転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第480話 『鋼鉄の恫喝(どうかつ)』 慶応五(明治二)年六月十一日(1869年7月19日) 大坂城 ――発 天保山台場守備隊長 宛 大阪城代 本日巳刻沖合に大村軍艦十数隻現る。 中黒旗なし日章旗と藩旗のみ。 意図不明指示を乞う―― 大坂城代の牧野貞直は、天保山台場からの電信を受... 2025.10.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第479話 『狼煙を上げよ』 慶応五(明治二)年六月八日(1869年7月16日) ――発 次郎 宛 岩倉様 夏草に 露と消えなむ 古き世の 驕おごりを知らで 身を滅ぼすかな―― このところ、世の移ろい真に急にて、心穏やかならぬ日々にございます。 そもそも人の性(さが)と... 2025.10.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第478話 『慶喜の王手』 慶応五(明治二)年六月七日(1869年7月15日) 夕刻 京都 小松帯刀邸「小松さん、左衛門佐殿の、いや、大村家中は一体何を考えているのか。さっぱり分からん。薩摩の考えはどうですか?」 木戸孝允は苛立ちを隠さずに太ももを叩いた。 正面の小松... 2025.10.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第476話 『天動』 慶応五(明治二)年六月七日(1869年7月15日) 京都 貴族院 伊達宗城による『済衆議会』の結成宣言は、議会を新たな局面へと移行させた。 4つの政党がそれぞれの思惑を抱えてにらみ合い、議場は完全に行き詰まっていたのだ。 勘定奉行の選出は振... 2025.10.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第475話 『鼎立』 慶応五(明治二)年六月一日(1869年7月9日) 京都 貴族院 発議以来、勘定奉行の選出は一向に進展を見せなかった。「これはこれは、掃部頭殿。ご多忙の折にいかなる用向きにござろうか」 宇和島藩伊達宗城は、藩邸を訪れた井伊直憲を意味深な笑みで... 2025.10.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第472話 『水面下の奔流』 慶応五(明治二)年四月二十四日(1869年6月4日) 井伊直憲が放った『詰問状』による妥協案は議場にざわめきを起こしたが、次郎は冷静にその場を観察していた。 ――発 隠密方 宛 左衛門佐殿 去る十八日ならびに十九日、薩長さっちょうそれぞれ上... 2025.09.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第471話 『決裂か妥協か』 慶応五(明治二)年四月十八日(1869年5月29日) ――井伊掃部頭、長州征討を動議せり候。 大村は反対するも強硬採決ならば決裂も辞さずと発言せり候――。 短い文面は、またたく間に海を越えた。 ■長州 萩城「殿。ただちに上洛すべきにございま... 2025.09.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第469話 『採決の日』 慶応五(明治二)年四月十日(1869年5月21日) 本会議での採決を翌日に控えた夜、慶喜が住む小浜藩邸の一室には、井伊直憲と加藤丹後守、そして小栗上野介と渋沢栄一が集っていた。 部屋の空気は張り詰めているが、奇妙な落ち着きがある。 出納帳は... 2025.09.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第460話 『問責と仕切り直し』 慶応四年十二月二十日(1869年2月1日) 江戸城「? 然様さようか。余が聞いた話とは随分違うようだが……」 慶喜の額から冷や汗がしたたり落ちた。「余が聞いた話では、守護職屋敷の放火と升屋の刃傷沙汰は犯人を取り押さえたと聞き及ぶ。然りなが... 2025.08.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第443話 『公儀の影』 慶応四年八月十三日(1868年9月28日) 京・大村藩邸 小御所での嵐の朝議から二日が経過した。 次郎が心血を注いで起草した『重要技術管理法案』は、帝の裁可を経て正式に布告される段取りとなり、その知らせは京の有力者たちの間に静かだが確実な波... 2025.07.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第432話 『禁裏御守衛総督』 慶応四年四月十日(1868年5月2日) 京・大村藩邸 春の柔らかな日差しが、手入れの行き届いた庭の苔こけを照らしている。「――以上が、越前までのあらましの次第にございます」 次郎は純顕への報告を終えた。 北陸から戻って京で合流してから7日が... 2025.07.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第431話 『老兵と風聞』 慶応四年(明治元年)四月一日(1868年4月23日) 江戸城「おお、おお……。