する御料巡見使と、諸藩の大名を監察する諸国巡...
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第589話 終戦決定と責任。そして大国の拒否権発動。

天正二年 一月十七日(1573/02/19) 近江国蒲生郡  日ノ本大同盟合議所 『日ノ本大同盟』の憲章、そして細部規約の制定と同意のための会談も大詰めである。  ・終戦の可否とその時期の決定基準  ・大同盟軍内での各国(甲)の作戦行動によ...
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第588話 報復行動の可否と恩賞の基準

天正二年 一月十六日(1573/02/18) 近江国蒲生郡  日ノ本大同盟合議所 「では敵から討ち入られた時は如何いかが致すのでしょうか」  徳川家の青山忠成が発言し、石川数正もそれを後押しする。  これは何も軍事行動だけとは限らない。  ...
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第27話 『高島秋帆の一番弟子、平山醇左衛門との出会い』(1838/1/10)

天保八年十二月十五日(1838/1/10)玖島くしま城 「佐賀武雄鍋島家が郎党、平山醇左衛門じょうざえもんと申します。このたびは謁見の栄誉を賜り恐悦至極に存じます」  長身である。  とは言ってもこの時代で考えればというくらいで、165cm...
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第587話 織田信長と武田勝頼の密談会盟。軍事行動合議制の可否

天正二年 一月十四日(1573/02/16) 夜 近江国蒲生郡 武佐宿村 織田宿舎 「殿、いかがなさるおつもりですか?」 「左様、このままでは織田は完全に小佐々の下風に立ち、顔色をうかがわねばならなくなりますぞ」  光秀の言葉に秀吉が同調す...
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第586話 何が軍事行動か?その定義

天正二年 一月十四日(1573/02/16) 近江国蒲生郡 武佐宿村 小佐々織田合議所  年が明けて天正二年、純正は朝廷への新年の挨拶と義父への挨拶を終え、合議所にいた。藤子と娘の篤は二条晴良宅に預けている。  小佐々織田合議所という仮称だ...
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第25話 『ゲベール銃』(1837/10/01)

天保八年九月二日(1837/10/01) 長崎 次郎左衛門 『ゲベール銃』  1670年代にフランスで開発されて1777年にオランダが正式採用した小銃で、一般的に言われる火縄銃と同じように火薬と弾を銃口から込めるが、点火方式が火縄ではない。...
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第24話 『白帆注進心得』(1837/9/14)

天保八年八月十五日(1837/9/14) 玖島くしま城 <次郎左衛門> 「は、白帆注進の際における心得にございます」  俺は居住まいを正し、殿に進言をした。 「いかなる物か?」 「はい」  俺はそう言って箇条書きにした提案一覧を読みながら紹...
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第585話 合議制による銭の力で日ノ本一統。(1572/12/05)

天正元年 十一月一日(1572/12/05) 諫早城  「すなわち知行ではなく、銭にて報いると?」 「その通り」 「然されど、銭の配分なり、いずれの大名に如何いかに銭をまわすかなど、後々差し障りがございませぬか?」 「無用じゃ」  純正には...
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第23話 『モリソン号警告についての幕府の見解と、聞役としての動き』(1837/9/14)

天保八年八月十五日(1837/9/14) 玖島くしま城 <次郎左衛門> 「次郎左衛門よ、もう傷の具合は良いのか」 「はは、おかげ様をもちまして、完治いたしましてございます」  俺は右肩をグルグル回してみせる。殿はニコニコ笑っているが、鷲之わ...
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第584話 純正の大義名分と信長の大義名分(1572/12/05)

天正元年 十一月一日(1572/12/05) 諫早城  「さてみんな、集まってもらったのは他でもない。例の如く小佐々家の今後の基本方針と、織田・武田・徳川・浅井・畠山・里見に対する外交姿勢について論じたいからである」  集まった閣僚の表情は...
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第22話 『石けん販売の今後と領内でしばしの休養』(1837/8/2)

天保八年七月二日(1837/8/2) 太田和村 <次郎左衛門>  腕は、ほぼ完治した。  包帯も外して風呂にもそのまま入れる。触ると少し痛いが、腕をグルグル回しても違和感はない。  一之進からは煎じ薬だけは絶対に忘れるなと口をすっぱくして言...
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第583話 シリコン含有率の高い鉄と垂直型ドリルによる大砲の規格化

