転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第344話 『小栗上野介の財政・貨幣政策』 元治元年十月六日(1864/11/5) 小栗上野介は外国奉行としてアメリカやフランスと交渉することはもちろん、勘定奉行として幕府の財政の健全化と増大する軍事費や様々な歳出を補うべく、その施策にまい進していた。「このままでは立ち行かなくなる」... 2025.01.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第341話 『琉球とオランダ』 元治元年八月二十七日(1864/9/27) 江戸 大村藩邸「さて次郎、次はいかにすべきかの」「は、イギリスが本気を出してくればかなり難かたし事様ことざま(難しい状況)にございますが、そうならぬよう各国の公使館や新聞各社には根回しをしておりま... 2025.01.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第339話 『対英、対列強会議』 元治元年七月十四日(1864/8/15) 江戸城 御用部屋「さて方々、これより先のイギリスならびに列強に対する策を論じたいと存じます」 集まったメンバーは下記のとおり。 ・将軍後見職 一橋慶喜 ・政事総裁職 松平春嶽 ・大老筆頭 安藤信正 ... 2025.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第813話 『小佐々平十郎純勝』 文禄四年六月十一日(1595/7/17) 諫早城「父上、ご用とはなんでしょうか?」 純勝は恐る恐る父である純正の前に進んだ。「おい、なにも取って食おうというんじゃない。お主にやってもらう事を考えたのじゃ」「何でしょうか?」「うむ、家督の相続... 2025.01.20 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第335話 『鹵獲戦利品の分配』 元治元年五月十六日(1864/6/19) |鹵獲《ろかく》したイギリス軍艦を大村藩の海軍工廠こうしょうで修理しているころ、大村・佐賀・長州・薩摩・幕府の間ではその分配協議がなされていた。 五大老とはいえ、土佐藩、加賀藩、仙台藩は除外されてい... 2025.01.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第334話 『最終決戦』 元治元年四月十一日(1864/5/16) 蓋井ふたおい島東岸沖「さーて、次郎様の言うとおりに……おお! あれは! どこの艦だ?」「艦橋-見張り! WhiteEnsign! イギリス艦隊です!」「よし来た!」 佐賀藩艦隊旗艦である甲子こうし丸... 2025.01.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第812話 『純正の後継者問題』 文禄四年三月二十五日(1595/6/11) 諫早城 御年四十五となる関白太政大臣小佐々平九郎純正は、重度の健康オタクである。 目の前に並べられた食事は……。 ・青魚(サンマ、アジ、イワシ、サバなど) ・緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼ... 2025.01.18 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第332話 『下関戦争-長州海軍と幕府海軍-』 元治元年四月十一日(1864/5/16)「くそっ! やはり無理か!」 助けられる味方は助けなければならない。 人道的見地からはもちろん、戦力保持の意味合いもある。しかし、それがために全体が危険にさらされては意味がないのだ。一分一秒を争う判断... 2025.01.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第325話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -序章-』 文久四年四月三日(1864/5/8) |蟄居《ちっきょ》処分状 文久四年三月二十七日、赤塚源六、大山彦助、松方正義の三名は、主命に背き独断専行にて大島沖に於おいて英国艦隊と交戦せり。 これは重罪である。 然されども今般の英国との戦況に鑑み... 2025.01.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第323話 『イギリス東インド・清国艦隊の奄美侵攻』 文久四年三月二十六日(1864年5月1日) 「さて、薩摩はどう出るかな? 大村艦隊は出てくるだろうか」 イギリス連合艦隊第1艦隊(在清国駐留イギリス東インド・清国艦隊)、旗艦であるユーライアス艦上で、艦隊司令官であるサー・オーガスタス・レオ... 2025.01.05 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第803話 『空軍』 文禄三年六月三日(1594/7/20) 蒸気機関の発達により、諫早から大阪までは10日から2週間程度で往復できるようになっていた。そのため純正は3か月は大阪・京都に滞在し、残りの9か月は諫早で過ごすという生活を送っていたのである。「ほうほ... 2025.01.05 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第322話 『国外退去ならびに臨戦態勢』 文久四年三月四日(1864年4月9日) 「急ぎなさい。私が戻るかオールコック前公使が戻るか分からないが、正直なところ良い思い出がない。できればあまり関わり合いたくない国だがな」 駐日イギリス代理公使のエドワード・セント・ジョン・ニールは、執... 2025.01.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第321話 『僅差可決と艦隊派遣』 文久四年一月二十六日(1864年3月4日) イギリス議会ではパーマストンとラッセルの豪腕によって、正式に日本への武力行使が可決された。