転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第329話 『捕虜と馬関』 元治元年四月六日(1864/5/11) 江戸城 -発 次郎蔵人 宛 御殿 先の海戦にて英吉利艦隊に勝利せり-「おおお! これは僥倖ぎょうこうである! 重畳ちょうじょう重畳!」 純顕は次郎からの電信を読んで喜び叫んだ。 純顕がここまで感情を露... 2025.01.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第808話 『イングランドのスペインへの挑戦と東洋への野心』 文禄四年一月七日(1595/2/15) イングランド ロンドン 暖炉の火がパチパチと音を立てて執務室を暖かく照らし、窓の外には、テムズ川の穏やかな流れとロンドン市街の景色が広がっている。 エリザベス1世は羽根ペンを握り、羊皮紙に何かを書き... 2025.01.10 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第805話 『肥前国の人口流出対策の現状と今後』 文禄三年九月四日(1594/10/17) 諫早城「方々、本日論ずるはわが国の栄ゆを支える礎たる働き手をいかに保つか(労働力の確保)、これより先の道筋を論じたく存じます」 戦略会議衆の筆頭である鍋島直茂の落ち着いた声が、会議室に響く。 20年... 2025.01.07 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第804話 『陸軍と領土開発省』 文禄三年七月二十日(1594/9/4) 諫早城 会議室には純正を筆頭に戦略会議衆である鍋島直茂、黒田官兵衛をはじめとした6名、陸軍大臣の波多隆、海軍大臣の長崎純景、領土開発省の日高喜がいた。 吃緊きっきんの課題として陸海軍ならびに海外領土の... 2025.01.05 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第320話 『南北戦争とフランスとオランダ』 文久三年十二月十八日(1864年1月26日) 次郎はイギリスとの開戦を見据え、列強を日本側に取り込もうと考えていたが、ロシアは上手くいくであろうとの感触であった。アラスカの売却はロシアにとってもメリットがある。 もし万が一破談となっても、... 2025.01.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第800話 『西南王楊応龍の死』 文禄三年二月八日(1594/3/29) 李化龍の進軍の報を聞いた楊応龍の対応は迅速であった。 本拠地の播州を中心として各地の苗族と連携をとり、統治のために配していた親族や腹心に命じて迎撃させたのだ。当初、数では劣勢であった楊応龍であったが、... 2025.01.01 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第319話 『アラスカ売却交渉とロシア太平洋艦隊のネーバルプレゼンス』 文久三年十二月十一日(1864年1月19日) 箱館「ほう……これはまた、珍しい。何かの交渉ならば、ぜひお手柔らかに願いたいものですな」 駐日函館ロシア領事のヨシフ・アントノヴィチ・ゴシケーヴィチは、決して良い思い出とは言い難い相手と、再び交... 2024.12.31 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第799話 『8路24万』 文禄二年十二月十八日(1594/2/8)「陛下、明からの使者が参っております」「おお、ようやく来たか。遅すぎるぞ」 楊応龍は|播《は》州の宮殿で明からの使者が来たという報告を受け、笑みをこぼす。独立と領土の要求をして期日を設け、ようやくその... 2024.12.31 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第798話 『再びの戦火』 文禄二年十月二十六日(1593/12/18) 順天府(北京)より山西省の太原府・大同府、北直隷の宣府・開平衛・永平府、山東省の廣寧衛へ使者が派遣され、正式に寧夏国の領土となって明の地図から消滅した。 命令に背いて抵抗する勢力もあったが、士気... 2024.12.30 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第797話 『楊応龍とヌルハチ』 文禄二年九月二日(1593/9/26)「陛下、播州の楊応龍の使者という者が謁見を願いでております」「何? 哱拝ぼはいの次は楊応龍か? あやつには土司としての権力を認めたであろうが。まあよい、通せ」 連日の政務と内憂外患で焦燥していた万暦帝は... 