技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第676話 『中央政府構想の波紋』(1580/4/3) 天正九年三月十九日(1580/4/3) 南近江 大同盟合議所 「徳川殿。武田殿。此度こたびの所領の件については、大同盟加盟の際の約定の通り、これで仕舞いという事でよろしいな」「異論ございませぬ」「異論、……ございませぬ」 家康は満面の笑みを... 2024.05.27 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第118話 『そのころの幕府と薩長土肥と他の藩、次郎左衛門の川越来訪』(1849/11/11) 嘉永二年九月二十七日(1849/11/11) 江戸城 <阿部正弘> さてさて、いかがしたものか。かくも多くの障り(問題)があれば、なにを初めにやれば良いのかすら、わからぬようになってくるぞ。三月には長崎にメリケン船が来おったし、四月にはエゲ... 2024.05.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第664話 『日ノ本大同盟の今』武田と畠山と里見(1579/3/8) 天正八年二月十一日(1579/3/8) 七尾城「殿、なにやらうれしい事でもあったのですか?」 側近である大塚孫兵衛尉連家まごべえのじょうつらいえの問いかけに、畠山義慶は穏やかな表情を浮かべる。「孫兵衛よ、わしが家督を継いで早十二年。長かった... 2024.05.15 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
Uncategorized 第663話 『日ノ本大同盟の今』織田と徳川と浅井(1579/2/12) 天正八年一月十七日(1579/2/12)『日ノ本大同盟』 純正が天正元年に提唱し、小佐々・織田・武田・徳川・浅井・畠山・里見の七家で結成した合議同盟の事である。 経済・技術の交流はあるが、主な目的は各国の軍事行動の可否を決定する事と、軍事行... 2024.05.14 Uncategorized
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第661話 『腕木通信と通信距離の延長、鉄道馬車から鉄道へ』(1578/12/15) 天正七年十一月十七日(1578/12/15) 諫早城 純正は内政の拡充の一環として技術革新を推進していたが、科学技術省主導の最新技術ではなく、今できる新しい技術はないかと考えていた。 長年純正の頭を悩ませていた通信距離の延長、通信時間の短... 2024.05.12 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第658話 『税制の改革と払い下げ。省庁再編と新規の設備投資』(1578/10/22) 天正七年九月二十二日(1578/10/22) 諫早城 <純正> 終わった……。5~6年後と考えていたスペイン戦が終わって、南方の脅威は去ったな。明も、まあよっぽどの事がないと行動は起こさないだろう。いま単独で俺たちに攻めてくるメリットがない... 2024.05.09 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第655話 『凱旋と織田家』(1578/7/5) 天正七年六月一日(1578/7/5) サン・ペドロ要塞「なんだ、これは。これがあのサン・ペドロ要塞なのか……」 城壁は全周囲で崩れ落ち、かろうじて陥落していないが、すでに風前の灯火であるのは誰の目にも明らかであった。艦砲射撃で無力化された砲... 2024.05.06 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第98話 『豊前国宇佐郡の賀来惟熊と平戸・福江・大村・島原同盟?』(1848/4/13) 弘化五年三月十日(1848/4/13) <次郎左衛門> 拝啓 弥生の候、兄上様におかれましては、益々ご清祥の事とお慶び申し上げ候。 さて、公儀にて藩の発展に資するべく人材招聘しょうへいの旅に出ており候処、豊前の国宇佐の地に行き着き候。 当地... 2024.05.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第634話 『織田水軍から織田海軍へ、イスパニア情報の収集』(1577/10/13) 天正六年九月二日(1577/10/13) 岐阜城「何? 小佐々から参陣の求めが来ただと?」「は、これよりイスパニアなる南蛮の国と戦をするゆえ、海軍の参陣を求めると。水軍とは呼ばず、海軍と。されど強いるものではなく、判は委ねるとのことで、その... 2024.04.13 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第632話 『開戦か交渉か』織田と同盟国と北条と(1577/8/16) 天正六年|閏《うるう》七月二十五日(1577/8/16) 諫早城 <純正> 転生して15年。