天正元年(1572)十月五日 諫早城   下越においては、謙信にとって僥倖ぎょうこうとも言える状況であった。  本庄城、鳥坂城、新発田城の奪還後に膠着こうちゃく状態になり、伊達・蘆名両軍も防衛陣地を下げて抵抗していたのだが、伊達領の北にある...
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第21話 『黒幕と顛末』(1837/7/6)

天保八年 六月四日(1837/7/6) 雪浦村 冨永屋敷 <次郎左衛門> 「あ痛……」  痛みと共に目が覚めた。 「おお! 目が覚めたぞ!」  一之進が俺の顔を見て安堵の声を上げる。それを聞いて、交代で仮眠をとっていた信之介にお里が駆け寄っ...
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第582話 房総の雄 里見佐馬頭義弘

天正元年(1572)九月二十八日 上総 久留里城 「殿! 安房勝山城より急使にございます!」 「なんじゃ、騒々しい。通せ」  上総久留里城主であり、安房と上総を治める里見佐馬頭さまのかみ義弘のもとに、安房国平郡勝山城より急ぎの知らせが入った...
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第20話 『偽物と刺客』(1837/7/5)

天保八年 六月三日(1837/7/5)  肥前国は現在の佐賀県と、壱岐と対馬を除く長崎県にあたる、律令制下の西海道に属していた国である。  その中でも西側に位置する大村藩は彼杵そのき地方(彼杵郡)にあり、南北に延びた西彼杵にしそのぎ半島(西...
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第581話 織田信長&徳川家康&浅井長政の野望

天正元年(1572)九月十一日 岐阜城 「さて、小佐々が謙信と軍いくさをしておる間、荷留と津留のみであるが、われらも助力いたした。その間、伊賀と紀伊において進展はあったか?」 「は、伊賀においては最低限の権益を与えることで服属をさせました。...
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第19話 『大村藩保守派の妬み』

天保八年 五月十五日(1837/6/17) |玖島《くしま》城 次郎左衛門武秋 「これは御家老様」  筆頭家老の大村五郎兵衛昌直は、家禄千四十石九斗二升取りだ。  その後に同じく、両家とよばれる一門の大村彦次郎友彰(八百四十六石九斗六升)が...
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第579話 純正の同盟国の事情。畠山義慶と佐渡の儀。

天正元年(1572)八月十五日 能登 七尾城   発 修理大夫 宛 権中納言  秘メ……○▽■ぐしゃぐしゃぽい……。    平九郎、元気ですか?   いや、最初は例の通信文で書こうとしたんだけど、あれ、いくら暗号っつったってダダ漏れでしょ?...
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第578話 松前異変

天正元年(1572)八月二日 京都 越後屋近江屋敷  組屋源四郎は気が気ではない。  屋敷の中で待たされてはいたものの、立ち上がっては座り、立ち上がっては座りで、室内をウロウロしている。  やがてゆっくりとした足音が聞こえると、障子があいた...
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第15話 『西洋学の大家、高島秋帆との出会い』

天保八年 三月二十六日(1837/4/30) 長崎会所(貿易所)調役(監査役)詰所 太田和次郎 「御免候! 御免候!」  先触れを派遣していたので留守はないはずだ。  昨日長崎について、1日だが旅の汚れを落とし、正装して訪問した。詰所は華美...
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第13話 『二十四歳、肥前佐賀藩、十代藩主鍋島直正という男』(1837/4/19)

天保八年 三月十五日(1837/4/19) 玖島くしま城 太田和次郎 「よう参った。次郎よ」 「ははっ。本日はお日柄も良く、藩主様におかれましては……」 「よいよい、わしらだけの時はそう畏まるでない。叔父上方や、渋江や針尾がおったら別だがの...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第574話 上杉戦の反省と留学生の今後

少し遡って天正元年(1572) 三月三十日 諫早城 織田信忠  小佐々の殿様、権中納言様が上杉と軍いくさをなさっているさなか、春休みという事でわれらはいったん故郷へ帰り、元服を済ませた。  父は今年の三月が中学の終わりで、小佐々の領民は卒業...
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第12話 『城内の石けん反対派と純顕の改革』(1837/4/3)

