毛利

内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第584話 純正の大義名分と信長の大義名分(1572/12/05)

天正元年 十一月一日(1572/12/05) 諫早城  「さてみんな、集まってもらったのは他でもない。例の如く小佐々家の今後の基本方針と、織田・武田・徳川・浅井・畠山・里見に対する外交姿勢について論じたいからである」  集まった閣僚の表情は...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第574話 上杉戦の反省と留学生の今後

少し遡って天正元年(1572) 三月三十日 諫早城 織田信忠  小佐々の殿様、権中納言様が上杉と軍いくさをなさっているさなか、春休みという事でわれらはいったん故郷へ帰り、元服を済ませた。  父は今年の三月が中学の終わりで、小佐々の領民は卒業...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第566話 中止できず。人道支援と織田の評定。

天正元年(1572) 四月十四日 越後沖 霧島丸 「小佐々海軍、第四艦隊司令長官、佐々清左衛門にござる」 「上杉家家老、直江大和守にござる」  テーブルに向かい合って相対する二人に、珈琲が運ばれてきた。戦場で敵方の使者が来たというのに、余裕...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第556話 純正、婦負郡南部、新川郡南西部を服属させる

天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 京都 大使館  発 敦賀信号所 宛 権中納言 複 治部少丞  秘メ 敦賀ニテ 数多ノ 兵船 アリ 帆ノ 紋二ヨリ 奈佐 毛利 小早川 村上 他 山陰 山陽ノ 船手衆 ト 認ム 秘メ  発 権中納言 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第524話 武田の鉱山と葡萄と天蚕 ~甲州ワイン誕生なるか?~

天正元年 三月十九日 甲斐国 躑躅ヶ崎館  二日前の三月十七日に、利三郎が勝頼と信玄に謁見して許可を得た小佐々軍の領内通過と、信越国境ならびに飛越国境の駐屯が行われる事となった。  荷留においては、それに加えて上野の武田領(真田領含む)にお...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第523話 酒と醤油の値段が違う! とある第二師団所属兵の憂鬱

天正元年 三月十八日 伊勢国桑名郡 住吉浦(桑名)  陸軍第二師団が到着したのは、美濃・尾張・伊勢の三国にまたがる木曽三川が合流し、伊勢湾に流れ込む地点にある、水運で栄える桑名である。  十五日に門司を出発して三日後であった。  ここで一泊...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第522話 第三師団長の憂いと伊集院忠棟、安国寺恵瓊ほか続々

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十八日 阿波 橘浦   十三日に白地城下の駐屯地を出発した小佐々陸軍第三師団が、橘浦に到着したのは十八日の夕刻であった。  小田増光陸軍少将は兵に休息をとらせ、乗艦の段取りをすませて宿舎にいた。  ふと...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第520話 対上杉謙信 純正の調略と荷留・津留の経済封鎖

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十六日 京都 大使館   純正は謙信が話し合いに応じ、戦う事なく拮抗状態が維持できればと考えていたが、やはりそれは出来なかった。  第二師団には尾張より木曽川を上って飛騨に入り、越中との国境である塩屋城...
緊迫の極東と、より東へ

第509話 肥前より能登へ、越前での一節

天正元年(1572) 二月二十三日 出雲国島根郡 美保関 小佐々純正  美保関から最寄りの簾すだれ城までは9kmほどあったので、城までは行かずに湊町の高級旅籠? (旅館)に泊まった。  美保関を含めた島根半島は、尼子氏が滅んだ後の再興戦での...
緊迫の極東と、より東へ

第495話 元亀から天正へ 純正と信長、連盟での奏上と勅書

元亀三年改め天正元年(1572年) 正月  かねてからの懸案事項であった元号であるが、純正と信長の連名により昨年奏上され、天正と改められた。  本来、天正への改元は元亀四年、つまり来年に行われるはず(史実)であったが、前倒しである。  歴史...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第480話 鍋島左衛門大夫直茂、小佐々治部少丞純久、太田和治部少輔直政、一同に会す

