領土

八紘共栄圏を目指して

第856話 『大明皇帝朱翊鈞と肥前国王純正』

慶長三年十月一日(西暦1598年10月30日) 開封府「直茂よ、オレは初めて大陸に来たが、やはり北京の紫禁城を訪れてから開封府に来てよかったの。都なれば、その国のすべてが集まっておるであろう? ゆえにその国の力とそのゆえんの何たるかが分かる...
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第855話 『保定府会談と草原の狼煙』

慶長三年九月一日(西暦1598年10月1日) 天津衛「何だ、ヌルハチはおらんのか?」 三国戦争の調停のために渡海し、天津に到着した純正は、河間府にヌルハチがいないと知り、驚きを隠せなかった。 随行員はいつもどおり、戦略会議室のメンバーで構成...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第388話 『結局、とサラワン王国』

慶応二年十一月三日(1866年12月9日) バタヴィア「やや! 今なんと? ……我がんこ? なんか? 無理やり……最初……めん、つ?」 各藩がそれぞれの方言と共通語で翻訳するが、さっぱり分からない。 分からないが、次郎が感情をあらわにしてい...
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第854話 『三国鼎立とモンゴルのオルドス・トゥメト・ヨンシエブ・チャハル・ハルハ・ウリャンカイ』

慶長三年八月一日(西暦1598年9月1日) 諫早「殿下はこれでもまだ、明が弱まるべきだと仰せになりますか――」 明国の内閣次輔、沈一貫は諫早城下の外交使節迎賓館の一室に滞在していた。 純正との初回交渉から一週間。 彼は齢六十を超え、最後の奉...
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第386話 『図らずも』

慶応二年十月二十九日(1866年12月5日) バタヴィア『李百里』の遭難を受けて、次郎は全力で捜索すると同時に、全艦の整備点検を実施した。「MijnheerOtawa(太田和殿)、我々も全力をあげて捜索しています。考えられる場所としては、ス...
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第385話 『バタヴィアでの決断』

慶応二年十月二十四日(1866年11月30日) ごう音と共に、暗雲が艦隊を覆い尽くした。「縮帆! 備えよ!」 顕武の命令がすぐさま甲板の乗組員に告げられる。 雨音はさらに大きくなり、声がかき消されそうなほどだ。「隼人助(大村艦隊司令)、スコ...
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第853話 『新都 開封』

慶長三年七月二十一日(西暦1598年8月22日) 開封府 黄河のほとりに広がる開封は、かつて北宋の『東京』として栄えた都だった。 三重の城壁に囲まれた街並みは、長安のような碁盤目状ではなく、複雑に入り組んだ路地と水路が張り巡らされている。 ...
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第852話 『決断』

慶長三年七月二十一日(西暦1598年8月22日) 万暦帝は決断を下した。 開平府(現在の内モンゴル自治区シリンゴル盟正藍旗南部)から順天府(北京)までは、約441km。 宣府(河北省張家口市)からは約194km、大同府(山西省大同市)からは...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第12話 『転生者フレデリックと転生者オットー&コンパス・オブ・ディスティニー』

1590年6月19日 オランダ ライデン「ちょっと話がある、後で時間とれるか? お前も同じ転生者なんだろ? 日本人の(日本語で)」 フレデリックはオットーの耳元でそうささやいた。 オットーは瞬時に状況を理解したのか、短くうなずく。「皆、静ま...
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第851話 『対スペインパルチザンと李化龍のあせり』

慶長三年六月十八日(西暦1598年7月21日)「直茂、ビルカバンバの皇帝に親書は届いておろうな?」「は、そろそろかと存じます」 今年の2月にインカ帝国の皇帝から親書を受け取り、正式に国交を樹立する旨の返書を送ったのだ。 ただし、軍事支援は行...
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第850話 『登州決戦』

慶長三年五月十五日(西暦1598年6月18日) 満州国が登州に侵攻して1か月。 その間李化龍りかりゅうは敵の動きを警戒しつつ、防衛線の強化を図ってきた。しかし、事態は彼の予想以上に深刻な展開を見せている。「総兵大人! 沙門島しゃもんとうに敵...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第10話 『軍人としての矜持』

令和7年3月16日(2025年3月16日) 護衛艦『いずも』 多目的室「小松司令、そして石川艦長、一つお伺いしたいのですが、よろしいですか?」「どうぞ」 山口に聞かれて小松は返事をした。石川は黙ってうなずいている。「この戦争はなぜ始まったの...
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第380話 『過労と財政と航路』