2024.12.29 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第795話 『哱拝・ヌルハチ・楊応龍』 文禄二年六月十日(1593/7/8) 寧夏鎮「陛下、明が我が国の独立を認めましたな。これでようやく、民を安んじることができ、平穏が訪れるというものです」 哱拝ぼはいが独立を宣言後に明国の軍勢は撤退したが、和平は成立したものの、正式に明は寧夏... 2024.12.26 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第794話 『割譲開始』 文禄二年五月十一日(1593/6/10) 明国から割譲された広州、寧波、天津の3港は、海西地方として肥前国に組み込まれた。総督府は広州である。居住民に関しては向こう2年の間は自由とし、その間に肥前国籍とするか明国籍とするかを選ばせた。「お... 2024.12.25 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第792話 『賠償金の受取~黄金の雫』 文禄二年三月十日(1593/4/11) 京都 大日本国政庁「これはこれは……まさに圧巻であるな」 大日本国の財務副大臣である羽柴秀吉は、目の前にある66万貫文の永楽通宝を見てあっけに取られていた。肥前国(肥前州)の役人が特別歳入として届けて... 2024.12.23 八紘共栄圏を目指して
東アジアの風雲 第791話 『条約締結と新しい秩序』 文禄二年二月八日(1593/3/10)諫早城「御苦労様でした、叔父上」 居室でくつろいでいた純正に報告をしている政直であったが、公務以外のときは叔父と甥である。「いやいや、まさかわしがあの明国との交渉にあたるとは……考えもみんかったわい」「... 2024.12.22 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第790話 『降伏交渉、再び』 文禄二年一月七日(1593/2/8)諫早城「これはこれは、寒い中ようこそ来られました。冬の海は厳しゅうございましたでしょう」 肥前国外務大臣の太田和利三郎政直は、明国全権の顧憲成を迎えて言った。 部屋は石炭ストーブで快適な温度に保たれている... 2024.12.21 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第787話 『激昂』 天正二十一年七月二十三(1592/8/30) 紫禁城 前回、顧憲成が朝鮮出兵の上書を上げたときは運が良かった。 皇帝が朝議に出席しないため、臣下は朝議で決まったことを報告して裁可を仰ぐことになる。それも宦官かんがんが代わりに行うので、自らに... 2024.12.18 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第772話 『朝鮮出兵』 天正二十年五月十三日(1591/7/3) 諫早城「暑い! そして蒸し暑い!」 ぐちぐちと文句を言いながら、その様相とは真逆の立ち居振る舞いで周囲を困惑させる人物が、諫早城の会議場へやってきた。その人物とはもちろん……。 肥前国海軍艦隊総司令... 2024.12.01 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第769話 『情報網の構築と政策への賛否両論』 天正二十年二月十二日(1591/4/5) 肥前諫早「殿下、ここでひとつ会議の題目にあげたき儀がございます」 会議の始まりに議題を提示してきたのは宇喜多基家である。「我が肥前国は東はアラスカより西はアフリカまで、広大な領土を有しております。然... 2024.11.28 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第764話 『新しき三省』 天正十九年七月二十日(1590/7/20) 諫早 <小佐々純正> オレは諫早に戻ってきて城に戻り、吃緊きっきんの陸海軍の再編を終えて、ぐったりした。 もうそろそろリタイヤしてもいいんじゃね? 国内は統一してないけど戦は終わったし、大日本国も... 2024.11.18 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第763話 『陸軍再編』 天正十九年六月十九日(1590/7/20) 諫早 海軍に続いて行ったのが陸軍の再編である。 インド・アフリカなど、南方から西方へ国土が拡張し、北方ではアラスカから沿海州まで統治するようになった。そのためこれまで連隊規模や小隊~大隊規模の部隊... 2024.11.16 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第762話 『肥前国の海軍再編と大日本国、そして極東情勢』 天正十九年六月十二日(1590/7/13) 諫早「殿下、お帰りなさいませ」 3年前の天正16年(1587)1月に諫早を出発した海外領土の視察であったが、3年半の歳月を経て終了した。