元亀二年 十月二日 京都 大使館 「久しいの治部少丞、息災であったか」 「これは利三郎様、お元気そうでなによりにございます。お心遣いかたじけのうございます」  純久は三年ぶりに上司である利三郎に会い、喜びもひとしおであった。  しかし一方で...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第460話 海軍再建計画と山陰山陽大街道計画

元亀二年 五月二十四日 姫路城  純正は五月十二日には塩置城に入り、赤松義祐と三木道有の仕置をした。  すでに毛利・小早川・三村の連合軍は、播磨北部の国人を制圧して城下に集まっており、宇喜多・陸軍連合軍も沿岸の城を制圧して集結していた。 「...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第457話 二俣城の陥落と三方ヶ原の戦い

元亀二年 五月九日  武田高信への仕置を終えた後、純正は鳥取城へ向かう途中で山名豊国への謁見を許し、但馬へ入った。塩冶高清が治める桐山城、芦屋城、長高連が治める林甫城がある。 「初めてご尊顔を拝し奉りまする、長越前守高連にございます。近衛中...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第455話 悪人?吉川駿河守元春

元亀二年 四月二十一日 伯耆国 岩倉城  吉川元春の軍勢が岩倉城を包囲した翌日、美作の小田草城へ向かっていた南条元続は急報を受けた。急ぎ陣払いをして岩倉城の救援に向かったのだが、すでに城は落とされた後であった。  吉川軍の裏切りという事態と...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第454話 伯耆国岩倉城と備前国天神山城の行方

元亀二年 四月十七日 伯耆国 岩倉城 「おお、見よ! 駿河守様が後詰めとしてこられたぞ!」  城主の小鴨元清は、丸に三つ引両の吉川の旗印に小躍りして喜んだ。河村郡と久米郡、八橋郡の大部分を治める、国人領主の南条元継の弟である。  今回の一斉...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第453話 駿河守の策略と忠義の試金石:吉川駿河守と鍋島加賀守の運命

元亀二年 四月八日 吉田郡山城 「駿河守殿、それは一体どういう事かな? 直茂、よいな?」 「は、ははあ」  さすがの鍋島直茂も、歯切れが悪い。純正の恩情で不問にされた事であるが、元春が言った事が本当ならば、自分も罪を負わなければならないから...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第452話 小早川隆景の苦悩と衝撃の告白

元亀二年 四月八日 吉田郡山城 「なるほど。では左衛門佐殿は、兄弟ゆえ、兄である駿河守殿が謀反を起こすはずはない。兄はそのような男ではない、と?」  小早川隆景はまっすぐ純正の顔を見ている。輝元も口には出さないが目で語っている。 「しかしの...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第451話 吉田郡山城にて、一体何を拠所とするのか?

元亀二年 四月八日   三河方面の山県・秋山の別働隊と、遠江の信玄本隊からなる武田の西上軍は、服属を願い出てきた将兵や降伏した城の兵をあわせると、七千人あまり増加していた。  三河では奥三河の山家三方衆、遠江では北遠江の天野景貫らをはじめと...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第449話 御教書発給と将軍義昭の御内書疑惑

元亀二年 三月十一日 諫早城  発 純久 宛 近衛中将  秘メ ◯三◯三 信玄 兵越峠ヨリ 遠江 入レリ 山県 秋山 奧三河 侵攻セリ 徳川 浜松ニテ 籠城 織田ノ 援軍 待テリ 秘メ ◯三◯六 「直茂よ、弾正忠殿はいま、どのあたりであろう...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第445話 元亀二年と遠洋航海、バンテン王国より東へ。

元亀二年 元旦 諫早城  元旦の年賀の挨拶には、年々増加の一途をたどる来賓の数に対応するため建てられた、巨大な迎賓館が使用された。100人や200人ではない。  純正はまず、午前中を空け、家族や親族との対面に時間を割いた。父親はいつまでたっ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第442話 武田信玄の3つの選択肢

