姜維信繁

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第340話 『ヴィクトリア女王とイギリス議会、そして朝廷からの叙位任官』

元治元年八月十五日(1864/9/15) イギリス ロンドン バッキンガム宮殿「首相、いえ、パーマストン卿きょう、もう余が聞きたいことはわかっているでしょう? 毎日毎日、市井を賑にぎわせている噂を聞いたのだけれど、さすがに噂でこれだけ盛り上...
八紘共栄圏を目指して

第816話 『アルタ・カリフォルニア』

文禄四年九月二十五日(1595/10/28) ヌエバ・エスパーニャは1519年に北アメリカ大陸、カリブ海、太平洋、アジアにおけるスペイン帝国の副王領を指す名称であるが、その支配領域は太平洋においては皆無であった。 元亀二年(1571年)四月...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

時系列・あらすじ

以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第1話 『転生?』

1589年2月28日 オランダ アムステルダム <フレデリック・ヘンドリック> 重たい目をゆっくりあけた瞬間、ガン! と痛みが走った。 ズキンズキンと頭が痛み、喉はカラカラに乾いていた。薄暗い天蓋(ベッドの天井にあるフリルのカーテン状の物)...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第339話 『対英、対列強会議』

元治元年七月十四日(1864/8/15) 江戸城 御用部屋「さて方々、これより先のイギリスならびに列強に対する策を論じたいと存じます」 集まったメンバーは下記のとおり。 ・将軍後見職 一橋慶喜 ・政事総裁職 松平春嶽 ・大老筆頭 安藤信正 ...
八紘共栄圏を目指して

第815話 『電気と蒸気』

文禄四年八月二十二日(1595/9/25)「忠右衛門、これが例の『電信』なるものか?」 と純正は問いかけた。現代からの転生人である純正であったが、その機械自体を見るのは初めてである。 肥前国では天正三年(1575)にライデン瓶の開発が完了し...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第338話 『ロシアの対日、対英戦略』

元治元年七月三日(1864/9/4) 箱館「クリミアではイギリスに屈辱的な敗北を喫しましたが、まさか日本がイギリスを打ち負かすとは……。日本にはこれまで散々な目に遭わされてきましたが、今回の件は今後の対日外交の指針を見直す必要があるかもしれ...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

登場人物

山口多聞(やまぐち たもん): 旧日本海軍の少将。第二航空戦隊司令官。ミッドウェー海戦で空母「飛龍」と共に戦死…したはずだったが、不可思議な現象に巻き込まれる。冷静沈着で部下思いの指揮官。加来止男(かく とめお): 旧日本海軍の大佐。空母「...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

時系列・あらすじ

話数:第1話タイトル:ミッドウェー時系列:昭和17年6月6日23:30(ミッドウェー海域)/ 令和7年1月20日(ミッドウェー海域)あらすじ:ミッドウェー海戦で沈没するはずの空母飛龍。山口多聞司令官と加来艦長は艦と運命を共にする覚悟を決めて...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第337話 『捕虜』

元治元年七月三日(1864/8/4) 日英戦争における鹿児島・馬関戦役の捕虜は、士官・下士官兵すべてが横浜の称名寺にある収容所へ送られた。鹿児島湾海戦で200名、馬関海戦で340名、合計540名である。 称名寺は金沢区にある真言律宗の別格本...
八紘共栄圏を目指して

第814話 『ロシア・ツアーリ国のフョードル1世』

文禄四年七月十七日(1595/8/22) ロシア モスクワ イワン雷帝の息子であるフョードル1世が崩御して5年。 崩御前から摂政であったボリス・ゴドゥノフは次々に政敵を駆逐し、事実上の権力者であったが、フョードルの崩御後に即位してツアーリと...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第62話 『山本先輩』

1986年(昭和61年)3月16日(日) <風間悠真> 山本つばき製油所。 これが山本先輩の実家で祖父母と両親がやっている。父親は主に営業で外回りをしていて、母親は経理や農作業をしているそうだ。祖父母はもういい歳だけど、元気らしい。 長崎県...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第336話 『パーマストン内閣総辞職?』

元治元年五月三十日(1864/7/3) -緊急電報 発 上海東インド清国艦隊司令部 宛 海軍大臣  日本にて全艦隊壊滅。キューパー提督以下戦死。キング提督捕虜。大半の艦船撃沈又は拿捕だほ。 アジア権益に重大危機。外交・軍事対応の指示急務。-...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第1話 『ミッドウェー』