ようやくなんとか平和になってきたと思ったのに、上杉に北条、そしてまたスペインって。なんでみんな、戦争しに出るかなあ。 攻められないようにするために、... 2024.04.10 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第627話 『大同盟脱退に関する傾向と対策。対織田家戦略の見直し』(1576/10/25) 天正五年十月四日(1576/10/25) 諫早城「そうか。織田からはそのような要望が」 純正は経産大臣の岡甚右衛門からの報告を聞いて、考え込む。「皆、いかが思う? 織田は誠に同盟を抜けると思うか?」「まずないでしょう」 そういうのは直茂だ。... 2024.04.04 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第626話 『北緯42度条約と日ノ本大同盟会議』(1576/9/26) 天正五年九月一日(1576/9/26) 小佐々海軍 探険艦隊 旗艦艦上 「小佐々家北方探検艦隊司令官、伊能三郎右衛門にござる」「同じく副将、間宮清右衛門にございます」「北条水軍大将、梶原備前守にござる」「同じく、副将の清水太郎左衛門にござい... 2024.04.03 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
肥前争乱、淘汰するものされるもの 第91話 後藤惟明の苦渋の決断 永禄七年 六月 武雄城 後藤惟明 父上が殺され、兄上も弟も幽閉されている。今の武雄後藤に、俺の居場所はない。養子の意味がないのだ。 ただでさえ疎んじられてきた。実子も問題なく成長している。このままではいずれ廃されるか、もしくは……。 どう考... 2024.04.02 肥前争乱、淘汰するものされるもの
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第624話 『日ノ本大同盟内の経済格差と移住問題』(1576/2/9) 天正五年一月十日(1576/2/9)永禄四年四月(1561)に、沢森平九郎政忠として転生して15年がたっていた。その治める版図は北は北海道の北西岸、南は鹿児島県のトカラ列島、東は静岡県の吉原湊(租借地)に、西は五島列島までに及んでいた。小佐... 2024.04.01 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第54話 『幕閣と御三家と四賢侯と、諸々を使って高野長英恩赦大作戦』(1842/12/12) 天保十三年十一月十一日(1842/12/12) 江戸 水戸藩邸「ふふふ。そう畏まらずとも良い。礼をわきまえ接する者は、貴賤きせんを問わずに話を聞き、よいと思えば取り入れる。それがわしの流儀であり、いまのこの世に要るものだと考えておる」水戸藩... 2024.03.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第595話 織田家の技術革新と加賀・紀伊問題 天正二年六月二十八日(1573/07/26) 志摩国答志郡とうしぐん 船津村「ふふふ、壮観よの、嘉隆。あの一番大きな船はいかほどあるのだ?」「は、大型の安宅船程はございましょうか。他の船は小早と関船の中ほどにございます。しめて十隻にあいなり... 2024.02.28 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第593話 女真派遣団の帰国と蝦夷地開拓 天正二年四月十二日(1573/5/23) 諫早城 二年前の夏に始まった蝦夷地の開拓と入植は順調に進んでいた。 蝦夷地交易を独占的に任せている太田和屋弥次郎の交易船の運航とあわせて、人員の輸送も行われたのだ。 まずは大首長チパパタインの勢力圏... 2024.02.25 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第28話 『坂本龍馬の支援者・小曽根乾堂の父、小曽根六左衛門』(1838/2/9) 天保九年一月十五日(1838/2/9) 長崎「お慶よ、石けんじゃが、お前に聞くのもどうかと思うが、このまま商いを続けても大丈夫なのか?」父の太平次はお慶の事を、九歳にして商いにおける神童と感じてはいたが、やはり長年営んできた油問屋に未練があ... 2024.02.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第589話 終戦決定と責任。そして大国の拒否権発動。 天正二年 一月十七日(1573/02/19) 近江国蒲生郡 日ノ本大同盟合議所『日ノ本大同盟』の憲章、そして細部規約の制定と同意のための会談も大詰めである。 ・終戦の可否とその時期の決定基準 ・大同盟軍内での各国(甲)の作戦行動による各国... 2024.02.20 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第582話 房総の雄 里見佐馬頭義弘 天正元年(1572)九月二十八日 上総 久留里城「殿! 