転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第446話 『守護職弾劾』 慶応四年九月二日(1868年10月17日)「御用改めである! 神妙にいたせ!」 けたたましい怒鳴り声と共に、旅籠の部屋の障子が無残に蹴破られた。 月明かりを遮って現れたのは浅葱あさぎ色の羽織をまとった新選組の隊士たちである。抜き身の刀が行燈... 2025.07.31 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
信長と純正、そして教え子たち 第898話 『見えざる灰』 慶長五年九月十五日(1600年10月21日) 肥前県諫早 帝国政府庁舎 純正が館山で東日本の新たな秩序の礎を築いている頃、首都諫早では、緊張感の中で国家の全ての機能がフル稼働していた。 帝国食糧安全保障会議。 そこでは、帝国の存亡を左右する... 2025.07.29 信長と純正、そして教え子たち
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第443話 『公儀の影』 慶応四年八月十三日(1868年9月28日) 京・大村藩邸 小御所での嵐の朝議から二日が経過した。 次郎が心血を注いで起草した『重要技術管理法案』は、帝の裁可を経て正式に布告される段取りとなり、その知らせは京の有力者たちの間に静かだが確実な波... 2025.07.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第442話 『典薬寮と権力闘争』 慶応四年八月十一日(1868年9月26日) 「ふう」 次郎は、書き上げたばかりの『重要技術管理法案』の草案から顔を上げた。 新暦に直すと9月末だが、それでも残暑が厳しい。 洛中らくちゅうの連続ボヤ騒ぎに関する加賀藩からもたらされた情報は、犯... 2025.07.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第440話 『典薬寮と理化学研究所』 慶応四年五月四日(1868年6月23日)「脚気衝心かっけしょうしん……にございますか。にわかには信じがたい診立てですな」 藩医は困惑した表情で首をひねっている。 薩摩藩邸に戻った小松帯刀は、藩医に大村藩病院での診断結果を報告していた。 横に... 2025.07.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第439話 『事件は迷宮へ、されど疑心暗鬼は深まり時は過ぎる』 慶応四年五月三日(1868年6月22日)「五兵衛よ、詳しく知らせよ」 慶寧よしやすの問いに、五兵衛は頭の中で情報をすり合わせ、間違いがないか考えている。 ただの風聞では片付けられない、不穏な意味合いを持っていると考えられるのだ。「はい、申し... 2025.07.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第438話 『顛末とこれから』 慶応四年五月三日(1868年6月22日)「申し上げます。禁裏御守衛総督屯所より上使がお越しになりました」 張り詰めた声が静かな部屋に響く。純顕が短く応じた。「お通しせよ」 初夏の陽光が障子を通して柔らかく差し込む中、大村藩邸の奥座敷には純顕... 2025.07.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
一強からの変化 第892話 『是非もなし』 慶長五年四月二十三日(西暦1600年6月4日) 大阪政庁 近江から昼夜を問わずに駆け続けた信則と氏郷は、ようやく大阪政庁に到着した。 和議への最後の望みをつなぐため、彼らは疲労した体に鞭むち打ってここまで来たのである。 肥前国の役人に案内さ... 2025.07.13 一強からの変化
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第431話 『老兵と風聞』 慶応四年(明治元年)四月一日(1868年4月23日) 江戸城「おお、おお……。左衛門尉(川路聖謨)、それに下総守(水野忠徳)に信濃守(井上清直)、淡路守(村垣範正)まで……。よくぞ参った」 慶喜の眼前には、黒船来航以来の激動期に、日の本の外... 2025.07.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第430話 『どんな手を使っても』 慶応四年(明治元年)三月二十八日(1868年4月20日) 先般、大老院解散の儀、我が言に配慮なきゆえに貴殿の気を害せし事、我が不徳に御座候。 然しかれども、幕府が日本を差配する大義に揺らぎ無く、此度こたび改めて帝より大政委任の宣旨を賜り候... 2025.07.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第428話 『雲行き』 慶応四年(明治元年)三月九日(1868年4月1日) 遡ること数日前――。「斯かくなる上は、殿御自らご尽力頂くより他ございません」「ほう……」 居住まいを正して真剣な眼差しの上野介に対して、慶喜も表情を変えて相対する。「一体、何を如何様いかよ... 2025.07.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第427話 『薩長』 慶応四年(明治元年)三月五日(1868年3月28日) 鹿児島城「そもそも、今に始まった話では無いわ」「は」 鹿児島城内では、江戸城での一件で激高して帰ってきた島津忠義と、その父である久光、そして淀よど屋や清兵衛の三者が会談していた。 久光の... 2025.06.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第426話 『北へ南へ』 慶応四年(明治元年)三月二日(1868年3月25日) 松前城「はぁーはっはっは! さすがであるな! あの御仁は見かけによらず豪胆じゃ! この君して臣なり、その逆もまた然りじゃな」 松前城の広間で次郎と謁見した崇広たかひろは、次郎の報告を聞い... 