第3話 生き残れ!若き武将の戦国九州サバイバル

歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

 永禄と言えば永禄の変! 室町幕府十三代将軍の足利義輝が、三好三人衆に殺害された事件。もうこれで戦国時代確定ね。ははは。

 四年ということは、まだ始まったばかりだから当分は大丈夫かと思いきや、永禄の変は八年。

 つまりあと4年で将軍義輝は暗殺されるわけだ。

 そういえばこの時代、明治以降と違ってころころ変わるんだよね。面倒くさい。天災や飢饉、悪いことがあったときに改元していたらしい。

 結論としては、直接の関係はない(と思う)。

 何と言っても京の都と肥前の国(佐賀県・壱岐対馬を除く長崎県)じゃ離れすぎている。将軍の死=俺の死、という風にはどう考えたってならない。

 紙とペン、もとい筆を使って現在の状況を整理してみた。

 俺の名前は沢森平九郎政忠というらしい。

 政忠はいみななので、親か主君、もしくは敵くらいしか呼ばない。普通は平九郎。うーーん。いいのか悪いのかわからん。

 年齢は数えで12歳。ついこの間元服したようだ。3月生まれで数え年なら、10ヶ月ズレだな。2歳でやっと1歳か。だから実際には11歳になったばかり。

 11歳でもう大人。まじ勘弁。児童虐待だよ。

 現在(戦国時代)は人間五十年。だけど、せめて、100年とは言わないけど80年は生きたい。あと、69年(68)。

 そのためには戦国時代なんだから、まず、敵に負けない事。そして敵をつくらない事。言うは易し行うは難しだぜ、まったく。

 なんせ戦国屈指の激戦区である九州。

 大内氏は厳島の戦いで衰退しているから無視してもいい。しかし、大友宗麟に龍造寺隆信、そして南九州は島津貴久から義久。

 屈指も屈指でしょ。現段階ではまだ島津は北上してないけど。

 そんで肥前はさっきの龍造寺隆信は除外して、有馬、大村、松浦が有名どころ。敵対勢力としては、まず武雄(佐賀県武雄市)の後藤氏がいる。

 平戸の松浦氏や、確か西郷氏(長崎県諫早市・南高来郡)とか深堀氏(長崎県長崎市)とも戦っていたはず。

 主従関係としては、沢森家は半島中部の(多比良)小佐々氏の勢力範囲下だ。今後大村氏の傘下に入るんだけど、現段階ではまだ独立勢力。

 もーまじ周り敵ばっかりやん! どーすんだよ~。

 俺の前世の50年の経験値と現代知識、そして前世では全く役に立たなかった歴史の知識を駆使するしかない。でもどうやって?

 永禄四年の宮の前事件まで、あと四ヶ月。

コメント

タイトルとURLをコピーしました