安房勝山城より急使にございます!」「なんじゃ、騒々しい。通せ」 上総久留里城主であり、安房と上総を治める里見佐馬頭さまのかみ義弘のもとに、安房国平郡勝山城より急ぎの知らせが入ったのだ。... 2024.02.13 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第18話 『そのころの日本は? 俺が出来る事なんて、たかが知れてる。あれ? お慶さん』(1837/6/1) 天保八年 四月二十八日(1837/6/1) 次郎左衛門 信之助は石けんをいかに簡単に安く大量にできるかを考えている。もちろん品質は変えずに。 お里は和蘭辞書と反射炉製造書を読みながら翻訳中だ。 一之進は領内をまわって食生活と体調の聞き取り調... 2024.02.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第578話 松前異変 天正元年(1572)八月二日 京都 越後屋近江屋敷 組屋源四郎は気が気ではない。 屋敷の中で待たされてはいたものの、立ち上がっては座り、立ち上がっては座りで、室内をウロウロしている。 やがてゆっくりとした足音が聞こえると、障子があいた。「組... 2024.02.09 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第13話 『二十四歳、肥前佐賀藩、十代藩主鍋島直正という男』(1837/4/19) 天保八年 三月十五日(1837/4/19) 玖島くしま城 太田和次郎「よう参った。次郎よ」「ははっ。本日はお日柄も良く、藩主様におかれましては……」「よいよい、わしらだけの時はそう畏まるでない。叔父上方や、渋江や針尾がおったら別だがの……ど... 2024.02.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第567話 国内と国外~ヌルハチの祖父とフェリペ二世~ 天正元年(1572) 四月十四日 岐阜城 「ははっ」 長秀が苦笑いし、光秀や秀吉はわからないようにため息をしている。「さて、加賀の、本願寺の動きはどうか?」「は、謙信からの計略によって引き起こされた一揆にございましたが、それにより本願寺の我... 2024.01.29 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第540話 満身創痍の第四艦隊、鼠ヶ関湊にて 天正元年 四月一日 酉とり四つ刻(1830) 出羽 田川郡 鼠ヶ関湊 第四艦隊は死傷者の処置とマストと帆の補修を行った。 ようやく航行が可能となって出羽の側の越後国境の湊に入港したのは、日没直前である。「なんという事だ、わが第四艦隊が、この... 2024.01.05 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第531話 風神・雷神。畠山義慶の苦悩と決断 天正元年(1572) 三月二十八日 京都 大使館 先日十三日の御申出、石山の御坊の御意趣(石山本願寺の意向)にも沿うものにて、お受け致したく存じ候。 以後は幾久しく誼よしみを通わし、盛んに商いを行いたく存じ候。 さて、権中納言様(純正)にお... 2023.12.29 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第530話 はたして上杉謙信に小佐々純正は勝てるのだろうか? 天正元年(元亀三年・1572) 三月二十七日 京都 大使館 小佐々純正 さて、今の状況を整理してみよう。どうだろうか? まず、初動が遅れた事は否めない。今まで俺は軍事行動では先手先手を打ってきた。 しかし今回に限っては、状況判断が甘く遅かっ... 2023.12.28 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第527話 上杉領経済封鎖 すべての津、浦、湊で津留をいたす。 天正元年 三月二十四日 越後 柏崎沖 佐々清左衛門加雲少将率いる、小佐々海軍第四艦隊の陣容は次の通りである。 旗艦 戦艦 霧島丸(500トン) 二番艦 重巡足柄(400トン) 三番艦 重巡羽黒(400トン) 四番艦 軽巡阿武隈(30... 2023.12.25 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第519話 天下統一?の秘密兵器と通信改善 天正元年(元亀三年・1572年) 三月十五日 京都 大使館 「おおお! よし! 良うし! GOOD! YES! Hooray!」 純正はひとつの通信書面をみて、両手の拳を握りしめて、驚きと喜びを表した。「? 御屋形様、今、なんと?」「いや、... 2023.12.18 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第517話 遊佐続光の苦悩 親上杉派の危機と上杉謙信の脅威 天正元年(1572年) 三月十三日 能登国 所口湊「一体何なのだ、この米の量は尋常ではないぞ」 遊佐続光つぐみつ(親上杉)は大量の兵糧が運び込まれているのを聞いて、慌てて所口湊へ向かい様子を見に来ていたのだ。 交易船もさることながら、能登国... 2023.12.16 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