2025.06.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第425話 『決別か否か』 慶応四年(明治元年)二月二十八日(1868年3月21日) 江戸城「はて、それがしは何も話す事はございませぬ。次郎、そうであろう」「は、はは……」 次郎は、ここは純顕に任せた方がよいと考えたのか、相づちをうったのみである。「安藤殿、中納言様、... 2025.06.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第424話 『大政委任の勅令』 慶応四年(明治元年)二月二十八日(1868年3月21日) 次郎と純顕は今後の国政を提言するために江戸に向かったが、その途中京都において、国事御用掛となっている岩倉具視と面会した。 国事御用掛は朝廷に国事を議するために設けられた役職で、国事御... 2025.06.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~ 第28話 『投資家たちの驚愕」 1591年8月15日(天正19年6月26日) オラニエアカデミー 中央広場「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます」 シャルル・ド・モンモランシーが、約30人の投資家たちを前に堂々と挨拶した。41歳の貫禄かんろく... 2025.06.22 外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~
八紘共栄圏を目指して 第870話 『大ハーン、リンダン・フトゥクト・ハーン』 慶長四年六月四日(西暦1599年7月25日) アスト部領域 リンダン大ハーン即位式典 春の草原に清らかな風が吹いている。 小さな丘の上には、簡素ながらも厳かな祭壇が設けられ、その周囲をチャハル部とアスト部の部族民が囲んでいた。 参列者の顔に... 2025.05.29 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第408話 『医療の進歩』 慶応三年五月二十三日(1867年6月25日)フランス・パリ「俊之助、準備は整っているか?」 明け方から小雨が降っていたパリの街も、正午近くになるとようやく晴れ間が見え始めた。万博会場にはいつものように多くの人々が訪れ、技術の祭典を楽しんでい... 2025.05.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~ 第24話 『五人の技術者、それぞれの戦場で』 1591年2月19日(天正19年1月26日) ライデン フレデリック・ヘンドリックは(1584年1月29日~7歳/前世は51歳・伊藤英太郎)ネーデルランド総督の弟。前世は理工学者で外交官。 オットー・ヘウル二ウスは(1577年9月8日~13... 2025.05.14 外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~
八紘共栄圏を目指して 第857話 『盤上の策士たち』 慶長三年十月三十日(西暦1598年11月28日) 海西地方 天津市 開封府で万暦帝との会見を終えた純正は、大陸三分の計が実現しようとしている今、海西地方の天津市で今後の対策を練っていた。 女真はモンゴルの侵攻を受けて防戦のために遼東へ撤退し... 2025.05.02 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第387話 『ぶち切れる』 慶応二年十一月三日(1866年12月9日) バタヴィア「では各々方、憚はばかりながらそれがし、太田和蔵人次郎左衛門が、議事を進めたく存じます」 次郎の隣には、大村藩の名代である甲吉郎純武が控えている。 幕府と加賀藩を除く各藩の名代と艦長(責... 2025.04.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第381話 『実は黒字でいざゆかん万博へ!』 慶応二年九月二十日(1866年10月28日) チュイルリー宮殿の一室は、異様な熱気に満ちていた。 中央の大きなテーブルには、駐日フランス帝国公使レオン・ロッシュからの報告書と、それに添付された写真が広がっている。 ナポレオン三世(シャルル・... 2025.04.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第376話 『万博とアラスカとイギリス』 慶応二年四月二十九日(1866年6月12日) 「前田殿、淀屋、と申しましたかな。商人にあのような物言いをさせて良いのでしょうか」 前田斉泰に対して、伊達慶邦が問いかけた。 慶邦はその責任感と保守的な性格から、孫三郎の放埓な物言いに眉をひそめ... 2025.04.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』 第47話 『解読の連鎖』 2024年12月10日 SPRO内「槍太そうた!」 救出から1週間たった頃、槍太が目覚めた。「うん? あれ? みんなどうしたの? ちーちゃん(千尋)、何で泣いているの?」 大学のサークルには開放的なイメージがあるが、考古学研究会は純粋に考古... 2025.03.21 『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第338話 『くすぶる火種、されど購入は決まりけり?』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 夜「安藤様、真にあのままで良かったのですか?」 小栗上野介と渋沢篤太夫、大村純顕と太田和次郎左衛門が下城した後の御用部屋での会話である。 板倉勝静や稲葉正邦ら老中院の面々は、安藤... 2025.03.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第337話 『是非』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 全員が話すのを止め、辺りを静寂が包むのを次郎は待つ。 