支度

肥前争乱、淘汰するものされるもの

第97話 『波多、龍造寺ぜめ』

同年 十一月 岸岳城 「いまこそ龍造寺を攻めるときにござる!」 そう声をあげ家臣の論調をまとめようとしているのは、先代の後室、真芳の方の怒りを被って主流派から遠のいていた、有浦大和守高である。「今、龍造寺は須古城攻めに手一杯のはず。神代や筑...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第19話 海賊の誇り 初陣への覚悟 蛎浦の海戦①

四月九日 午の正刻 四半刻すぎ(正午十二時半)ごろ 部屋で具足をつけていると、どたどたどた! と廊下を早歩きしてくる音がして、聞き耳をたてる。「殿!」 どなるでもなく、叫ぶでもなく、ある種強い確認めいた意思を感じる声を、俺は聞いたことがあっ...