緊迫の極東と、より東へ 第510話 肥前より能登へ、敦賀にて純正、長政と初対面す。 天正元年(1572) 二月二十四日 越前国 敦賀郡 敦賀「何? 権中納言様が敦賀にお越しになっていると?」 長政は仰天した。 越前の統治においては前波吉継をはじめとした朝倉旧臣が行ってはいたが、三国浦をあらたな領地とした長政は、小谷城に帰る... 2023.12.09 緊迫の極東と、より東へ
緊迫の極東と、より東へ 第493話 東インド南方探検艦隊司令 籠手田左衛門尉安経(実在)の探検報告 元亀二年 十二月十二日 諫早城「御屋形様、練習艦隊司令、籠手田左衛門尉様がお見えにございます」「うむ、通せ」 矢継ぎ早であるが、南方探検と既存の交易国との渉外にあたっていた籠手田左衛門尉安経が帰港した。 安経は海軍所属だがその性質上、外務省... 2023.11.22 緊迫の極東と、より東へ
緊迫の極東と、より東へ 第492話 明への外交対策……別に、いらんよな? 元亀二年 十二月十二日 諫早城「御屋形様、台湾総督の若林中務少輔様より使者がお越しになっています」「総督の? わかった、通すが良い」 純正は以前台湾問題を閣議で話し合った事を思い出した。 永禄十一年の事件の際、台湾出兵と再度の入植のために明... 2023.11.21 緊迫の極東と、より東へ
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第479話 曽根九郎左衛門尉虎盛、刮目して小佐々軍を吟味する 元亀二年 九月二十六日 京都 上京『小佐々家中御用達 旅の宿 酒処飯処 小佐々ノ中屋』 そう書かれ、七つ割平四つ目の家紋が描かれている暖簾をくぐると、客でごったがえしていた。広々とした店内には大きな水槽が二つあり、淡水と海水の魚が泳いでいる... 2023.11.08 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第478話 純正の決断、織田信長か武田勝頼か 元亀二年 九月二十五日 諫早城 発 治部 宛 中将 秘メ 武田家 家臣 曽根九郎ト 申ス者 来タリテ ワレラト 誼ヲ 通ジテハ 盛ンニ 商イヲ 行ヒタシ ト 申シケリ 然レドモ ワレラト 織田ニ 盟約アリテ ソノ敵 武田ト 結ブハ 信ニ... 2023.11.07 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第477話 曽根九郎左衛門尉虎盛、小佐々治部少丞純久と相対す。 元亀二年 九月二十一日 京都 在京小佐々大使館「大使、曽根九郎とおっしゃる方がお見えになっています。お通ししますか?」 曽根、九郎? 左衛門尉? 誰だ? そう純久は思った。思い当たる節がない。「わかった。通しなさい。ああ、飲み物も用意して」... 2023.11.06 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第476話 甲斐武田家第十七代当主、諏訪四郎勝頼改め武田勝頼 元亀二年 九月十日 躑躅ヶ崎館(さて、どうするか……) 勝頼は、夜も更けた躑躅ヶ崎館の居室にて、二人の家臣を前に考えている。 信玄の死後家督をついだものの、あくまで名代。 対外的には信玄は隠居して勝頼が家督を相続、そして息子の信勝が十六歳に... 2023.11.05 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第471話 五畿七道から五畿八道へ。蝦夷地開拓事始め。 遡って元亀二年 七月十九日 蝦夷国 松前「夏だというのに……まったく暑くありませんね。旦那様」「そうだな、藤兵衛。まあ、これだけ北に来ればそうなるのだろうな。私にとってもここまで北に来るのは初めてなのだ」 九州の肥前から蝦夷地の松前に向うに... 2023.10.31 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第443話 通訳を求めて堺へ。紙屋甚六の旅 元亀元年 十二月二十三日 大和国(奈良県)「やはり遠いですな、大和は。ここからさらに京に堺にとなると、さらに遠い。そしてこのたびのお役目は、難儀な事ですなあ」 そうやって同行者に愚痴をこぼす者がいる。 相模国小田原の紙商人の紙屋甚六である。... 2023.10.06 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第437話 新しい西国秩序 元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城 戦をなくす為に話し合いの場を設けたのに、これでは話がまとまらない。 