左衛門尉(川路聖謨)、それに下総守(水野忠徳)に信濃守(井上清直)、淡路守(村垣範正)まで……。よくぞ参った」 慶喜の眼前には、黒船来航以来の激動期に、日の本の外... 2025.07.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~ 第4話 『デン・ハーグと駐ネーデルランドポルトガル大使館』 天正十八年九月一日(1589/10/10) デン・ハーグ <フレデリック>「これはこれは、ようこそおいで下さいました」 マヌエル・デ・ポルトゥガルはにこやかな顔でオレを出迎える。 オレは兄貴に頼んで、伝手を通じて会えたのだ。 ネーデルランド... 2025.02.15 外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 時系列・あらすじ 以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7... 2025.01.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第310話 『和宮の懐妊と家茂上洛』 文久三年三月二十四日(1863年5月11日) 極秘 1863年3月25日 駐日英国公使館代理公使 エドワード・セント・ジョン・ニール殿 親愛なるニール殿、貴殿より届いた1862年12月20日付の書簡を読んだ首相と私は、大変驚愕きょうがく... 2024.12.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第309話 『議会紛糾』 文久三年二月六日(1863年3月24日) 「首相! これは一体どういう事なんでしょうか? 説明をお願いします」 野党である保守党のエドワード・ヘンリー・スタンリー(第15代ダービー伯爵)は激しい口調で首相のパーマストンを糾弾した。 ダービー... 2024.12.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第308話 『イギリス本国の外交指針』 文久三年一月二十九日(1863年3月18日) 「晋作よ、松陰先生はああ言ったが、お主の考えは如何いかがなのだ?」 高杉晋作と久坂玄瑞、桂小五郎は城下の料亭で話をしていた。「ん? 僕の考えかい?」 晋作は小五郎の質問を聞いていたのかいないのか... 2024.12.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第306話 『第一回大老院と薩摩』 文久二年十二月九日(1863年1月28日) 江戸城 現在でいう組閣が行われ、政事総裁職に松平春嶽、将軍後見職に一橋慶喜が選出された。 ・筆頭大老は安藤信正(まとめ役) ・大老衆は島津忠義、毛利敬親、山内容堂、伊達慶邦、前田斉泰(5名) ・老... 2024.12.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第282話 『生麦事件』 文久二年七月二十一日(1862年8月16日)生麦村 雲一つない晴天。東海道の生麦村付近を、薩摩藩主・島津忠義の父、島津三郎久光の一行がゆっくりと進んでいた。江戸での交渉を終え、薩摩への帰路についたのだ。「国父様、少々お休みになってはいかがで... 2024.11.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第281話 『文久の改革と土佐尊王党』 文久二年七月三日(1862/7/29)江戸城 島津久光はその条件をのんで勅を実行させるほかなかった。 安藤信正の発言は正論であり、それを退ける正当な理由がなかったのだ。信正の人事権や大老の序列と役割、大老院と老中院の設置など、役職に外様と親... 2024.11.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第280話 『将軍後見職、是か非か』 文久二年六月七日(1862/7/3)江戸城「さて、一橋刑部卿きょう様の将軍後見職、加えて松平春嶽殿の政事総裁職でございますが……」 信正は姿勢を正したまま、静かに続ける。「後見職については先月、上様がすでに十七におなりになっているゆえ要なし... 2024.11.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第279話 『久光対信正』 文久二年六月七日(1862/7/3) 発 京都留守居役 宛 蔵人様 島津三郎様 在京不逞ふてい浪士鎮撫ちんぶノ功アリ 従四位下左近衛権少将 叙位任官ノ 動キアリ ■江戸城 安藤信正は久世広周から聞いた腹案について考えていた。 やらせればよ... 2024.11.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第278話 『久光の幕政改革』 文久二年四月二十九日(1862/5/27) 発 次郎蔵人 宛 御大老 先日 島津三郎様 兵千ヲ率イテ上洛セリ 幕政ノ改革ヲ求メルモノナリ 次郎はそう幕府に報告しようと考えたが、止めた。よくよく考えたら次郎は幕臣ではない。それに久光は攘夷じ... 2024.11.