元亀元年 十二月二十日  甲斐の武田信玄には、どこに侵攻するか、三つの選択肢があった。一つは越後、もう一つは美濃、そしてもう一つは遠江三河である。  一つ目の越後の上杉謙信だが、昨年の永禄十二年の八月には和議が成立している。  しかし開戦の...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第439話 第2.5次信長包囲網への序曲 山は動くか

元亀元年 十一月  純正が西日本大会議を開いているそのころ……。  ■石山本願寺 「和議に応じぬとはどういうことだ! 信長は本当に長島を滅ぼす気か? あやつは仏罰が怖くないのか?」 「上人様、やはり公方はあてになりませぬ。信長になめられて、...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第438話 新参者、宇喜多右衛門尉直家と黒田官兵衛孝高

元亀元年 十一月二十五日 「本当にこれで良かったのだろうか」  純正が直茂に確認する。すでに3日間に及んだ会談は終わり、諸大名は純正への挨拶を終えて、それぞれの領国へ帰った後であった。 「ようございました。あれで大国毛利も小佐々には敵わぬ、...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第437話 新しい西国秩序

元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城  戦をなくす為に話し合いの場を設けたのに、これでは話がまとまらない。  元春の気持ちも理解できるが、大言壮語すぎたのだ。このまま、無条件では元春も引っ込みがつかないであろう。 「では能義郡、四万五千六...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第436話 純正、孫子の兵法を説く

元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城  「寒いっ! 無理! 絶対無理! なんだよこれ! 氷点下じゃねえか!」  秀政が聞いたら驚くような言葉だが、温度計自体はずいぶん前に純正のアイデアで作っている。水に食紅で色をつけた温度計だ。  しかし...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第435話 尼子家の苦悩と復興

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 酉三つ刻(1800)  ■別所家中 「叔父上、やはり中将様はひとかどの人物ですね。くぐってきた修羅場もそうであるし、話も飽きぬ。なにより、戦を好まぬ姿は好きです」  別所長治は叔父で一門、家老の別所重...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第434話 中将殿と西国の群雄

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 酉三つ刻(1800)  50人ほど入る規模の会場には、大名家・国人家ごとに席が設けられていた。  上座には横長に3つの机が並べられている。真ん中のひときわ大きい机には純正が座り、宗麟、通宣、存保が右手...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第433話 変革の時

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城  元親は純正の発言の意図が理解できない。 「それは一体、どう言うことなのでしょうか?」 「言葉通りの意味である。宇喜多殿とは使者を通じて、服属したいとの旨を承っており、了承したのだ。その際、この毛利家...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第432話 負の連鎖を断つとき

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城  宇喜多家と宇喜多直家をどうしたいのか?   純正の問いに三村元親は即答できない。父を殺した憎き敵が目の前にいるのだ。どんな形でも良いから仇を討ちたいはずなのに、なぜか答えられない。 「それは……」 ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第431話 純正の和睦会議

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 「よもやこの中に、おのが欲のために戦をしかけ、領土を拡げ私利私欲を貪らんとする方はおられぬと存ずるが、いかに?」  会議室全体が静まりかえった。波乱の、幕開けである。  まず、口を開いたのは、驚くこと...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第430話 力と政治

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城    戦国時代初、関係各国の代表、いわゆる首脳が集まる会談が伊予の湯殿城で開催された。甲相駿三国同盟でも3人である。10人はまずないだろう。  どこで開催するか迷った純正であったが、諫早城はさすがに遠...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第429話 西国騒乱!?史上最悪の兄弟喧嘩。完膚なきまでに叩きのめされる。

元亀元年 十一月十五日 吉田郡山城 「本気で呑むというのか、隆景」  諫早城で純正との会談を終えて戻ってきた隆景は、輝元と元春、ならびに恵瓊ほか数人の重臣にその内容を告げた。  小佐々と四分六(毛利が四:感覚的な表現)の同盟を結ぶことを提案...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第427話 純正上洛ス 将軍義昭二問フ