元春の気持ちも理解できるが、大言壮語すぎたのだ。このまま、無条件では元春も引っ込みがつかないであろう。「では能義郡、四万五千六百四十... 2023.10.02 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第408話 織田信忠と留学生の夏休み 元亀元年 七月二日 岐阜城「まったく戦になりませぬ」 岐阜城の居室で信長と話しているのは、嫡男の勘九郎信忠である。「ほう、どのように違うのだ」「は、われらが戦をする際は、まず斥候を出して相手の動きを探ります。籠城するのか野戦なのか、野戦なら... 2023.09.14 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第407話 元亀通宝=永楽通宝? 元亀元年 六月某日 諫早城 三年前の永禄十年十一月より、純正は小佐々領内で撰銭令を発布して貨幣の流通を促進していた。 金一枚が金十両、金一両が四分で、それが十六朱となり銀一枚と同じ価値になる。銀一枚は銀五十匁で銭四貫文、すなわち四千文となる... 2023.09.13 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第390話 毛利と織田。鍋島直茂の小佐々百年戦略 永禄十二年 十二月二十八日 諫早城 戦略会議室「みな、聞いてくれ」 純正は直茂、弥三郎、庄兵衛を呼び、清良を紹介する。「伊予の西園寺配下だった土居式部少輔だ。今日から同じ釜の飯を食う仲間となった。よろしくな」。 清良が一礼し、皆が拍手をする... 2023.09.01 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第386話 毛利との密約と宇都宮豊綱 永禄十二年 十二月十日 伊予 喜多郡 大須城「やあやあ、これはこれは、左衛門督様。このようなところまで、総大将がどうされたのですか」 宇都宮豊綱は伊予の喜多郡を領しており、小佐々配下となったあとは、仕置きにより東部のみを領すことになっていた... 2023.08.29 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第384話 来島通総兄弟と瀬戸内の緊張 永禄十二年 十二月 五日 来島城「兄上、もう半年になりますね」「そうだな、もう半年になる」 伊予来島の村上(来島)通総は九歳である。 二年前に父である村上通康が死に、元服して家督をついだ。兄がいたのだが、母親が主君筋の河野弾正少弼通直(36... 2023.08.28 新たなる戦乱の幕開け
西国の動乱、まだ止まぬ 第379話 遠い西の彼方へ。長宗我部元親の驚嘆の九州肥前紀行 永禄十二年 十一月十八日 辰三つ刻(0800) 浦戸城「これは宮内少輔様、いかがされましたか?」 佐伯惟忠は知っていたがわざと聞いた。先日の件をどう思っているのか聞きたかったのだ。「無礼ですぞ、いかに小佐々家中の方といえど、許せませぬ」 家... 2023.08.25 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第354話 予土戦役、黒瀬城攻防戦②毛利元就が生きていたならば 永禄十二年 十月二十三日 安芸 吉田郡山城「なに! それは誠なのか? 誠に負けたのか?」 世鬼衆の報告を受け、毛利輝元はじめ小早川隆景や吉川元春は驚きを隠せない。しかしその驚きは、負けたという事にではない、こんなにも早く決着がついた、という... 2023.08.10 西国の動乱、まだ止まぬ
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第185話 三好義継と松永久秀 同年 五月 信貴山城 松永弾正久秀「申し上げます。小佐々肥前守と申す者から書状が届いております」 なに? 小佐々? 聞いた事はある。遠く九州の地で勢いがあり、肥前・筑前・筑後、そして北肥後も支配下にいれたという。 朝廷や幕府に献金をしてきて... 2023.05.27 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第168話 宗麟の逆鱗。筑後戦役か? 永禄十一年 正月 臼杵城 大友宗麟 例年のごとく年賀の饗宴を催していたのだが、異変に気づいた。 毎年正月には九州各地から大名たちがわが城を訪れ、年賀のあいさつをしてきた。 従属している大名はもちろん、日向や肥後からもやってきていたのだ。今年... 2023.05.25 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第162話 先ず隗より始めよ 小代実忠と同田貫 永禄十年 十一月 北肥後 小代城 岡甚右衛門「そんなに! そんなに買っていただけるのですか?」 小代実忠どのは驚いている。 同田貫は身幅が厚く反りが浅い刀身の刀で、余計な装飾のない、美麗さより実用本位の刀である。 折れず曲がらず、そういう表... 2023.05.23 北九州を二分する 二つの二虎競食の計