慶応二年八月十二日(1866年9月20日)「まったくもう、お前様ときたら。子煩悩かと思えば、家のことはまったく気にしない。そのくせお役目は、人に任せればいいものまで自分でしないと気が済まない。倒れるまでお勤めなさるなんて、尋常ではありません...
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第379話 『航路問題と大村藩財政問題』

慶応二年八月四日(1866年9月12日)<次郎左衛門>「え? 今、何とおっしゃいましたか?」 オレは耳を疑った。 ここは駐日フランス帝国公使館。 目の前にいるのは公使のレオン・ロッシュだ。「私もパリ万博への貴国の出品物を確認した際に、申し上...
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第378話 『アラスカ国境問題』

慶応二年六月二十四日(1866年8月4日) 慶喜と春嶽の圧力がすごい。『説き伏せて参れ』の言葉に、次郎は思わず『ははっ』と答えたが、無為無策で交渉に臨むわけにはいかなかった。 まずは情報収集が必要だ。 ロシアとの交渉において、現地に居住する...
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第377話 『イギリス、再び』

慶応二年五月十二日(1866年6月24日)「Oui,jepensequec'estunebonneidée.(はい、これでいいと思います)」 駐日フランス帝国全権公使ミシェル・ジュール・マリー・レオン・ロッシュは、幕府からの出品目録を見て言...
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第847話 『ネゴシエイト』

慶長三年三月四日(西暦1598年4月9日) 諫早「これはこれはフュンドン殿、遠いところわざわざようお越し下さった」「いえいえ。伊集院殿も安国寺殿も、お元気そうでなによりです」 ヌルハチの腹心、フュンドンが肥前国首都の諫早を訪れるのは2度目で...
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第846話 『哱拝(ぼはい)の死』

慶長三年一月二十七日(西暦1598年3月4日) 寧夏 寧夏城の居室で、哱拝は苦しそうな呼吸を繰り返していた。布団の上で横たわる彼の顔は蒼白で、額には大粒の汗が浮かんでいる。「父上、お薬を」 長男の哱承恩が差し出す薬を、哱拝は手を震わせながら...
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第845話 『電気・電灯・電信』

慶長二年十二月二十日(西暦1598年1月27日) 純正が転生してから36年が経過したが、肥前国では蒸気船をはじめ、さまざまな分野で研究・開発が盛んに行われている。 軍事分野では管打式小銃の実用化が進み、炸裂さくれつ弾や榴弾りゅうだんといった...
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第842話 『純勝の帰郷と対スペイン』

慶長二年七月七日(西暦1597年8月19日)  蒸気船の導入により、海路での航行が格段に速くなり、東北から諫早まで1か月半もかからずに往復可能となっていた。 東北だけでなく世界各地に給炭地を整備し、蒸気機関や船体の改良を経て、諫早からリスボ...
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第370話 『京都にて』

慶応二年一月十七日(1866/3/3) 京都 岩倉邸 次郎は正月の年賀の献上品とは別に、挨拶と近況報告を兼ねた参内を終え、岩倉具視の屋敷にいた。 幕府がアラスカの購入に動いている件を次郎から聞いており、岩倉はその真意を探ろうとしていたのだ。...
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第840話 『3年後の紫禁城』

慶長二年四月八日(西暦1597年5月23日)  肥前国と講和した明国であったが、国内経済は依然として疲弊しており、復興にはほど遠い状態であった。 加えて寧夏国の独立による国土の割譲、膨大な戦費を浪費した楊応龍の乱の鎮圧は、明国にさらなる苦痛...
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第839話 『あり得ぬこと』

慶長二年二月二十二日(1597/4/8) ポルトガル リスボン 肥前国大使館「ほう……謝罪ですか」 謝罪の言葉では足りないが、国の威信と誇りに関わる問題だと親ちかしは考え、もう少し話を聞いてみようと思った。 それにしても、グスマンの変わり身...
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第838話 『条件』

慶長二年二月二十二日(1597/4/8) ポルトガル リスボン 肥前国大使館 どれくらいの時間がたったのだろうか。グスマンは言葉をしぼり出す。「奇妙な問いですが、もし閣下が逆の立場に立たれた場合、講和に応じる条件は何でしょうか?」「? 本当...
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第836話 『明の内情と三国志』

慶長二年一月六日(1597/2/22)「なんと! それで明け渡したのでございますか?」「明け渡したのではない。そもそも誰の領土でもなかったであろうが」 大陸から戻ってきた純正に対して直茂が問いかけた。新年早々小言は勘弁してくれといわんばかり...
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第365話 『無理か可能か、有益か無益か』

慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸 磐城平藩 藩邸「何ですと! 次郎殿が然様さように仰せになったのですか」 藩邸にひそかに呼ばれた小栗上野介は、安藤信正の話を聞いて驚いた。「うむ。英国との戦の前にロシアとの駆け引きで蔵人くろう...
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第835話 『建州沿岸と豆満江』

慶長元年十一月十四日(1597/1/2)夜 へトゥアラ <小佐々純正> オレたちは問題が解決するまで滞在することになり、宿舎に案内された。『お互いに戦うつもりはない。じっくり腰を据えて話し合おう』 ヌルハチの提案を受けて、居室で一人考え事を...
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第834話 『関白太政大臣小佐々純正の大義』

慶長元年十一月十四日(1597/1/2)へトゥアラ「なぜそこまで領土を広げる必要があったのですか? 日本だけでは足りなかったのですか? 倭寇わこうは途絶えて久しいし、日本に攻め入る国もない。琉球や朝鮮と交易すればよかったのでは? 呂宋やアユ...
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第363話 『アラスカ購入金額』

慶応元年九月十四日(1865/11/2) 冬の勢いが強まろうとしている中、次郎は箱館へいく準備を進めていた。 今日までかなりの数の電信がきたが、そもそも仮病である。感謝の念とあわせて『心配ご無用』と電文を返信し、一週間ほどずる休みして英気を...
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第833話 『遼東では足りぬのか、沿海州では足りぬのか』

慶長元年十一月十四日(1597/1/2)へトゥアラ「はっきり言っておきますが、余は肥前国はもちろん、その冊封国である朝鮮と戦うつもりはありませんぞ」 ヌルハチはそう言って純正の言葉を待った。「戦うつもりがないのであれば、なおさら兵を引き上げ...
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第832話 『何をもって領土とするか』

慶長元年十一月十四日(1597/1/2)肥前国彼杵そのぎ郡 佐世保湊みなと『失礼いたします! こおおおおぉぉぉぉぉぉぉのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおお馬鹿者があああああ!』「そんな感じで殿下の前で、自分の息子を力いっぱいぶん殴ったのよ」「へえ…...
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第831話 『豆満江からウラジオストク』

慶長元年九月十日(1596/10/31)「長官、なんの変哲もございませんな。海沿いに砦と言えるような代物はありませんぞ」「うむ」 海軍大臣長崎甚左衛門純景からの命令で、佐世保を母港とする第一艦隊は豆満江河口周辺を索敵していた。同時に豆満江ト...
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第829話 『領土開発省と慶長大地震』

慶長元年閏うるう七月九日(1596/9/1) 純正は肥大化する領土経営の効率化のため、領土開発省大臣の日高甲斐守喜と行政区画の再編成を協議していた。 まずは台湾と東南アジアであるが、これはあくまで領土開発省の管轄であり、陸海軍の管理地域とは...
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第827話 『憔悴のフェリペ2世』

慶長元年四月二十日(1596/5/17) スペイン マドリード フェリペ2世は疲れきっていた。「陛下、この上はバンカロータ(破産宣告)するしか方法がありません」 フェリペは重々しくうなずく。「わかった。だが、これが最後にしたい。我が治世で4...
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第5話 『いまの肥前国とポルトガル、そしてネーデルランド』

1589年11月7日 オランダ アムステルダム <フレデリック> デン・ハーグで得た情報をまとめると、ポルトガルと肥前国の情報は以下のとおりになる。 ・現在、肥前国は大日本国の中核として連邦国家を成している。 ・スペインを撃退。現在も戦争中...
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第824話 『再び、スペインと』

慶長元年一月二十七日(1596/2/25) 諫早 -発 小樽鎮守府 宛 殿下 以下、転送文也。 アラスカ南部の新たに発見、入植せしオレゴンにてイスパニア(スペイン)探検隊と遭いけり。 幸いに打ち合い(戦闘)にはならねども、この地を境にとの話...
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第821話 『バンテン王国とネーデルランド、総督府と純正』

文禄四年十二月十日(1596/1/9) 実はバンテンでの暴動が起きたときにプラタマが提案したオランダ接近案は、結論から言うとうまくいかなかった。 プラタマはバンテンではなく、スンダ・クラパ(現在のジャカルタ・以前のバタヴィア)に漂着したオラ...
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第819話 『バンテン国王カンジェン・ラトゥ・バンテン』