長崎の湊みなとには純正一行の到着を待ちわびた閣僚と民衆が詰め... 2024.11.14 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第276話 『公儀への報告と対馬事件の国内後始末。くすぶっている火は収まるか?』 文久二年三月十日(1862/4/8) 日魯間領土境界確定並びに対馬事件賠償条約と名付けられた長い条約は、批准日を1年後とした。それまでに賠償金の支払いや捕虜の返還、そして樺太(千島列島含む)におけるロシア国籍の民間人と兵の退去が行われる。... 2024.11.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第275話 『戦争か? 賠償と領土』 文久二年二月二十日(1862/3/20) 交渉3日目~「まさか」 ゴシケーヴィチは即座に否定し、戦争論議で多少過熱した議論を冷ますため、会談はさらに翌日に持ち越した。戦争というワードを出したが、当然戦争する気などない。 第一極東の兵力だけで... 2024.11.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第274話 『名を取るか、実を取るか。あるいはその両方か』 文久二年二月十九日(3/19) 交渉2日目「サハリン(樺太)……ですか? それが何か?」 ゴシケーヴィチはそうとぼけたが、それが割譲を意味しているのは明らかである。現在樺太は日露の雑居地であり、国境線は定めていない。それがためにロシアによる... 2024.11.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第273話 『日露交渉初日、強硬? 穏健?』 文久二年二月十八日(3/18) 箱館 駐日ロシア領事館「問題が起きた時だけでなく、前向きな話し合いの時にお会いしたいものですね」 次郎たち3人は、ゴシケーヴィチが差し伸べた手を握ることなく右手で遮って言う。「シェイクハンドはすべて円満に終わ... 2024.11.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第272話 『皇女和宮とロシア全権との交渉』 文久二年一月十五日(1862/2/13)~二月十一日(3/11)「なんだって! ? 襲われた? いつ? どこで? 誰が?」 史実と歴史が変わっても対馬の問題は解決しておらず、他の問題も山積みである。 しかし次郎は攘夷じょういに関しては藩内で... 2024.11.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第266話 『イギリスの思惑』 ~文久元年十月十九日(1861/11/21) ロシア サンクト・ペテルブルク 王宮 外務大臣のアレクサンドル・ゴルチャコフは昼夜を問わず業務に追われていた。 日本への対応、そして関係各国への対応である。「至急、箱館領事館へ全権委任状を」 深... 2024.10.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
東アジアの風雲 第756話 『フアン・デ・サルセードとマルティン・デ・ゴイチ ―大日本国産業事情視察録―』 天正十八年十一月十六日(1589/12/23) <フアン・デ・サルセード> フアン・デ・サルセード 記(40歳、第2次フィリピン海戦当時29歳) 11年前、私とマルティンは第2次フィリピン海戦の敗将として肥前国に連れてこられた。 私は当時... 2024.10.25 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第265話 『ロシア帝国外務大臣アレクサンドル・ゴルチャコフと海軍大臣コンスタンチン・ニコラエヴィチ』 文久元年九月十六日(1861/10/19) ロシア サンクト・ペテルブルク 王宮「海軍大臣よ、余は正直乗り気ではなかったが、日本の対馬を租借する件は、上手く進んでおろうな」 ロシア帝国皇帝アレクサンドル2世は、弟であり対馬租借の発案者である... 2024.10.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第264話 『列強第一位のイギリスと第二位のフランス、そして未来の世界覇権国アメリカ』 文久元年八月十二日(1861/9/16) 横浜 某所「な!」 ハリスは何かを発言したいのだが、発言できず、ただ驚きの感嘆符を発したのみである。「さて皆様、各国、様々なお考えがあるかと思いますが、我が国の要望はただ一つ。ロシアのこれ以上の横暴... 2024.10.