天保八年 二月二十八日(1837/4/3) |玖島《くしま》城 「鷲わし之助、少し前より気になっていたのだが……」 「なんでございましょう?」  玖島城内で、藩主を除いた会議が行われていた時の会話である。 「お主、近ごろ、なにやら良い香りが...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第573話 しばらくは内政に関わろう。技術開発の進捗状況。

天正元年(1572) 五月十五日 諫早城  ・反射炉  ・大砲  ・ライフル  ・後装式  ・パーカッションロック……。  ・蒸気機関に蒸気船……。  純正は、ぱっと考えて出てくるものを羅列したが、そのほとんどが兵器に関わるものだった。  ...
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第11話 『まずは太田和村だけでの先行製造と、リスク分散で他の産業も考える』(1837/3/16)

天保八年 二月十日(1837/3/16) 太田和村 次郎  灰の原価計算をするのを忘れていたけど、木炭から灰汁を作るとしても@0.7文だったので一文と計算した。  灰の原価、油の原価、そして製造の人件費を入れて@30文だ。  問題は海藻と貝...
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第10話 『いきなりの佐賀藩越え。試供品と大プレゼン』(1837/2/7)

天保八年 一月三日(1837/2/7) 太田和村 (次郎目線)  材料としては灰と油。  そして油の種類によっては固まらず、軟らかい(液体)ものしか出来ないという事で、海藻の灰もしくは消石灰を加えて固形化する。  海藻は海沿いといえど有限だ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第570話 決着!上杉戦和睦交渉。大きく動く勢力図。

天正元年(1572) 四月十六日 富山城   口入れとはつまり、介入の事である。  越中はもとより、このまま謙信の勢力が増大すれば、加賀まで及ぶのはわかりきったことである。  また、背後の能登は、そのためには謙信の勢力下にある必要がある。 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第569話 難航する交渉と上杉小佐々代理戦争の余波

天正元年(1572) 四月十五日 富山城   「……他国に軍いくさに出ず、守るに要るだけの最も少なき軍旅を養えればよい、と分きたる(理解している)が、よろしいか」  利三郎のこの言葉が頭から離れない須田満親は、難航した初日を振り返って二日目...
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第7話 『果たして幕末に石けんは売れるのか? 儲かるなら作るしかない』(1837/1/9)

天保七年 十二月三日(1837/1/9) 暮れ六つ(1717) 雪浦村 冨永館  なんだこれ? どういう状況?  ここは雪浦村、雪浦川の河口近くの開けた集落にある、城代冨永|鷲之助《わしのすけ》の館である。  家督を継いでからの鷲之助は玖島...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第568話 フェリペ二世の世界戦略と庄川の戦いの結末へ

天正元年(1572) 四月十四日 イスパニア マドリード王宮  「それが……明のさらに東、ジパングの艦隊にございます」 「……使者よ、余は真実を申せと言ったのだ。……嘘やデタラメを申せと言うたのではないぞ!」  フェリペ二世は傍らにあったオ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第566話 中止できず。人道支援と織田の評定。

天正元年(1572) 四月十四日 越後沖 霧島丸 「小佐々海軍、第四艦隊司令長官、佐々清左衛門にござる」 「上杉家家老、直江大和守にござる」  テーブルに向かい合って相対する二人に、珈琲が運ばれてきた。戦場で敵方の使者が来たというのに、余裕...
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第4話 『転生早々いきなりの無茶振りと、大村藩影のフィクサー誕生』(1837/1/8) 

天保七年 十二月二日(1837/1/8) 明け八つ(1336) 玖島城 「さて次郎よ、人払いしたのは他でもない。そなたに頼みがあっての事なのじゃ」  俺はもの凄く嫌な予感がしたが、まずは聞いてみる事にした。 「ははっ。それがしに能う事なれば...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第3話 『胡蝶の夢と従五位下大村丹後守純顕』(1837/1/8) 