文禄四年十一月二十九日(1595/12/29) バンテン王国の港町は異様な緊張感に包まれていた。港には数隻の肥前国商船が停泊し、不気味な影を落としている。かつては活気に満ちていた埠頭ふとうも、今では人影もまばらだった。「おい、あれを見ろ!」...
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第817話 『セバスティアン・ロドリゲス・セルメーニョの災難』

文禄四年九月二十五日(1595/10/28) 「煙突? 蒸気? 一体何を言っているのだ? 冗談ではない。そんな船があるはずがない」 スペインの使節は不思議そうな表情で艦橋を見回し、黒い煙を上げる煙突を指さした。事態を理解できず困惑している様...
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第340話 『ヴィクトリア女王とイギリス議会、そして朝廷からの叙位任官』

元治元年八月十五日(1864/9/15) イギリス ロンドン バッキンガム宮殿「首相、いえ、パーマストン卿きょう、もう余が聞きたいことはわかっているでしょう? 毎日毎日、市井を賑にぎわせている噂を聞いたのだけれど、さすがに噂でこれだけ盛り上...
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第816話 『アルタ・カリフォルニア』

文禄四年九月二十五日(1595/10/28) ヌエバ・エスパーニャは1519年に北アメリカ大陸、カリブ海、太平洋、アジアにおけるスペイン帝国の副王領を指す名称であるが、その支配領域は太平洋においては皆無であった。 元亀二年(1571年)四月...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

時系列・あらすじ

以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第1話 『転生?』

1589年2月28日 オランダ アムステルダム <フレデリック・ヘンドリック> 重たい目をゆっくりあけた瞬間、ガン! と痛みが走った。 ズキンズキンと頭が痛み、喉はカラカラに乾いていた。薄暗い天蓋(ベッドの天井にあるフリルのカーテン状の物)...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第338話 『ロシアの対日、対英戦略』

元治元年七月三日(1864/9/4) 箱館「クリミアではイギリスに屈辱的な敗北を喫しましたが、まさか日本がイギリスを打ち負かすとは……。日本にはこれまで散々な目に遭わされてきましたが、今回の件は今後の対日外交の指針を見直す必要があるかもしれ...
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第814話 『ロシア・ツアーリ国のフョードル1世』

文禄四年七月十七日(1595/8/22) ロシア モスクワ イワン雷帝の息子であるフョードル1世が崩御して5年。 崩御前から摂政であったボリス・ゴドゥノフは次々に政敵を駆逐し、事実上の権力者であったが、フョードルの崩御後に即位してツアーリと...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第329話 『捕虜と馬関』

元治元年四月六日(1864/5/11) 江戸城 -発 次郎蔵人 宛 御殿 先の海戦にて英吉利艦隊に勝利せり-「おおお! これは僥倖ぎょうこうである! 重畳ちょうじょう重畳!」 純顕は次郎からの電信を読んで喜び叫んだ。 純顕がここまで感情を露...
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第808話 『イングランドのスペインへの挑戦と東洋への野心』

文禄四年一月七日(1595/2/15) イングランド ロンドン 暖炉の火がパチパチと音を立てて執務室を暖かく照らし、窓の外には、テムズ川の穏やかな流れとロンドン市街の景色が広がっている。  エリザベス1世は羽根ペンを握り、羊皮紙に何かを書き...
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第805話 『肥前国の人口流出対策の現状と今後』

文禄三年九月四日(1594/10/17) 諫早城「方々、本日論ずるはわが国の栄ゆを支える礎たる働き手をいかに保つか(労働力の確保)、これより先の道筋を論じたく存じます」 戦略会議衆の筆頭である鍋島直茂の落ち着いた声が、会議室に響く。 20年...
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第804話 『陸軍と領土開発省』

文禄三年七月二十日(1594/9/4) 諫早城 会議室には純正を筆頭に戦略会議衆である鍋島直茂、黒田官兵衛をはじめとした6名、陸軍大臣の波多隆、海軍大臣の長崎純景、領土開発省の日高喜がいた。 吃緊きっきんの課題として陸海軍ならびに海外領土の...
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第320話 『南北戦争とフランスとオランダ』

文久三年十二月十八日(1864年1月26日)  次郎はイギリスとの開戦を見据え、列強を日本側に取り込もうと考えていたが、ロシアは上手くいくであろうとの感触であった。アラスカの売却はロシアにとってもメリットがある。 もし万が一破談となっても、...