元亀元年 十一月一日 京都 室町御所  発 純久 宛 近衛中将  秘メ 公方様ヘ 宇喜多ノ 使者 謁見セリ 御教書ヲ 当家 ナラビニ 毛利 山陽 山陰 各大名ニ 送ルトノ 風聞アリ 内容ハ 播磨、美作、備前ノ 輩ハ 毛利ノ家人 タルベシ ト...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第426話 純正と秀安 裏の裏の裏の話

元亀元年 十月二十日 諫早城  小早川隆景との会談を終えた数日後、純正は朝食を食べ終わって、コーヒーを飲んで新聞『肥前新聞』を読んでいた。  第一回の遣欧使節が帰国したとき、グーテンベルクの活版印刷機を輸入していたのだ。  その後印刷機の仕...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第425話 小早川隆景、伊予から豊後、そして肥前へ。小佐々純正という男③

元亀元年 十月十四日  小会議室に案内された隆景は、様々な調度品に驚く。  壁には見たこともない絵が掛けられ、テーブルの上には何やら球体の置物がある。そして上座の席の奥には大きな振り子時計があった。 「さ、どうぞお座りくだされ。普通の茶と紅...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第424話 小早川隆景、伊予から豊後、そして肥前へ。小佐々純正という男②

元亀元年 十月十四日  発 石宗山陽 宛 総司令部  秘メ 宇喜多ノ 使者 戸川秀安 輝元ニ 会ヱリ 詳細ハ 不明ナレド 浦上ノ 名代ニ アラズ マタ 両川ハ 不在ナリ 一○○七 秘メ 経由 門司信号所 一○一一 午三つ刻(1200) 「う...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第423話 小早川隆景、伊予から豊後、そして肥前へ。小佐々純正という男

元亀元年 十月十四日  隆景は翌日の八日の朝から安芸倉橋島へ向かい、そこからさらに船に乗った。  忽那の島々をへて伊予鹿島城下へ着いたのは九日の夕刻である。  一泊して湯殿城下を経て、喜多郡の佐多岬半島の佐田浦、三崎浦までは街道がすでに整っ...
新たなる戦乱の幕開け

第421話 毛利の両川、吉川元春と小早川隆景

元亀元年 十月七日 吉田郡山城   「なんだ、どうするのだ?」 「それは、右衛門督様のお心次第にございます」  意味深な発言で言葉を濁す秀安であったが、輝元の歓心を買うのには十分であった。 「右衛門督様がこのまま小佐々の軍門に降り、独立独歩...
新たなる戦乱の幕開け

第420話 毛利輝元と安国寺恵瓊、相対するは戸川平右衛門尉秀安なり

元亀元年 十月七日 吉田郡山城 「殿、宇喜多家臣、戸川秀安と申す者がお目通りを願っております」  毛利家当主である毛利輝元は、外交僧で顧問の安国寺恵瓊と談笑していた。  このとき両川である小早川隆景は領国である新高山城(にいたかやまじょう)...
新たなる戦乱の幕開け

第419話 謀将宇喜多直家の処世術~使える物はなんでも使う。そして混沌へ~

元亀元年 十月三日 岡山城 「殿、一つだけ、策がないこともございませぬ」  なに? と直家は秀安の言葉に目を輝かせる。さて、戸川秀安の腹案とはいったいなんであろうか? 「おお、なんじゃ」 「毛利にございます」 「何を言っておる。さきほど毛利...
新たなる戦乱の幕開け

第418話 謀将宇喜多直家の処世術~生き残りのための3つの方策~

元亀元年 十月三日 岡山城 「なに? 宗景が小佐々の使者と会っておっただと? いつじゃ?」  宇喜多直家は、決裁書類を読んでいた手を止めて聞く。 「は、一昨日、小豆島の小海城山城(おみじょうやまじょう)にて、会談が開かれたもようです」  重...
新たなる戦乱の幕開け