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第277話 『久光の上洛と寺田屋事件』 文久二年四月一日(1862/4/29) 京都 岩倉邸 発 諸調方しょしらべかた(諜報局) 宛 蔵人様 薩摩ノ草ヨリ報セアリ 島津三郎様 上洛ノ由 日本は次郎の活躍で不平等条約は締結しておらず、関税自主権もあり、領事裁判権も認めていない。また... 2024.11.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第276話 『公儀への報告と対馬事件の国内後始末。くすぶっている火は収まるか?』 文久二年三月十日(1862/4/8) 日露間領土境界確定並びに対馬事件賠償条約と名付けられた長い条約は、批准日を1年後とした。それまでに賠償金の支払いや捕虜の返還、そして樺太(千島列島含む)におけるロシア国籍の民間人と兵の退去が行われる。... 2024.11.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第235話 『薩摩、佐賀、長州』 安政六年七月五日(1859/8/3) ここで1度、現時点における思想的な事を整理しなければならないので述べておく。 1. 尊王論:天皇を国家の中心と位置づけ、その権威を重んじる思想……次郎たち。ほとんどの勢力。 2. 攘夷じょうい論:外国... 2024.09.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第227話 『朝廷の反幕府勢力と処罰の対象者』 安政五年十一月七日(1858/12/11) 大村藩領内では道路整備が行われ、人、馬、馬車、籠などの通行に耐えうるレベルにまで達していた。しかし他の地域は例え天下の台所、京の都といえども、整備はされているものの、そのレベルはお粗末なものであっ... 2024.09.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第226話 『島津斉彬と出兵上洛』 安政五年十月二日(1858/11/7) 鹿児島城「おお、よくぞ参った。次郎左衛門よ。丹後守殿はご承知なされたか?」 島津斉彬の第一声である。 斉彬の目的は挙兵して幕府に対して明確な反対の意を表し、まだ朝廷より宣下を受けていない家茂を廃して慶... 2024.09.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第224話 『大獄前夜と朝廷』 安政五年七月十五日(1858/8/23)~八月八日(1858/9/14)「どうするどうするどうする?」 井伊直弼による襲撃の幇助ほうじょの事実が本当であれば……いや、恐らくは本当であろう。 証人もいて犯行動機もある。 井伊直弼は幕政に口を... 2024.09.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第222話 『違勅』 ~安政五年七月十五日(1858/8/23) まで「次郎よ、如何いかが致した?」 上座の藩主純顕すみあきが次郎にそう問うと、右手に座る利純も真剣な眼差しで次郎をみる。「は、ただいま報せが入り、急ぎ精煉せいれん方より戻りましてございます」「うむ... 2024.09.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第218話 『将軍後継争いの激化と井伊直弼』 安政五年二月七日(1858/3/21) 江戸城「いらぬいらぬいらぬ。然様さような事、いちいち朝廷に勅を仰いでなんの為の公儀にござろうか、すべて公儀が決め、のちに知らせればよろしいのです。そもそもその知らせる事すらせずともよい。天子様より政を... 2024.09.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
天下百年の計? 第723話 『肥前国(州)の貿易状況』 天正十三年十二月十五日(1585/1/15) 諫早城 大日本国と肥前国(州)とでは、経済規模がまるで違う。 厳密に言えば肥前国は小佐々州として大日本国の構成州となっている訳であるから、その肥前国の貿易収益の何パーセントかが大日本国の貿易収... 2024.07.23 天下百年の計?
天下百年の計? 第705話 『越後と残りの奥州』(小佐々家中会議) 天正十二年閏うるう一月十一日(1583/3/5) 肥前国庁舎 本当に小佐々が全部の金を出すのでいいのか? 何か良い方法はないのか? 純正は戦略会議室のメンバーを集めての会議の中で、想定問答を行った。 来るべき新政府の会議における、越後の上... 2024.06.29 天下百年の計?
天下百年の計? 第702話 『公方の京都帰還と北条の減封、佐竹と宇都宮』 天正十一年十二月二日(1582/12/26) 小田原御所「嫌じゃ嫌じゃ! 何ゆえ余が官を辞して上洛し、信長と純正に頭を垂れねばならぬのだ!」 新政府からの通達を聞いた義昭は、書状を破り捨て、激昂げきこうしている。 新政府の情報を探りつつ、... 2024.06.24 天下百年の計?
天下百年の計? 第698話 『力による現状変更と海上保険と貿易会社』(1582/7/10) 天正十一年六月二十一日(1582/7/10) 新政府暫定庁舎 信長を襲った犯人は全部で47人。 純正の予想通り、犯人グループは朝倉・六角・松永・本願寺の残党であったが、首謀者はまだ見つかっていなかった。しいて首謀者としてあげるなら、六角義治... 2024.06.18 天下百年の計?