10票にも満たない僅差であったが、反対意見を押しのけ、イギリス海軍艦隊が派遣されるようになったのだ。 昨... 2025.01.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第316話 『薩摩と長州』 文久三年十月二日(1863年11月12日) -発 次郎左衛門 宛 松前勘解由様 昨今の日英関係に鑑み、開戦となればロシアの動向愈々以ていよいよもって重きにして、特に間宮海峡並びに宗谷海峡の備えは重きと存じ候間(思うので)、近く新式砲台の設... 2024.12.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第314話 『謁見と三条実美』 文久三年七月九日(1863年8月22日) -発 丹後守 宛 蔵人 賛成多数にて実行せよ この命令が江戸の純顕から届いて、1か月が過ぎていた。「岩倉様、これは……いったい如何いかなる仕儀にございましょうや(どういう事ですか)?」「申し訳あり... 2024.12.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第312話 『岩倉具視の出世と大哨戒網』 文久三年五月十五日(1863年6月30日) -発 六位蔵人次郎左衛門 宛 左近衛権少将様(島津久光) 斯様かように短き略式なる書面にて失礼仕り候。 生麦の儀、いまだ解決に至らず候間そうろうあいだ(解決してませんので)、イギリスの出方により... 2024.12.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第307話 『文久遣欧使節の帰国と朝廷と長州』 文久二年十二月十一日(1863年1月30日) 川棚港「兄上! あれっきりと申し上げましたよね! 弘化四年の砌みぎり、人は宝だと仰せになって、某それがしに全国行脚を命じられました。これが最後だと! 某は信之介様のもとで学びたいと!」 そう言っ... 2024.12.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第306話 『第一回大老院と薩摩』 文久二年十二月九日(1863年1月28日) 江戸城 現在でいう組閣が行われ、政事総裁職に松平春嶽、将軍後見職に一橋慶喜が選出された。 ・筆頭大老は安藤信正(まとめ役) ・大老衆は島津忠義、毛利敬親、山内容堂、伊達慶邦、前田斉泰(5名) ・老... 2024.12.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第305話 『人事は尽くしたので、他にやるべき事をやる』 文久二年十一月二十日(1863年1月9日) 肥前大村 生麦事件が歴史通りに発生し、その対応に忙しかった次郎ではあるが、大村藩内ではさらなる技術革新が行われていた。 パーシー・ホッグを救えなかった事実に苦悩する一之進ではあったが、愛弟子の長与... 2024.12.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第303話 『ジョン・ラッセルとパーマストン』 文久二年十月二十八日(1862年12月19日) イギリス 極秘 1862年9月10日 ラッセル外務大臣閣下 横浜より、憂慮すべき事件についてご報告申し上げます。去る8月26日、生麦村において、上海の貿易商であるC.L.リチャードソン氏を含む... 2024.12.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第294話 『交渉開始とイギリスの魔の手』 文久二年八月十九日(1862年9月12日) |玉蘭閣《ぎょくらんかく》「なるほど。で、イギリス人の旅行客が巡撫じゅんぶだか知府だかの……ああ、大名って言うんだったか。その行列を遮って進もうとして、その2人が銃を撃ち、他のイギリス人が無礼を働... 2024.12.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第291話 『上海租界とリボルバー』 文久二年八月十八日(1862年9月11日) 上海 フランス租界 ホテル『宏記洋行』 部屋には佐賀藩の中牟田倉之助、薩摩藩の五代友厚、そして大村藩士の峰源助がいた。彼らは皆、晋作と同じく通商のために上海に来ていた同志である。「おお、晋作君か... 2024.12.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第290話 『生麦事件交渉-5-10万ポンドの要求』 文久二年八月十八日(1862年9月11日) 日本側とイギリス側の会談は連日にわたって続き、ついにニールは上海租界における捜査協力を認めるに至った。 今回のニールの目的は、100対0の勝利でなくともイギリス優位で交渉を進め、賠償金を勝ち取り... 2024.12.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第289話 『生麦事件交渉-4-交渉の糸口』 文久二年八月十三日(1862年9月6日) ■川棚 AM6:00「機関は問題なし、よし、出港するぞ!」 ■横浜「え? 勘弁してくださいよ。今からすぐなんて無理ですよ。今何時だと思ってるんですか? それに今から準備できたとしても12時ですよ」... 2024.12.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第288話 『生麦事件交渉-3-真実は上海に』 文久二年八月十二日(1862年9月5日) 夜 神奈川奉行所「安藤様、あまりに差し出がましい物言い、真に申し訳ございませぬ」 次郎は前面にでてニールと交渉した事を謝るが、信正はからからと笑って答える。「なに、蔵人がそうだと言う事は丹後守殿から... 2024.11.