天保七年 十二月二日(1837/1/8) 暮れ七つ(0405) 肥前大村藩 玖島城下 「ぎゃああ! ぐああ! ぐはあ! はあ、はあ……」  玖島城下の旅籠で、信之介と一部屋ずつ借りて泊まった俺は、隣室から聞こえてきた断末魔のような叫び声で、...
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第564話 和睦の題目と謙信の最後の秘策

天正元年 四月九日 京都 大使館  発 道雪 宛 権中納言  秘メ 上杉ヨリ 和睦ノ 申出 アリ 然レドモ 戦況 優位ニテ 御裁可 ナラビニ 題目ヲ 知ラサレタシ 秘メ ○四○六 「御屋形様、これは……」 「ふむ、和睦の申出であるな。必ず勝...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第563話 狭まる謙信包囲網 継戦か、和睦か?

天正元年 四月九日 京都 大使館  ここ数日、京都の大使館にいる純正のもとには、驚くべき報告が多数届いていた。  ・一日に第四艦隊が敗北。  ・七尾城の政変と小佐々水軍と上杉水軍との偶発的海戦。  ・上杉方である城生城の陥落と第二師団三千の...
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第1話 『転生したら幕末の大村藩下級藩士!大村純顕と純熈に仕えて、西欧列強に対抗する。』(1837/1/6) 

天保七年 十一月三十日(1837/1/6) 肥前大村藩  「あいった! ……いたたたた」  頭がズキズキする。  痛みで目をつむって、頭を押さえる。  二日酔い特有の痛みだ。おかしいな。俺昨日そんなに飲んだかな? いや、最近は宅飲みで、しか...
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第562話 勝てるのに、和睦する理由があるのか?

天正元年 四月六日 午三つ刻(1200) 越中 道雪本陣 「申し上げます! 上杉家家老、須田相模守殿がお見えです」 「うむ、通すが良い」   小佐々軍総大将立花道雪、副将高橋紹運の他、島津・三好・一条・長宗我部・龍造寺の主立った将が居並ぶ中...
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第561話 和睦交渉を左右する所口湊の海戦と七尾城の戦い

天正元年 四月六日 巳の一つ刻(0900) 「なんぞ(何だ)あれは? 如何いか様にも(どうみても)兵船ではないか! 然しかも、上杉の兵船、船手衆ではないか!」  来島通総と得居通幸が、七尾湾に停泊する三百艘の上杉水軍の軍船を発見したのだ。 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第560話 城生城の落城と鎌田政年の討死。両軍、和議となるか?

天正元年 四月五日 酉四つ刻(1830) 越中 戸波村~鷲塚村 島津軍  巳の四つ刻(1030)から始まった島津軍と上杉軍の戦闘は、巧みに離合集散を繰り返して互角のまま推移していたが、もう間もなく日没になろうかという頃、唐突に終わりを告げた...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第559話 立花道雪の包囲vs.上杉謙信の包囲

天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 能登 輪島沖 「兄上、然れど昨日の三国湊は妙でしたね。煙が上がってました。君子危うきに近寄らずで、通り越して塩屋湊に寄りましたが、なにかあったんでしょうか」 「助兵衛(来島通総)よ、いや殿。いい加減...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第558話 激突! 島津vs.上杉と七尾城の陥落

天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 越中 水戸田村 道雪本陣 「申し上げます! 敵勢六千! 島津勢に掛かりけり候(攻撃しました)!」 「何? 案に違えて(予想外に)早いの。敵将は誰じゃ?」 「は……それが、謙信自らかと思われます!」 ...
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第557話 島津軍の混乱 毘沙門天・上杉謙信は何処?

天正元年 四月五日 辰四つ刻(0830)能登 鹿島郡  「なんと……誠であったか……」 「はは、所口湊には数多の兵船があり、城下は無論の事、湊も上杉の兵で溢れておりました」  畠山義慶よしなりは阿尾城を襲った敵に備えるため、道雪本隊から離れ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第556話 純正、婦負郡南部、新川郡南西部を服属させる

天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 京都 大使館  発 敦賀信号所 宛 権中納言 複 治部少丞  秘メ 敦賀ニテ 数多ノ 兵船 アリ 帆ノ 紋二ヨリ 奈佐 毛利 小早川 村上 他 山陰 山陽ノ 船手衆 ト 認ム 秘メ  発 権中納言 ...