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第263話 『列強の国際法』 文久元年八月十二日(1861/9/16) 横浜 某所「度重なる警告にも耳を傾けず、自国民が射殺されるような、今回同様の事態になったら、どうなさいますか?」 次郎のその鋭い質問に各国の代表者たちは言葉を失い、部屋は重い沈黙に包まれる。最初にそ... 2024.10.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第262話 『イギリスとフランスの思惑と攘夷の志士』 文久元年八月十二日(1861/9/16) 大村「それ見た事か! やってくれた、やってくれたぞ大村の家中が!」 真木和泉は声高に叫んだ。「これまで公儀の弱腰で異国のいいようにされて参ったが、まこと、胸のすくような仕儀にござる!」「ええ、まさか... 2024.10.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第259話 『ロシアはいいのに、日本は悪いのか?』 文久元年四月二十二日(1861/5/31) 箱館在日ロシア領事館「さて領事、貴国としては如何いかがなさいますか?」 次郎は昨日と全く変わらず、無表情で駐日ロシア帝国領事のヨシフ・ゴシケーヴィチに質問した。「我が国としては、この事態を平和的... 2024.10.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第258話 『戦後処理その3:日露戦争が起きるのか?』 文久元年四月二十一日(1861/5/30) 箱館在日ロシア領事館「では領事、時間には限りがありますので、さっそく本題に入らせていただきます」 次郎は挨拶もそこそこに、対馬で起きたロシア軍艦領土侵犯事件についての会談を始めた。「まず始めに、こ... 2024.10.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第258話 『戦後処理その3:日露戦争が起きるのか?』 文久元年四月二十一日(1861/5/31) 箱館奉行所「では領事、時間には限りがありますので、さっそく本題に入らせていただきます」 次郎は挨拶もそこそこに、対馬で起きたロシア軍艦領土侵犯事件についての会談を始めた。「まず始めに、こちらのサイ... 2024.10.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第257話 『戦後処理その2:前言撤回』 文久元年四月七日(1861/5/16) 対馬「では杉村殿……いや、佐須伊織殿とお呼びしたほうがよろしいかな」「ご随意に」「では伊織殿、ロシアに船の補修と補給のための物資は与えたが、必要以上の上陸や測量などは許していないと?」「無論にござる。... 2024.10.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
東アジアの風雲 第750話 『フレデリックの立場と仕事』 天正十八年二月二七日(1589/4/12) リスボン 王宮 1か月に及ぶ協議の末、肥前国とポルトガルとの間に条約が結ばれた。 肥前国ポルトガル王国相互防衛条約 肥前国とポルトガル王国は、両国の安全保障を強化し、相互の防衛協力を確立するため、... 2024.10.12 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第256話 『戦後処理その1』 遡って文久元年二月二八日(1861/4/7) 二月十九日付(23日博多着) 露国 測量セリ 修理ノタメノ小屋建テリ 食料求メラルルモ 牛ハ断リケリ「これは一体どういう事ですかなゴシケーヴィチ領事、先日退去を命ずるようお願いしたはずですが」 ... 2024.10.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第255話 『ロシア軍艦対馬占領事件』 文久元年二月十一日(1861/3/21) 発 宗対馬守 宛 御大老 露国軍艦来航セリ 退去求ムモ 応ジズ 本来は3週間かかる幕府への報告も、博多に着いた時点で電信に直され、幕府と長崎奉行、そして参与である純顕の元へも届いた。実は、対馬に外国... 2024.10.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
大日本国から世界へ 第747話 『モノモタパ王』 天正十七年十月六日(1588/11/24) ケープタウン 純正はインドへ駆逐艦を派遣し、カリカットの総督府からポルトガル領のゴアを経由して、ムガル帝国領内の通過を許可してもらって、オスマン帝国へ使者をだした。 同時にポルトガルへも親書を送り... 2024.10.01 大日本国から世界へ