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第285話 『虚々実々』 文久二年八月五日(1862年8月29日) 江戸城『英国の罠 - 仕組まれた事件』 次郎が小説家なら、この時期の出来事をこういう話題にタイトルをつけそうだ。 が、小説家ではない。 現場にいるのだ。「三郎殿、こたびは従四位下左近衛権少将への叙任... 2024.11.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第282話 『生麦事件』 文久二年七月二十一日(1862年8月16日)生麦村 雲一つない晴天。東海道の生麦村付近を、薩摩藩主・島津忠義の父、島津三郎久光の一行がゆっくりと進んでいた。江戸での交渉を終え、薩摩への帰路についたのだ。「国父様、少々お休みになってはいかがで... 2024.11.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第281話 『文久の改革と土佐尊王党』 文久二年七月三日(1862/7/29)江戸城 島津久光はその条件をのんで勅を実行させるほかなかった。 安藤信正の発言は正論であり、それを退ける正当な理由がなかったのだ。信正の人事権や大老の序列と役割、大老院と老中院の設置など、役職に外様と親... 2024.11.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第279話 『久光対信正』 文久二年六月七日(1862/7/3) 発 京都留守居役 宛 蔵人様 島津三郎様 在京不逞ふてい浪士鎮撫ちんぶノ功アリ 従四位下左近衛権少将 叙位任官ノ 動キアリ ■江戸城 安藤信正は久世広周から聞いた腹案について考えていた。 やらせればよ... 2024.11.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第278話 『久光の幕政改革』 文久二年四月二十九日(1862/5/27) 発 次郎蔵人 宛 御大老 先日 島津三郎様 兵千ヲ率イテ上洛セリ 幕政ノ改革ヲ求メルモノナリ 次郎はそう幕府に報告しようと考えたが、止めた。よくよく考えたら次郎は幕臣ではない。それに久光は攘夷じ... 2024.11.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第277話 『久光の上洛と寺田屋事件』 文久二年四月一日(1862/4/29) 京都 岩倉邸 発 諸調方しょしらべかた(諜報局) 宛 蔵人様 薩摩ノ草ヨリ報セアリ 島津三郎様 上洛ノ由 日本は次郎の活躍で不平等条約は締結しておらず、関税自主権もあり、領事裁判権も認めていない。また... 2024.11.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第276話 『公儀への報告と対馬事件の国内後始末。くすぶっている火は収まるか?』 文久二年三月十日(1862/4/8) 日魯間領土境界確定並びに対馬事件賠償条約と名付けられた長い条約は、批准日を1年後とした。それまでに賠償金の支払いや捕虜の返還、そして樺太(千島列島含む)におけるロシア国籍の民間人と兵の退去が行われる。... 2024.11.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第272話 『皇女和宮とロシア全権との交渉』 文久二年一月十五日(1862/2/13)~二月十一日(3/11)「なんだって! ? 襲われた? いつ? どこで? 誰が?」 史実と歴史が変わっても対馬の問題は解決しておらず、他の問題も山積みである。 しかし次郎は攘夷じょういに関しては藩内で... 2024.11.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第271話 『坂下門外』 文久二年一月十五日(1862/2/13) 江戸城「申し上げます! 御大老様、坂下門外にて襲われましてございます!」「なに! ? 真か?」 大老安藤信正襲撃の報はまたたく間に江戸城をかけめぐり、久世広周は信正の安否を問うた。「幸いにして御大... 2024.11.05 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第270話 『清国との交渉と、斉彬殺害の影響』 文久元年十二月二十日(1862/1/19) 江戸城「あわせて今ひとつ、清国とのことでございますが」「清国?」 上野介はなぜここで清国が出てくるのか、と思いつつも、その興味を抑えることができなかった。「米国の戦時国債の話をしておる時に、なに... 2024.11.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第269話 『小栗上野介との交渉』 文久元年十二月二十日(1862/1/19) 江戸城「これはこれは蔵人殿(次郎)、如何いかがなさいましたかな? 某、もはや大抵の事には驚きませぬぞ」「上野介様、なにも驚かそうなどとは考えておりませぬ。実は此度こたび、お許しいただきたいことが... 2024.11.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第268話 『ハリスと小栗上野介』 文久元年十二月十二日(1862/1/11) 江戸 善福寺 アメリカ公使館 アメリカ本国では北軍合衆国と南軍連合国が戦争をしている。ここ日本でもロシアによる対馬占拠事件が起こり、非道な異人を廃すべきとの国内の攘夷じょういムードは高まりつつあ... 2024.10.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第262話 『イギリスとフランスの思惑と攘夷の志士』 文久元年八月十二日(1861/9/16) 大村「それ見た事か! やってくれた、やってくれたぞ大村の家中が!」 真木和泉は声高に叫んだ。