おもむろに安藤信正に正対し、居住まいをただした。「金山の儀につきましては、ひとえにそれがしの不徳のいたすところにございます。... 2025.03.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第835話 『建州沿岸と豆満江』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)夜 へトゥアラ <小佐々純正> オレたちは問題が解決するまで滞在することになり、宿舎に案内された。『お互いに戦うつもりはない。じっくり腰を据えて話し合おう』 ヌルハチの提案を受けて、居室で一人考え事を... 2025.03.09 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第832話 『何をもって領土とするか』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)肥前国彼杵そのぎ郡 佐世保湊みなと『失礼いたします! こおおおおぉぉぉぉぉぉぉのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおお馬鹿者があああああ!』「そんな感じで殿下の前で、自分の息子を力いっぱいぶん殴ったのよ」「へえ…... 2025.03.03 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第817話 『セバスティアン・ロドリゲス・セルメーニョの災難』 文禄四年九月二十五日(1595/10/28) 「煙突? 蒸気? 一体何を言っているのだ? 冗談ではない。そんな船があるはずがない」 スペインの使節は不思議そうな表情で艦橋を見回し、黒い煙を上げる煙突を指さした。事態を理解できず困惑している様... 2025.01.26 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 時系列・あらすじ 以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7... 2025.01.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第810話 『フランス-1594-』 文禄四年二月十五日(1595/3/25) フランス パリ フォンテンヌブロー宮殿「陛下、司教様のお使いの方がお見えです」「なに? またか? ……通すが良い」「ははっ」 フランス国王アンリ4世は側近からの報告を聞き、うんざりしながら司教の使者... 2025.01.14 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第313話 『技術革新と大老会議』 文久三年六月二十九日(1863年8月13日) 強力な海軍を創る。 その一環として次郎がオランダに発注した2,500トン級鋼鉄艦である『大成』が川棚に到着したのは、去年のちょうど今ごろである。 世界でも最先端の同艦の設計図をもとに、同型艦を... 2024.12.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
Uncategorized 第301話 『対面と交渉』 文久二年十月二十七日(1862年12月18日) 横浜 上海から済生丸が横浜に寄港して1か月半がたったが、パーシーの葬儀はごく小規模に執り行われた。プロテスタント教徒であったために、オランダ人居留地より牧師を呼び、キリスト教式で行われたのだ。... 2024.12.13 Uncategorized
東アジアの風雲 第772話 『朝鮮出兵』 天正二十年五月十三日(1591/7/3) 諫早城「暑い! そして蒸し暑い!」 ぐちぐちと文句を言いながら、その様相とは真逆の立ち居振る舞いで周囲を困惑させる人物が、諫早城の会議場へやってきた。その人物とはもちろん……。 肥前国海軍艦隊総司令... 2024.12.01 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第283話 『生麦事件のその後とエイガー機銃とアームストロング砲』 文久二年七月二十一日(1862年8月16日) イギリスの狙いは薩摩藩ではなく、幕府の弱体化と各藩の対立であった。事件は日本全体の混乱を狙ったもので、薩摩藩は標的ではなかったが、結果的に巻き込まれたのだ。 日本は国際法に則ってヒュースケンの殺... 2024.11.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第276話 『公儀への報告と対馬事件の国内後始末。くすぶっている火は収まるか?』 文久二年三月十日(1862/4/8) 日露間領土境界確定並びに対馬事件賠償条約と名付けられた長い条約は、批准日を1年後とした。それまでに賠償金の支払いや捕虜の返還、そして樺太(千島列島含む)におけるロシア国籍の民間人と兵の退去が行われる。... 2024.11.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