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第244話 『莫大な艦隊維持費と二個艦隊計画に樺太派兵増強』 安政七年一月二十日(1860/2/11) 次郎は川路聖謨としあきらと協議の上、ロシア側に慰謝料を払って貰う事と、今後の事件再発防止のために新たな条約を締結する事でゴシケーヴィチとの間で合意した。 慰謝料は1人あたり500両で30名分の1万... 2024.09.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
大日本国から世界へ 第744話 『アルマダの海戦の敗北とカリカット総督府』 天正十七年六月二十四日(1588/8/16)「な、なんだと? そんなバカな……」 フェリペ2世はアルマダの海戦の敗報を絶望と共に知った。 手から報告書が滑り落ちて床に散らばるが、側近たちは固唾をのんで王の反応を見守っている。やがて彼は深く息... 2024.09.23 大日本国から世界へ
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第232話 『密会』 安政六年五月六日(1859/6/6) 江戸城 御用部屋「なに? 英国人だと?」 日英和親条約を含め、イギリス以外にもフランス・ロシア・オランダと結んでいた条約は、協議を必要とするものの、最恵国待遇に準ずる内容であった。 従って日米通商条約が... 2024.09.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
大日本国から世界へ 第742話 『籠手田安経と三度、イスパニアの影』 天正十七年二月二十七日(1588/3/28) 純正が向かう東南アジア総督府はカリマンタン島のクチンにあり、ブルネイ県・スラウェシ県・インドネシア県・ニューギニア県・オーストラリア県の広大な領域を統括する総督府である。 陸地面積だけでルソン地... 2024.09.15 大日本国から世界へ
大日本国から世界へ 第741話 『ルソン総督と北川長介純清』 天正十六年十二月二十九日(1588/1/27)フィリピン「父上、やはりルソンまで来ると暑うございますね。台湾も暖こうございましたが、さらに南だとこうも暑いものでしょうか」「ふふ、平十郎よ、そなたは肥前国から出るのは初めてではなかろう? 海軍... 2024.09.13 大日本国から世界へ
天下百年の計? 第737話 『ウラジオストクにて、ヌルハチと』 天正十六年八月二十九日(1587/10/1)~の1か月前 へトゥアラ「なに? 肥前国の国王が海參崴かいわんわい(ウラジオストク)へ来ているだと?」 海西女真との戦いを終えて、本拠地であるへトゥアラへ戻ってきたヌルハチは、斥候の報告を聞いて驚... 2024.09.01 天下百年の計?
天下百年の計? 第736話 『ペトロパブロフスク・カムチャツキーからオホーツクをへてウラジオストクへ』 天正十六年六月十七日(1587/7/22)沿海地方 沿海県 ニコラエフスク・ナ・アムーレ(北黒瀬浦) 純正は小樽を出港後、1か月半かけて北加伊道沿岸を回り、その後カムチャッカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキー、オホーツクのオホーツクを... 2024.08.26 天下百年の計?
天下百年の計? 第730話 『肥前国内行政機構再編制』 天正十四年七月十六日(1585/8/11) 諫早城 純正は毛利家への仕置きと併せて、肥前国内の行政機構と、大日本国内での小佐々領内の呼称について改称・改編を行った。 まず、小佐々家の統治下にある全ての所領を肥前州とした。海外領土も全てである... 2024.08.09 天下百年の計?
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第188話 『次郎、ロシアへ』 安政二年二月十八日(1855/4/14) 江戸城「何故なにゆえにございましょうや」「控えなされ太田和殿」 次郎は安政東海地震の際の救援活動も人道的に行った。 医療物資の運搬やけが人の治療など諸々である。次郎はそれを誇示するつもりは毛頭なか... 2024.08.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第186話 『日露和親条約』 安政元年十二月二十一日(1855/2/7)~遡ること数ヶ月前「絶対にダメです! 馬鹿ですか? 阿呆あほうですか?」 次郎はそう叫びたいのを必死に我慢して、地道に交渉にあたっていた。プチャーチンに対してではない。日露和親条約締結における日本全... 2024.08.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く