「これまで公儀の弱腰で異国のいいようにされて参ったが、まこと、胸のすくような仕儀にござる!」「ええ、まさか... 2024.10.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第257話 『戦後処理その2:前言撤回』 文久元年四月七日(1861/5/16) 対馬「では杉村殿……いや、佐須伊織殿とお呼びしたほうがよろしいかな」「ご随意に」「では伊織殿、ロシアに船の補修と補給のための物資は与えたが、必要以上の上陸や測量などは許していないと?」「無論にござる。... 2024.10.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第256話 『戦後処理その1』 遡って文久元年二月二八日(1861/4/7) 二月十九日付(23日博多着) 露国 測量セリ 修理ノタメノ小屋建テリ 食料求メラルルモ 牛ハ断リケリ「これは一体どういう事ですかなゴシケーヴィチ領事、先日退去を命ずるようお願いしたはずですが」 ... 2024.10.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第255話 『ロシア軍艦対馬占領事件』 文久元年二月十一日(1861/3/21) 発 宗対馬守 宛 御大老 露国軍艦来航セリ 退去求ムモ 応ジズ 本来は3週間かかる幕府への報告も、博多に着いた時点で電信に直され、幕府と長崎奉行、そして参与である純顕の元へも届いた。実は、対馬に外国... 2024.10.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第254話 『歴史は、変わらないのか?』 万延元年十二月九日(1861/1/12) 吉之助(西郷隆盛)にとって幸いだったのは、横浜から大阪を経由して鹿児島、長崎、大村を往復する小曽根大浦海運の客船(輸送船)が一日、五日、十日、十五日、二十日、二十五日と運航していた事だ。 四日に江戸... 2024.10.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第253話 『清河八郎とヒュースケン、陰謀の痕跡』 万延元年十二月四日(1861/1/7) 史実における長井雅楽の航海遠略策は、公武合体が進まず窮地に陥っていた幕府にとっては渡りに船の政論であったが、今世は攘夷じょうい運動や倒幕運動もそこまで高まっていない。 そのため少なくとも、次郎や上野... 2024.10.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第252話 『長井雅楽と航海遠略策。長州と斉彬に迫る影』 万延元年十月二十五日(1860/12/7) 「馬鹿馬鹿しい。然様な些末な事に頭を使うなら、もっと他に為すべき事も考えるべき事もあるでしょう」 小栗上野介は御大老安藤信正の問いに事もなげに答えた。「ふっ……。些末な事か。相変わらず豊後守(当時... 2024.10.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第251話 『公武合体と幼い少女』 万延元年十月十八日(1860/11/30) 「次郎を呼んでたもれ」 そう言われて参内し、和宮と会うこととなった次郎であったが、降嫁を認めて公武合体を進めるよう映ったであろう事は間違いない。個人的にはあまり乗り気がしない事であった。 しかし幕... 2024.10.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第250話 『土佐の勤王、それぞれの勤王。そして攘夷』 万延元年九月五日(1860/10/18) 大村 武市瑞山や岡田以蔵とともに大村にやってきた藤田小四郎、平野国臣、真木和泉の3人であったが、必然的に土佐グループとは分かれて行動するようになっていた。 意図していたわけではなく、自然とそうなっ... 2024.10.05 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第249話 『朝廷の和宮降嫁に対する意向とイギリスと薩摩の情勢』 万延元年七月二十日(1860/9/5) 京都御所 陣座 太閤鷹司政通、関白九条尚忠、正四位下右近衛権少将の三条実美、同じく正四位下右近衛権少将の岩倉具視の4人の重臣が集まっていた。 同じ官位官職ではあるが、実美は具視を格下に見ている。 政... 2024.10.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第248話 『公武合体と龍馬。アギとアザ』 万延元年六月三日(1860/7/20) 江戸城 評定部屋 「出雲守殿、件の公武合体は進んでおろうか」「は、御大老様発案のとおり奏上いたしましてございます」 久世広周は安藤信正の問いに短く答え、続けた。「して、その策は成るとして、公議政体にお... 2024.10.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第247話 『変の余波』 安政七年四月十四日(1860/6/3) 江戸城 評定部屋 ※永蟄居ちっきょ 前水戸藩主・徳川斉昭 隠居・謹慎 水戸藩主・徳川慶篤 ※切腹 水戸藩家老・安島帯刀 水戸藩京都留守居役・鵜飼吉左衛門 水戸藩京都留守居役助役・鵜飼幸吉 水戸藩奥右... 2024.10.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第246話 『大老安藤信正と首座久世広周ならびに公儀表警護方』 安政七年三月二十四日(1860/4/14) 江戸城 評定部屋 「御大老、真に斯様かような高札を市井に立てるのでございますか」「然様、病のため療養とする旨の上書もあれど、斯様な仕儀にてお亡くなりになった事は、すでに江戸市中に知れ渡っておろう。... 2024.10.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く