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転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第356話 『沈むゆく泥船と不協和音』

慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球「! ア、アーサー、君なのか! よく、よく生きていたな」 パークスは目を疑い、驚きと喜びの感情が入り混じる。 上海で巻き添えを食って死んだと思っていた領事館員のアーサーが、目の前に立っていたか...
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第354話 『首里城下ふたたび。証人喚問』

慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球 予定していた9月1日~15日よりも2週間早く、証人喚問が行われた。 イギリス側としては一刻も早く実施して心証を良くしようとの考えだったのだろうが、次郎をはじめとした日本側は動じない。 証人喚...
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第826話 『知られざるイスパニアの内情と、敵の敵は味方』

慶長元年三月二十三日(1596/4/20) メキシコシティ(テノチティトラン) はいそうですか、と素直に信じるわけにはいかなかった。 自分の先祖、母なるアステカを滅ぼしたスペインが負けたなど、簡単には信じられなかったからである。 その男が言...
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第825話 『地震対策とトゥパクアマルとクイトラワク』

慶長元年二月二十五日(1596/3/23) 南近江蒲生郡安土山 大日本国政庁「それで、具体的な案とその進捗をおしえてくれ」 純正は国土交通大臣の遠藤千右衛門に聞いた。「はっ、畠山修理大夫様(畠山義慶・大日本国国交大臣)とも諮らねばなりませぬ...
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第352話 『レター・フロム・ジャパン』

慶応元年四月七日(1865/5/1) ――最愛のメアリーへ この手紙を書いている今も、僕の心は混乱と怒りで煮えくり返っているよ。メアリー、僕らはだまされていたんだ。 今、僕はYOKOHAMAで捕虜として収容されている。 KAGOSHIMAで...
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第824話 『再び、スペインと』

慶長元年一月二十七日(1596/2/25) 諫早 -発 小樽鎮守府 宛 殿下 以下、転送文也。 アラスカ南部の新たに発見、入植せしオレゴンにてイスパニア(スペイン)探検隊と遭いけり。 幸いに打ち合い(戦闘)にはならねども、この地を境にとの話...
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第351話 『経済調整金と、証人喚問の是非』

慶応元年三月十二日(1865/4/7) 約320万ポンドの賠償金であるが、これは本国に伺いをたてるとの返事であった。 さらにガウワーは、賠償金ではなく『経済調整金』『経済復興支援金』を使うよう条件をつけている。  経済調整金? 経済復興支援...
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第823話 『新生バンテン王国』

文禄四年十二月二十八日(1596/1/27) バンテン王国「さあさあっ! 重苦しい話は終わりじゃ! 終わりっ!」 純正は立ち上がって、万座に向かって呼びかけた。「ムハンマド殿、発端はコショウの貿易だと聞き及んでおる。今後、いかがなさるおつも...
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第350話 『賠償金交渉と英国議会』

慶応元年二月十五日(1865/3/12) 台場大砲製造ならびに設置費用 2,870,000ポンド 艦載砲製造ならびに換装費用 33,000ポンド 艦隊運用費用 87,000ポンド 台場損害回復費用(長州) 52,000ポンド 艦船修理費用 ...
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第822話 『純正とバンテン王』

文禄四年十二月二十八日(1596/1/27) バンテン王国 一時は暴徒により占拠されていた駐バンテン肥前国大使館は、肥前国海軍艦艇から上陸した陸戦隊によって取り返された。生き残った大使館員と民間人は保護されたのだ。 同時にパレンバンから南下...
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第348話 『賠償金の多寡』

元治元年十一月六日(1864/12/23) 会見終了後~「では、今回の会談において決まったことをお知らせします」 次郎はほぼ毎日記者会見を開いている。同時に会見で話した内容を記録し、それを各国の公使館へ配布することも忘れない。 新聞記者は当...
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第347話 『戦勝国と敗戦国』

元治元年十一月六日(1864/12/23)「ではわが大村藩からは拿捕だほしたフリゲート艦チェサピーク、そしてコルベット艦バロッサを返還いたしましょう。よろしいですか?」「ええ、もちろんです」 次郎の言葉にガウワーは喜びうなずくが、次の言葉に...
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第346話 『イギリスの時間稼ぎ?』

元治元年十一月五日(1864/12/22) 会見終了後「Mr.オオタワ、今回はどのような協議がなされたのですか?」 ジャパン・タイムズのチャールズ・D・リッカービーがまず第一声をあげ、次郎に質問をした。川路聖謨としあきらはいない。英語が次郎...
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第821話 『バンテン王国とネーデルランド、総督府と純正』

