第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第477話 曽根九郎左衛門尉虎盛、小佐々治部少丞純久と相対す。 元亀二年 九月二十一日 京都 在京小佐々大使館「大使、曽根九郎とおっしゃる方がお見えになっています。お通ししますか?」 曽根、九郎? 左衛門尉? 誰だ? そう純久は思った。思い当たる節がない。「わかった。通しなさい。ああ、飲み物も用意して」... 2023.11.06 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第442話 武田信玄の3つの選択肢 元亀元年 十二月二十日 甲斐の武田信玄には、どこに侵攻するか、三つの選択肢があった。一つは越後、もう一つは美濃、そしてもう一つは遠江三河である。 一つ目の越後の上杉謙信だが、昨年の永禄十二年の八月には和議が成立している。 しかし開戦の名目は... 2023.10.05 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第421話 毛利の両川、吉川元春と小早川隆景 元亀元年 十月七日 吉田郡山城 「なんだ、どうするのだ?」「それは、右衛門督様のお心次第にございます」 意味深な発言で言葉を濁す秀安であったが、輝元の歓心を買うのには十分であった。「右衛門督様がこのまま小佐々の軍門に降り、独立独歩たる戦国の... 2023.09.23 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第420話 毛利輝元と安国寺恵瓊、相対するは戸川平右衛門尉秀安なり 元亀元年 十月七日 吉田郡山城「殿、宇喜多家臣、戸川秀安と申す者がお目通りを願っております」 毛利家当主である毛利輝元は、外交僧で顧問の安国寺恵瓊と談笑していた。 このとき両川である小早川隆景は領国である新高山城(にいたかやまじょう)にあり... 2023.09.22 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第419話 謀将宇喜多直家の処世術~使える物はなんでも使う。そして混沌へ~ 元亀元年 十月三日 岡山城「殿、一つだけ、策がないこともございませぬ」 なに? と直家は秀安の言葉に目を輝かせる。さて、戸川秀安の腹案とはいったいなんであろうか?「おお、なんじゃ」「毛利にございます」「何を言っておる。さきほど毛利はだめだと... 2023.09.21 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第400話 三好家長老、三好長逸の決断と分裂 元亀元年 五月十八日 ※三好三人衆への純正の降伏勧告は議論を呼んだ。本来、和議というのはお互いに交渉し、条件の折り合いをつけて戦闘行為を終了させる事である。 しかし純正のこれは和議ではなく、あきらかに無条件降伏に近いものであった。 一切の主... 2023.09.08 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第393話 織田信長、第一次包囲網なるのか? 元亀元年 二月 諫早城 一月の末に進発した浅井軍一万は、若狭の粟屋勝久と呼応して、またたくまに若狭を制圧した。長政は、決断したようだ。 父の久政を幽閉し、見張りをつけ、外界との接触を禁じたのだ。 驚くほどの抵抗はなかった。事前の磯野員昌の根... 2023.09.04 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第392話 三好三人衆と浅井長政 元亀元年 一月十六日 京都 妙覚寺 信長の前には、光秀と秀吉、そして滝川一益の3人が並んで座っていた。光秀は言葉には出さないが、明らかに不満げである。 昨年の6月に光秀と秀吉、そして滝川一益に小佐々の件について意見を聞き、一益にいたっては鉄... 2023.09.03 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第389話 西園寺公広と土居清良 永禄十二年 十二月二十八日 諫早城 十二月十日に宇都宮豊綱の造反並びに職務怠慢が公になり追放された。 その後引き続き長谷口から南の黒瀬城へ向かう街道は封鎖され、南の板島城から北へむかう吉田口、東の三滝城からの土居口も同様に完全に塞がれたのだ... 2023.09.01 新たなる戦乱の幕開け
西国の動乱、まだ止まぬ 第373話 土佐安芸郡一揆⑤陰のフィクサー?小佐々治部少丞純久 永禄十二年 十一月十五日 京都 室町御所「公方様、小佐々弾正大弼純正が家臣、小佐々治部少丞純久にございます」 純久は京都にあって大使として各国(各勢力)の重要人物と会うことが多いが、義昭は少し面倒くさいので、必要最小限にしていたのだ。 しか... 2023.08.22 西国の動乱、まだ止まぬ
肥薩戦争と四国戦役 第345話 戦国九州のポツダム宣言とヤルタ会談?? 永禄十二年(1569) 十月十九日 巳一つ刻(0900) 日向国紫波州崎村(宮崎市折生迫) 洋室、洋間がある城は、おそらく諫早城だけであろう。もしかすると岐阜城にもあったかもしれないが、知る由もない。種子島城にはもちろん洋室はないが、諫早... 2023.08.06 肥薩戦争と四国戦役