昭和十七年六月六日(1942/6/6)23:30(現地時間 1942/6/6/02:30)ミッドウェー海域 第二航空戦隊司令官である山口多聞司令官は、飛龍の艦橋で静かに立っていた。炎と煙が艦を包み、爆発音が断続的に響く中でも、彼の表情は穏や...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

時系列 あらすじ

第1話 『ミッドウェー』昭和十七年六月六日(1942/6/6)23:30(現地時間 1942/6/6/02:30)ミッドウェー海戦で沈みゆく空母「飛龍」。山口多聞司令官と加来止男艦長は、乗組員を退艦させた後、艦と運命を共にする覚悟を決める。...
八紘共栄圏を目指して

第813話 『小佐々平十郎純勝』

文禄四年六月十一日(1595/7/17) 諫早城「父上、ご用とはなんでしょうか?」 純勝は恐る恐る父である純正の前に進んだ。「おい、なにも取って食おうというんじゃない。お主にやってもらう事を考えたのじゃ」「何でしょうか?」「うむ、家督の相続...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第335話 『鹵獲戦利品の分配』

元治元年五月十六日(1864/6/19) |鹵獲《ろかく》したイギリス軍艦を大村藩の海軍工廠こうしょうで修理しているころ、大村・佐賀・長州・薩摩・幕府の間ではその分配協議がなされていた。 五大老とはいえ、土佐藩、加賀藩、仙台藩は除外されてい...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第334話 『最終決戦』

元治元年四月十一日(1864/5/16) 蓋井ふたおい島東岸沖「さーて、次郎様の言うとおりに……おお! あれは! どこの艦だ?」「艦橋-見張り! WhiteEnsign! イギリス艦隊です!」「よし来た!」 佐賀藩艦隊旗艦である甲子こうし丸...
八紘共栄圏を目指して

第812話 『純正の後継者問題』

文禄四年三月二十五日(1595/6/11) 諫早城 御年四十五となる関白太政大臣小佐々平九郎純正は、重度の健康オタクである。 目の前に並べられた食事は……。 ・青魚(サンマ、アジ、イワシ、サバなど) ・緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼ...
八紘共栄圏を目指して

第811話 『オランダ-1594-黄金時代の幕開け?』

文禄四年三月二十五日(1595/5/4) ネーデルランド デン・ハーグ「よし、では報告を聞かせてもらおうか」 オランダ総督のマウリッツ・ファン・ナッサウは居並ぶ臣下の報告を宮殿にて聞いていた。呼ばれた人たちと臣下の注目はもちろんマウリッツで...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第333話 『同航戦』

元治元年四月十一日(1864/5/16) 彦島の北西、竹ノ子島の南西沖で、同航戦が始まった。「目標、右舷敵艦、撃ちぃ〜方、始め!」 針路、速度を同じくしての正面からのぶつかり合いである。次郎の指令のもと全艦一斉に砲撃を開始した。14隻対8隻...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第332話 『下関戦争-長州海軍と幕府海軍-』

元治元年四月十一日(1864/5/16)「くそっ! やはり無理か!」 助けられる味方は助けなければならない。 人道的見地からはもちろん、戦力保持の意味合いもある。しかし、それがために全体が危険にさらされては意味がないのだ。一分一秒を争う判断...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第43話 『アメリカのNIAPと中国の特殊現象調査局、そしてロシアのIIA』

2024年11月27日 SPROの地下会議室 藤堂は修一たちを前に、重い表情で会議を始めた。「槍太そうた君の失踪について、新たな事実が判明した」 その言葉に全員が身を乗り出す。「アメリカのNIAP(National Institute fo...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第331話 『フランス・アメリカ・オランダ艦隊』

元治元年四月十一日(1864/5/16) 男島沖 イギリス艦隊旗艦上「艦橋-見張り! ロシア艦隊停止! 距離1,500ヤード!」「……副官、ロシア艦隊に通信を送れ、文面は、こうだ」 -発 大英帝国東インド・中国艦隊増援艦隊司令官 宛 ロシア...
八紘共栄圏を目指して

第810話 『フランス-1594-』

文禄四年二月十五日(1595/3/25) フランス パリ フォンテンヌブロー宮殿「陛下、司教様のお使いの方がお見えです」「なに? またか? ……通すが良い」「ははっ」 フランス国王アンリ4世は側近からの報告を聞き、うんざりしながら司教の使者...
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第330話 『ロシア艦隊と』