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第695話 『花の大諫早』(1582/2/26) 天正十一年二月四日(1582/2/26) 豊後府内 翌日、一行は駅馬車に乗り、陸路で諫早に向かう事となった。「真まことや(そう言えば)、お主が岐阜に来ることはあっても、わしが赴く事はなかったの。これが初めてではないか?」「然様さようにござい... 2024.06.15 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第693話 『天然痘ワクチンと北条氏規』(1582/1/29) 天正十一年一月六日(1582/1/29) 純アルメイダ大学内研究室 大学の研究室では様々な分野に分かれて研究がなされている。 医学の分野に限って言えば、新薬の開発やワクチンなどだ。純アルメイダ大学の第一期卒業生である楢林朔玄さくげんは、同... 2024.06.13 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第691話 『ヌルハチ』(1581/12/12) 天正十年十一月十七日(1581/12/12)「そうか、ヌルハチが一統したか」「は、今は足場固めをしているようですが、直に他の女直へも勢力を拡げようとするでしょう」「うむ。張居正はいかがだ? 持ち直しそうか?」「それは未だわかりませんが、官を... 2024.06.11 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第690話 『公方と朝廷と北条』(1581/6/17) 天正十年五月十六日(1581/6/17) 小田原御所 小田原御所とは、逃亡してきた義昭のために氏政が建てた仮初めの御所である。史実でも小弓公方だ古河公方だと、よくわからない関東公方がいたが、義昭は名実ともに小田原公方となってしまったのだ。 ... 2024.06.10 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第131話 『幕府のその後と2号ドックと2番艦。江戸四人衆』(1851/1/3) 天正九年十月二十三日(1580/11/29) 工房の中は工具の音と共に、試行錯誤が続く中での緊張感が漂っていた。加工職人は金属の短冊状の板を慎重に扱いながら、曲げて筒状に成形する作業に取り組んでいる。「この金属板をしかと丸めることができれば... 2024.06.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第684話 『注射器の開発と北条・イスパニア・ポルトガル』(1580/11/29) 天正九年十月二十三日(1580/11/29) 工房の中は工具の音と共に、試行錯誤が続く中での緊張感が漂っていた。加工職人は金属の短冊状の板を慎重に扱いながら、曲げて筒状に成形する作業に取り組んでいる。「この金属板をしかと丸めることができれば... 2024.06.04 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第679話 『北条と奥州』(1580/8/7) 天正九年六月二十七日(1580/8/7) 「内大臣である」 純正の前に三人の使者が、時を同じくして訪れていた。もちろんまったくの同時ではない。 渡島国おしまのくに(北海道・渡島半島)の蠣崎かきざき若狭守季広すえひろ、陸奥西部の大浦(津軽)右... 2024.05.30 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第677話 『まず発議した。後はおいおい考えよう。見積もりいくら?』 天正九年四月三日(1580/5/16) 京都 大使館「まずは全体の法を決めねばならぬ。その後省庁をつくり、内閣をつくる」 純正は現在肥前国に設置された省庁を中央政府、仮に大日本幕府と呼ぼう。その中に省庁を同じように置く事を考えた。そして、行... 2024.05.28 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第676話 『中央政府構想の波紋』(1580/4/3) 天正九年三月十九日(1580/4/3) 南近江 大同盟合議所 「徳川殿。武田殿。此度こたびの所領の件については、大同盟加盟の際の約定の通り、これで仕舞いという事でよろしいな」「異論ございませぬ」「異論、……ございませぬ」 家康は満面の笑みを... 2024.05.27 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第675話 『北条の返事と大同盟政府へ。ガス灯、点る』(1580/2/29) 天正九年二月十五日(1580/2/29) 京都 大使館 「北条より文が届いたが、まさに予想通りだな」 純久が言う。最近は純正が京都に詰めているので、業務は可能な限り補佐の親長や佐吉に任せている。石田一家は能力が高い。父親の正継は京都における... 2024.05.26 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第674話 『御館の乱の終結と北条からの返事』(1579/10/8) 天正八年九月十八日(1579/10/8) 徳川勢の奥三河侵攻によって北信より撤退を余儀なくされた武田軍であったが、奥三河がすでに家康の手中となり、奪還が不可能と判断した勝頼は、軍勢を再び北信へ戻す事となった。 景勝・景虎両陣営の和睦を図っ... 2024.05.25 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第672話 『純正、惣無事令構想を打ち立てる。武田軍、信越国境より撤退す』(1579/7/19) 天正八年七月十九日(1579/7/19) 京都 大使館 「おわっ! だ、誰じゃ……て、平九郎? ごほん。御屋形様、いついらっしゃったのですか?」 不意に執務室で声をかけられた純久は、驚いて思わず名指しで呼んでしまった。「あはは。さっき。いい... 2024.05.23 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第671話 『上洛要請のその後と景勝vs.景虎始まる』(1579/6/15) 天正八年五月二十一日(1579/6/15) 小田原城「……! おのれ純正め! このわしに上洛せよだと? なにゆえわしが、成り上がり者の純正に頭を垂れに京まで出向かねばならぬのだ」 純正からの手紙を読んだ氏政は怒り心頭である。 上杉家の家... 2024.05.22 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
小佐々家の状況 天正八年五月十一日(1579/6/5) 小佐々家の状況 -小佐々家の状況- 戦略会議室 ・明国とは現状維持を図り、女真族との友好路線を継続。東南アジアにおいては再度のスペインの侵攻に備える。国内では既存地域の殖産興業と北方資源開拓。 ・奥州諸大名の大同盟参加と、北条への上洛要請。 財務省 ... 2024.05.21 小佐々家の状況
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第670話 『氏政の考えと御館の乱。そしてようやく雷酸水銀』(1579/6/5) 天正八年五月十一日(1579/6/5) 京都 大使館「構いなし、か」 純久は純正からの通信を読んで一言つぶやいた。 要するに主眼が北条への上洛要請であり、上杉に関しては関知しないという事だが、この時点で付き合いはないので、どっちの味方もな... 2024.05.21 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