文禄四年十二月十日(1596/1/9) 実はバンテンでの暴動が起きたときにプラタマが提案したオランダ接近案は、結論から言うとうまくいかなかった。 プラタマはバンテンではなく、スンダ・クラパ(現在のジャカルタ・以前のバタヴィア)に漂着したオラ...
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第345話 『首里城下にて』

元治元年十一月五日(1864/12/22) 琉球 御茶屋御殿うどぅん 2日後にクリスマスイブを控え、それが過ぎれば年末年始で普通は交渉事などやりたくないはずだが、イギリスとしてはそんなことは言ってられなかった。 早期に日本との交渉をまとめな...
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第820話 『バンテン王国の争乱、広がる』

文禄四年十一月二十九日(1595/12/29)「手ぬるい!」 ウィラブラタの怒号が王宮に響き渡った。その声にムハンマドは拳を握りしめて凝視した。「民の怒りは正当だ。肥前国の横暴を許すべきではありません!」 ウィラブラタはそう声をあげ、ズカズ...
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第344話 『小栗上野介の財政・貨幣政策』

元治元年十月六日(1864/11/5) 小栗上野介は外国奉行としてアメリカやフランスと交渉することはもちろん、勘定奉行として幕府の財政の健全化と増大する軍事費や様々な歳出を補うべく、その施策にまい進していた。「このままでは立ち行かなくなる」...
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第342話 『昇任問題とレオン・ロッシュ』

元治元年八月二十七日(1864/9/27)「して次郎、朝廷から昇任の知らせが来ていたようだが、その後は如何いかがあいなっておるのだ?」「は、その儀につきましては丁重にお断りいたしたく、返信をいたしましてございます」「なんと、断ったのか?」 ...
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第818話 『人口増加の必要性』

文禄四年十月二十八日(1595/11/29) 小佐々家ではこの30年の間、台湾への進出を手始めとした南方への入植、そしてインド・アフリカ方面と北方への資源獲得のための進出が相次いでいた。 台湾やフィリピンへの大がかりな入植を始めたころから言...
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第817話 『セバスティアン・ロドリゲス・セルメーニョの災難』

文禄四年九月二十五日(1595/10/28) 「煙突? 蒸気? 一体何を言っているのだ? 冗談ではない。そんな船があるはずがない」 スペインの使節は不思議そうな表情で艦橋を見回し、黒い煙を上げる煙突を指さした。事態を理解できず困惑している様...
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第340話 『ヴィクトリア女王とイギリス議会、そして朝廷からの叙位任官』

元治元年八月十五日(1864/9/15) イギリス ロンドン バッキンガム宮殿「首相、いえ、パーマストン卿きょう、もう余が聞きたいことはわかっているでしょう? 毎日毎日、市井を賑にぎわせている噂を聞いたのだけれど、さすがに噂でこれだけ盛り上...
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第816話 『アルタ・カリフォルニア』

文禄四年九月二十五日(1595/10/28) ヌエバ・エスパーニャは1519年に北アメリカ大陸、カリブ海、太平洋、アジアにおけるスペイン帝国の副王領を指す名称であるが、その支配領域は太平洋においては皆無であった。 元亀二年(1571年)四月...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

時系列・あらすじ

以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第1話 『転生?』

1589年2月28日 オランダ アムステルダム <フレデリック・ヘンドリック> 重たい目をゆっくりあけた瞬間、ガン! と痛みが走った。 ズキンズキンと頭が痛み、喉はカラカラに乾いていた。薄暗い天蓋(ベッドの天井にあるフリルのカーテン状の物)...
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第339話 『対英、対列強会議』

元治元年七月十四日(1864/8/15) 江戸城 御用部屋「さて方々、これより先のイギリスならびに列強に対する策を論じたいと存じます」 集まったメンバーは下記のとおり。 ・将軍後見職 一橋慶喜 ・政事総裁職 松平春嶽 ・大老筆頭 安藤信正 ...
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第815話 『電気と蒸気』

文禄四年八月二十二日(1595/9/25)「忠右衛門、これが例の『電信』なるものか?」 と純正は問いかけた。現代からの転生人である純正であったが、その機械自体を見るのは初めてである。 肥前国では天正三年(1575)にライデン瓶の開発が完了し...
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第337話 『捕虜』