元治元年四月十一日(1864/5/16) 蓋井島沖 -発 彦島信号所 宛 大村艦隊並前田台場 敵小型艦海峡進入せり 水深測定ならびに周囲の偵察と認む-「ふむ、やはり慎重策をとるか」 次郎は長州藩に砲台の砲と艦載砲の変更と同時に電信網の敷設協...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第329話 『捕虜と馬関』

元治元年四月六日(1864/5/11) 江戸城 -発 次郎蔵人 宛 御殿 先の海戦にて英吉利艦隊に勝利せり-「おおお! これは僥倖ぎょうこうである! 重畳ちょうじょう重畳!」 純顕は次郎からの電信を読んで喜び叫んだ。 純顕がここまで感情を露...
八紘共栄圏を目指して

第809話 『イングランドとフランスとネーデルランドの使者』

文禄四年一月七日(1595/2/15) 諫早城「さて、本来なら個別に面談するところだが、ポルトガル以外の国とは国交がない。ゆえに同時に挨拶となりました。失礼をご理解いただきたい」 純正は向かって左からイギリス・フランス・オランダの使者の顔を...
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第328話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -地獄-』

文久四年(元治元年)四月六日(1864/5/11) 鹿児島湾口「8……9・10……13・14……敵艦14隻! 前方に単縦陣で、東西に待ち構えています!」 キューパーはその報告を信じたくはなかった。現実逃避とはこのことを言うのだろうか。世界に...
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第808話 『イングランドのスペインへの挑戦と東洋への野心』

文禄四年一月七日(1595/2/15) イングランド ロンドン 暖炉の火がパチパチと音を立てて執務室を暖かく照らし、窓の外には、テムズ川の穏やかな流れとロンドン市街の景色が広がっている。  エリザベス1世は羽根ペンを握り、羊皮紙に何かを書き...
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第327話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -突破口-』

文久四年(元治元年)四月六日(1864/5/11)「司令官! 前方に海峡があります!」 イギリス駐清艦隊は、海峡を突破後は艦船の修理と負傷者の治療をしつつ、湾内を偵察した。幸い砲台はない。島津軍もうかつに近づいて反撃を受けるのを想定して、あ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第326話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -台場と艦隊-』

文久四年(元治元年)四月五日(1864/5/10)「敵艦、離れていきます!」「どれだ?」「もっとも小さな艦、鈍足な艦が湾内ではなく、湾外へ逃げます!」 薩摩海軍安行丸の退避を確認した見張りが報告した。「その先には何がある?」「何もありません...
八紘共栄圏を目指して

第807話 『斜陽のイスパニアと隆盛のポルトガル』

文禄三年十一月二十七日(1595/1/7) スペイン マドリード王宮 フェリペ2世は重々しい表情で窓辺に立ち、マドリードの王宮から広がる景色を眺めていた。彼の目には、かつての帝国の栄光と現在の苦境が映し出されているようだった。「陛下」 側近...
八紘共栄圏を目指して

第806話 『海軍の拡大とシーレーン』

文禄三年十月十七日(1594/11/28) 諫早城 石炭ストーブで暖を取る面々を前に、コーヒーを飲みつつ談笑し、一息ついたところで直茂が発言した。 「さて方々。こたびは先の陸軍再編の如く、海軍の再編について議を進めたく存ずる。まずはこれまで...
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第325話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -序章-』

文久四年四月三日(1864/5/8) |蟄居《ちっきょ》処分状 文久四年三月二十七日、赤塚源六、大山彦助、松方正義の三名は、主命に背き独断専行にて大島沖に於おいて英国艦隊と交戦せり。 これは重罪である。  然されども今般の英国との戦況に鑑み...
八紘共栄圏を目指して

第805話 『肥前国の人口流出対策の現状と今後』

文禄三年九月四日(1594/10/17) 諫早城「方々、本日論ずるはわが国の栄ゆを支える礎たる働き手をいかに保つか(労働力の確保)、これより先の道筋を論じたく存じます」 戦略会議衆の筆頭である鍋島直茂の落ち着いた声が、会議室に響く。 20年...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第324話 『払暁の奄美大島』

文久四年三月二十六日(1864年5月5日)「おい、ほんのこてこいで良かとな? (本当にこれでいいのか?)」 永平丸艦長の大山彦助が全員の顔を見て確認するように言った。「仕方なかじゃろ。殿ん命じゃ。逆らうわけにゃいかん」 安行丸艦長の川村純義...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第323話 『イギリス東インド・清国艦隊の奄美侵攻』