東アジアの風雲 第759話 『哱拝の乱』 天正十九年三月四日(1590/4/8) 紫禁城 天正十一年(1582年)に張居正が死んでから、都・北京の空気は少しずつ、しかし確実に変質していった。 かつて大和殿で政務を執っていた万暦帝の姿は、もはや見られない。 名宰相であった張居正の死... 2024.10.31 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第249話 『朝廷の和宮降嫁に対する意向とイギリスと薩摩の情勢』 万延元年七月二十日(1860/9/5) 京都御所 陣座 太閤鷹司政通、関白九条尚忠、正四位下右近衛権少将の三条実美、同じく正四位下右近衛権少将の岩倉具視の4人の重臣が集まっていた。 同じ官位官職ではあるが、実美は具視を格下に見ている。 政... 2024.10.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第237話 『布衣ならよかろう。または六位のいずれか』 安政六年八月三日(1859/8/30) 京都 鷹司邸「大変光栄な仕儀にございますが、諸般の事様を鑑みまして、主君丹後守様曰いわく、慎んでお断り申し上げたいとの事にございます」 次郎は京の鷹司邸にて、先日掴んだ情報による純顕すみあきの昇進と自... 2024.09.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第235話 『薩摩、佐賀、長州』 安政六年七月五日(1859/8/3) ここで1度、現時点における思想的な事を整理しなければならないので述べておく。 1. 尊王論:天皇を国家の中心と位置づけ、その権威を重んじる思想……次郎たち。ほとんどの勢力。 2. 攘夷じょうい論:外国... 2024.09.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第227話 『朝廷の反幕府勢力と処罰の対象者』 安政五年十一月七日(1858/12/11) 大村藩領内では道路整備が行われ、人、馬、馬車、籠などの通行に耐えうるレベルにまで達していた。しかし他の地域は例え天下の台所、京の都といえども、整備はされているものの、そのレベルはお粗末なものであっ... 2024.09.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第226話 『島津斉彬と出兵上洛』 安政五年十月二日(1858/11/7) 鹿児島城「おお、よくぞ参った。次郎左衛門よ。丹後守殿はご承知なされたか?」 島津斉彬の第一声である。 斉彬の目的は挙兵して幕府に対して明確な反対の意を表し、まだ朝廷より宣下を受けていない家茂を廃して慶... 2024.09.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第224話 『大獄前夜と朝廷』 安政五年七月十五日(1858/8/23)~八月八日(1858/9/14)「どうするどうするどうする?」 井伊直弼による襲撃の幇助ほうじょの事実が本当であれば……いや、恐らくは本当であろう。 証人もいて犯行動機もある。 井伊直弼は幕政に口を... 2024.09.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第196話 『一触即発、大村藩改易か?』 安政二年十二月二十五日(1856/2/1) 江戸城 老中御用部屋「本音が、でたな」 堀田正篤まさひろの言葉に次郎は心の中で深呼吸をする。表情を崩さぬよう注意しながら視線を合わせると、正篤は手にしていた扇子を膝の上に置き、じっと次郎を観察した... 2024.08.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
天下百年の計? 第716話 『朝鮮出兵の話』 天正十三年四月十三日(1584/5/22) 「なに? 右議政は小佐々との通商をさらに進めるに留まらず、同盟を結べと申すのか?」 李氏朝鮮王朝第14代国王の宣祖は、右議政の柳成龍に向かって驚きの声を上げる。史実では1590年に右議政となった柳... 2024.07.14 天下百年の計?
Uncategorized 第704話 『純正の三職推任と第一次港湾整備計画。もう色々と面倒臭いから、全部うちからの借款にして先行投資しまくろうか』 天正十二年一月十九日(1583/2/11) 肥前国庁舎 <純正> 前々から、えーっと天正元年(1572年・作中では改元が1年早い)からずーっと言われてきた事。やっと受ける事にした。面倒くさい事この上ないが、実質新政府のトップなんだから、期間... 2024.06.27 Uncategorized
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第677話 『まず発議した。後はおいおい考えよう。見積もりいくら?』 天正九年四月三日(1580/5/16) 京都 大使館「まずは全体の法を決めねばならぬ。その後省庁をつくり、内閣をつくる」 純正は現在肥前国に設置された省庁を中央政府、仮に大日本幕府と呼ぼう。その中に省庁を同じように置く事を考えた。そして、行... 2024.05.28 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第660話 『明国と北条』(1578/12/2) 遡って天正七年八月十七日(1578/9/18) 「申し上げます! 呂宋にて、シーバンニャ(西班牙・Hispania・イスパニア)艦隊壊滅! 小佐々に敗れたそうでございます!」 紫禁城にて首輔である張居正は忙しく業務をこなしていた。 税制改革... 2024.05.11 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第105回 『蝦夷地の石炭と越後、松代、相良の油田。買い占めへの道』(1848/11/27) 嘉永元年十一月二日(1848/11/27) <次郎左衛門> 適塾の5人が戻ってきた。 洪庵先生の体調は問題ないようだけど、毎月の食事と運動の記録は送って貰っている。そしてその5人は、帰郷の喜びを味わわせる暇もなく、信之介のところに問答無用で... 2024.05.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第99話 『幕府、和蘭からの軍艦と大砲の購入が頓挫し、国産に切り替える』(1848/7/28) 弘化五年六月二十八(1848/7/28) 江戸城 オランダ国王兼オラニエ・ナッソウ家、ルクセンブルク大公であるウィルレム二世は、謹んで江戸の幕府の最高権威である殿下に書を心から捧げる。 願わくは殿下の一読を賜り、お役に立つ事を祈る。 貴... 2024.05.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く