転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第385話 『バタヴィアでの決断』 慶応二年十月二十四日(1866年11月30日) ごう音と共に、暗雲が艦隊を覆い尽くした。「縮帆! 備えよ!」 顕武の命令がすぐさま甲板の乗組員に告げられる。 雨音はさらに大きくなり、声がかき消されそうなほどだ。「隼人助(大村艦隊司令)、スコ... 2025.04.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第384話 『出るわ出るわ』 慶応二年十月十七日(1866年11月23日) 次郎の横には勝海舟、薩摩の川村純義、佐賀の中牟田倉之助、長州の来原良蔵がいる。 目の前には万博参加の各藩の艦長または責任者が神妙な面持ちで並んでいた。 ・土佐藩の後藤象二郎の横に国沢新九郎(名代... 2025.04.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第383話 『仏領コーチシナ』 慶応二年十月十日(1866年11月16日) 次郎はこの航海を終えた後、幕府に願い出て海軍士官の練習航海を年に一度実施しようと考えていた。 幕府海軍にも必要だろうが、今後、日本が近代国家として列強と渡り合っていくには見聞を広める必要がある。 ... 2025.04.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』 第11話 『幹部候補生学校と航空学生』 令和7年4月(2025年4月)佐世保 山口多聞少将、加来止男大佐、鹿江隆中佐をはじめとする数名の士官は、佐世保教育隊の敷地内で幹部候補生課程に入った。 同様に角野博治大尉、橋本敏男大尉、重松康広大尉、その他の航空要員の下士官や兵士たちは、山... 2025.04.14 『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第333話 『同航戦』 元治元年四月十一日(1864/5/16) 彦島の北西、竹ノ子島の南西沖で、同航戦が始まった。「目標、右舷敵艦、撃ちぃ〜方、始め!」 針路、速度を同じくしての正面からのぶつかり合いである。次郎の指令のもと全艦一斉に砲撃を開始した。14隻対8隻... 2025.01.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第324話 『払暁の奄美大島』 文久四年三月二十六日(1864年5月5日)「おい、ほんのこてこいで良かとな? (本当にこれでいいのか?)」 永平丸艦長の大山彦助が全員の顔を見て確認するように言った。「仕方なかじゃろ。殿ん命じゃ。逆らうわけにゃいかん」 安行丸艦長の川村純義... 2025.01.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第256話 『戦後処理その1』 遡って文久元年二月二八日(1861/4/7) 二月十九日付(23日博多着) 露国 測量セリ 修理ノタメノ小屋建テリ 食料求メラルルモ 牛ハ断リケリ「これは一体どういう事ですかなゴシケーヴィチ領事、先日退去を命ずるようお願いしたはずですが」 ... 2024.10.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第255話 『ロシア軍艦対馬占領事件』 文久元年二月十一日(1861/3/21) 発 宗対馬守 宛 御大老 露国軍艦来航セリ 退去求ムモ 応ジズ 本来は3週間かかる幕府への報告も、博多に着いた時点で電信に直され、幕府と長崎奉行、そして参与である純顕の元へも届いた。実は、対馬に外国... 2024.10.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第174話 『黒船再来と坂本龍馬』 嘉永七年二月六日(1854年3月4日) 「Admiral Perry, what in the world are you doing here?(ペリー提督、あなたは一体、ここで何をしているのですか?)」 憮然ぶぜんとした表情で、笑顔ひと... 2024.07.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第162話 『サスケハナ艦上にて対峙する』 嘉永六年五月二十日(1853年6月26日) 浦賀沖「提督、奴らはどうするでしょうか」 ブキャナンがペリーに尋ねると、ペリーは葉巻をふかしながら静かに言う。「ふむ。琉球の件があるので慎重に行動しなければならないが、臆することはない。奴らにはこ... 2024.07.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第159話 『一触即発! 琉球にて』 遡る事嘉永六年二月十九日(1853/3/28) 鹿児島城「おお! これは肥前の宰相、太田和次郎左衛門殿! お会いしとうござった!」 少し|慇懃《いんぎん》無礼気味に見えるが、次郎はそれを感じつつも低姿勢で応対する。「はは。英明なる豊後殿に... 2024.07.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ 第678話 『艦隊の帰還と世界地図。大同盟の財源は?』(1580/6/27) 天正九年五月十六日(1580/6/27) 京都 大使館 発 南四(南遣第四艦隊) 宛 屋形 メ 籠手田湊(ポートモレスビー)ニテ 婆羅島(ボルネオ島)ヨリ南ヲ 随時哨戒中 新幾内亜ニューギニア島ヨリ東ノ島々ノ 沖合ニテ イスパニアノ艦影 見... 2024.05.29 技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第539話 接舷乗艦と火矢攻撃、第四艦隊壊滅?? 天正元年 四月一日 午一つ刻(1100) 立花道雪 陣中「殿、杉浦壱岐守様がお見えです」「何? 壱岐守殿が?」 九州の武士である道雪にとって、杉浦玄任(1517~)は見知らぬ人物である。道雪以外の、一番近い摂津三好衆にとっても知っている者は... 2024.01.04 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第463話 イエズス会とイスパニアと小笠原諸島 元亀二年 七月十二日 小笠原諸島 父島『¡Ey! ¡Mirar! ¡Puedo ver el barco! ¡Parece que se dirige hacia aquí!』(おーい! 見てみろ! 船が見えるぞ! こっちに向かっているよ... 2023.10.24 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第387話 vs.スペイン③マニラ侵攻 永禄十二年(1570年) 十二月二十二日(1月28日) 諫早城 予想どおり十二月に入って、スペインがマニラに侵攻してきた。スペイン軍の司令官は大隊長マルティン・デ・ゴイチ。 兵士 100 名とビサヤ人(フィリピン中部セブ島エリア)の協力者 ... 2023.08.30 新たなる戦乱の幕開け
肥薩戦争と四国戦役 第347話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。② 十月十九日 午三つ刻(1200) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫) な! 祐青すけきよが目を見開き純正を注視した。「めっそうもございませぬ! 誰がそのような事を。許せませぬ」。 純正は落ち着いて祐青を制止した。 「修理亮よ、余はその方が嘘... 2023.08.07 肥薩戦争と四国戦役