文久四年三月二十六日(1864年5月1日) 「さて、薩摩はどう出るかな? 大村艦隊は出てくるだろうか」 イギリス連合艦隊第1艦隊(在清国駐留イギリス東インド・清国艦隊)、旗艦であるユーライアス艦上で、艦隊司令官であるサー・オーガスタス・レオ...
八紘共栄圏を目指して

第804話 『陸軍と領土開発省』

文禄三年七月二十日(1594/9/4) 諫早城 会議室には純正を筆頭に戦略会議衆である鍋島直茂、黒田官兵衛をはじめとした6名、陸軍大臣の波多隆、海軍大臣の長崎純景、領土開発省の日高喜がいた。 吃緊きっきんの課題として陸海軍ならびに海外領土の...
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第803話 『空軍』

文禄三年六月三日(1594/7/20)  蒸気機関の発達により、諫早から大阪までは10日から2週間程度で往復できるようになっていた。そのため純正は3か月は大阪・京都に滞在し、残りの9か月は諫早で過ごすという生活を送っていたのである。「ほうほ...
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第322話 『国外退去ならびに臨戦態勢』

文久四年三月四日(1864年4月9日) 「急ぎなさい。私が戻るかオールコック前公使が戻るか分からないが、正直なところ良い思い出がない。できればあまり関わり合いたくない国だがな」 駐日イギリス代理公使のエドワード・セント・ジョン・ニールは、執...
八紘共栄圏を目指して

第802話 『実行』

文禄三年四月十五日(1594/6/3) 京都 その日は大日本国会議が開かれ、副首相である信長をはじめとする閣僚が集まっていた。議会制度を充実させるため、各州から1名ではなく、各県もしくは各郡から1名を選出しての議会運営を始めようと考えていた...
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第321話 『僅差可決と艦隊派遣』

文久四年一月二十六日(1864年3月4日)  イギリス議会ではパーマストンとラッセルの豪腕によって、正式に日本への武力行使が可決された。10票にも満たない僅差であったが、反対意見を押しのけ、イギリス海軍艦隊が派遣されるようになったのだ。 昨...
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第801話 『洛中』

文禄三年三月二十八日(1594/5/18) 京都の片隅にある小さな居酒屋の2階。 薄暗い部屋の中で、3人の男がささやくように会話を交わしていた。 かつての室町幕府将軍・足利義昭、近江の宇多源氏佐々木氏流六角氏の16代当主・六角義治、そして美...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第61話 『衝撃の卒業式』

1986年(昭和61年)3月13日(木) 中学校1年生最後の月、そして3年生との最後の日。 卒業式がやってきた。在校生であるオレはふだんと変わらない。ただ明日になれば学校に3年生はいなくなり、今日は卒業式が終われば解散だ。 2回目の人生であ...
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第320話 『南北戦争とフランスとオランダ』

文久三年十二月十八日(1864年1月26日)  次郎はイギリスとの開戦を見据え、列強を日本側に取り込もうと考えていたが、ロシアは上手くいくであろうとの感触であった。アラスカの売却はロシアにとってもメリットがある。 もし万が一破談となっても、...
八紘共栄圏を目指して

第800話 『西南王楊応龍の死』

文禄三年二月八日(1594/3/29) 李化龍の進軍の報を聞いた楊応龍の対応は迅速であった。 本拠地の播州を中心として各地の苗族と連携をとり、統治のために配していた親族や腹心に命じて迎撃させたのだ。当初、数では劣勢であった楊応龍であったが、...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第319話 『アラスカ売却交渉とロシア太平洋艦隊のネーバルプレゼンス』

文久三年十二月十一日(1864年1月19日) 箱館「ほう……これはまた、珍しい。何かの交渉ならば、ぜひお手柔らかに願いたいものですな」 駐日函館ロシア領事のヨシフ・アントノヴィチ・ゴシケーヴィチは、決して良い思い出とは言い難い相手と、再び交...
八紘共栄圏を目指して

第799話 『8路24万』

文禄二年十二月十八日(1594/2/8)「陛下、明からの使者が参っております」「おお、ようやく来たか。遅すぎるぞ」 楊応龍は|播《は》州の宮殿で明からの使者が来たという報告を受け、笑みをこぼす。独立と領土の要求をして期日を設け、ようやくその...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第318話 『全体戦略会議とロシア』

文久三年十二月二日(1864年1月10日) 上海 「読みたまえ」 イギリス東インド・清国艦隊司令官のサー・オーガスタス・レオポルド・キューパーは、副官に命じてイギリス本国の海軍省からの訓令を読み上げさせた。 -議会において日本との国交断交並...