第417話 浦上宗景の戦略と宇喜多直家の運命

元亀元年 十月一日 諫早城  発 純久 宛 総司令部  秘メ 公方様 各地ノ大名へ 書状ヲ送レリ マタ 本願寺ヨリ 幕府ヘ 長島ノ戦 和睦ノ 調停 要請アリ ト 認ム。  マタ 浅井ノ 軍勢ハ 丹後ヲ 順当二 制シテイル 模様 秘メ  和睦...
新たなる戦乱の幕開け

第415話 小海城山城会談~毛利につくか小佐々につくか~

元亀元年 九月二十五日  発 純久 宛 総司令部  秘メ 織田軍 一揆勢ヲ 五ツノ城二 追ヒ詰メリ 砲撃後 敵降伏ヲ 申シ出ルモ許サジ   兵糧攻メノ模様 殲滅モ近シ 浅井軍 丹後ニテ 加佐郡竹野郡ノ国人 刻ヲ同ジクシテ蜂起  一色勢ヲ追イ...
新たなる戦乱の幕開け

第413話 元亀元年の浦上宗景への詰問状

元亀元年 九月十五日 諫早城 「殿、大使館より定時通信にございます」  京都大使館に配属されている情報省の職員(忍び)から定時報告があった。  京都~堺湊、阿波湊~土佐宿毛湊、豊後佐伯湊~肥前諫早城間はすでに街道が整備されており、駅馬車も走...
新たなる戦乱の幕開け

第412話 専守防衛?第二次尼子再興運動と対毛利、そして信長を考える③

元亀元年 九月一日 諫早城 「なんじゃ」  尾和谷弥三郎が言う。 「殿はそれを見越して、毛利に対して味方を増やすために三村に近づくのでしょう? 毛利と宇喜多が織田に敵対し、それに三村とわれらが対する、これは何も問題ありません」 「うむ」 「...
新たなる戦乱の幕開け

第411話 専守防衛?第二次尼子再興運動と対毛利、そして信長を考える②

元亀元年 九月一日 諫早城   「殿」 「なんだ?」  土居清良が発言した。 「表向きが無理なら、裏からで良いのではないでしょうか」 「どういう事だ?」 「昨年の尼子蜂起軍には、山名の助力がありました。ゆえにこたびも尼子を直接助けるのではな...
新たなる戦乱の幕開け

第410話 専守防衛?第二次尼子再興運動と対毛利、そして信長を考える①

元亀元年 九月一日 諫早城  例のごとく戦略会議室のメンバーが集まって、一通の書状を囲んで考え込んでいる。  正四位下近衛中将小佐々様  突然の書状をお許し賜りたく、伏して願い上げ候。  それがし尼子勝久様が家臣、山中鹿之助幸盛と申し候。 ...
新たなる戦乱の幕開け

第405話 元亀元年度 小佐々家定例閣僚ならびに理事会

元亀元年 六月十日 諫早城  「次に大蔵省だが、弥市、なにかあるか」 「は、それでは申し上げます。歳入と歳出に関しまして、領国の拡大にともない、年貢米の徴収が増え、歳入は増加しております」  うむ、と純正。 「しかしながら、歳入増加の要因の...
新たなる戦乱の幕開け

第404話 正四位下近衛中将源朝臣小佐々平九郎純正となる、のか?

元亀元年 六月十日 諫早城 小佐々純正  いや、近衛中将って、俺は検非違使もやってるんだよ?  え? 兼任? いいよ、別に。肥前から動かないから。どうせまた叔父上から嫌み言われるんでしょ? いやだよ。  そもそも近衛大将とか中将って誰かやっ...
新たなる戦乱の幕開け

第403話 第一次信長包囲網の終焉と新たなる鳴動

元亀元年 六月六日   大安である六日を選んで、織田家と包囲網陣営の和議が結ばれた。  信長にしてみれば和泉は戻ってきたものの、摂津の領地は奪われたままで、決して良い条件ではなかった。  山城、河内、紀伊の状況は変わらず、良い面と言えば、大...