元治元年七月三日(1864/8/4) 日英戦争における鹿児島・馬関戦役の捕虜は、士官・下士官兵すべてが横浜の称名寺にある収容所へ送られた。鹿児島湾海戦で200名、馬関海戦で340名、合計540名である。 称名寺は金沢区にある真言律宗の別格本...
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第813話 『小佐々平十郎純勝』

文禄四年六月十一日(1595/7/17) 諫早城「父上、ご用とはなんでしょうか?」 純勝は恐る恐る父である純正の前に進んだ。「おい、なにも取って食おうというんじゃない。お主にやってもらう事を考えたのじゃ」「何でしょうか?」「うむ、家督の相続...
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第335話 『鹵獲戦利品の分配』

元治元年五月十六日(1864/6/19) |鹵獲《ろかく》したイギリス軍艦を大村藩の海軍工廠こうしょうで修理しているころ、大村・佐賀・長州・薩摩・幕府の間ではその分配協議がなされていた。 五大老とはいえ、土佐藩、加賀藩、仙台藩は除外されてい...
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第334話 『最終決戦』

元治元年四月十一日(1864/5/16) 蓋井ふたおい島東岸沖「さーて、次郎様の言うとおりに……おお! あれは! どこの艦だ?」「艦橋-見張り! WhiteEnsign! イギリス艦隊です!」「よし来た!」 佐賀藩艦隊旗艦である甲子こうし丸...
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第811話 『オランダ-1594-黄金時代の幕開け?』

文禄四年三月二十五日(1595/5/4) ネーデルランド デン・ハーグ「よし、では報告を聞かせてもらおうか」 オランダ総督のマウリッツ・ファン・ナッサウは居並ぶ臣下の報告を宮殿にて聞いていた。呼ばれた人たちと臣下の注目はもちろんマウリッツで...
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第332話 『下関戦争-長州海軍と幕府海軍-』

元治元年四月十一日(1864/5/16)「くそっ! やはり無理か!」 助けられる味方は助けなければならない。 人道的見地からはもちろん、戦力保持の意味合いもある。しかし、それがために全体が危険にさらされては意味がないのだ。一分一秒を争う判断...
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第810話 『フランス-1594-』

文禄四年二月十五日(1595/3/25) フランス パリ フォンテンヌブロー宮殿「陛下、司教様のお使いの方がお見えです」「なに? またか? ……通すが良い」「ははっ」 フランス国王アンリ4世は側近からの報告を聞き、うんざりしながら司教の使者...
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第329話 『捕虜と馬関』

元治元年四月六日(1864/5/11) 江戸城 -発 次郎蔵人 宛 御殿 先の海戦にて英吉利艦隊に勝利せり-「おおお! これは僥倖ぎょうこうである! 重畳ちょうじょう重畳!」 純顕は次郎からの電信を読んで喜び叫んだ。 純顕がここまで感情を露...
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第809話 『イングランドとフランスとネーデルランドの使者』

文禄四年一月七日(1595/2/15) 諫早城「さて、本来なら個別に面談するところだが、ポルトガル以外の国とは国交がない。ゆえに同時に挨拶となりました。失礼をご理解いただきたい」 純正は向かって左からイギリス・フランス・オランダの使者の顔を...
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第328話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -地獄-』

文久四年(元治元年)四月六日(1864/5/11) 鹿児島湾口「8……9・10……13・14……敵艦14隻! 前方に単縦陣で、東西に待ち構えています!」 キューパーはその報告を信じたくはなかった。現実逃避とはこのことを言うのだろうか。世界に...
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第808話 『イングランドのスペインへの挑戦と東洋への野心』

文禄四年一月七日(1595/2/15) イングランド ロンドン 暖炉の火がパチパチと音を立てて執務室を暖かく照らし、窓の外には、テムズ川の穏やかな流れとロンドン市街の景色が広がっている。  エリザベス1世は羽根ペンを握り、羊皮紙に何かを書き...
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第807話 『斜陽のイスパニアと隆盛のポルトガル』

文禄三年十一月二十七日(1595/1/7) スペイン マドリード王宮 フェリペ2世は重々しい表情で窓辺に立ち、マドリードの王宮から広がる景色を眺めていた。彼の目には、かつての帝国の栄光と現在の苦境が映し出されているようだった。「陛下」 側近...
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第806話 『海軍の拡大とシーレーン』

文禄三年十月十七日(1594/11/28) 諫早城 石炭ストーブで暖を取る面々を前に、コーヒーを飲みつつ談笑し、一息ついたところで直茂が発言した。 「さて方々。こたびは先の陸軍再編の如く、海軍の再編について議を進めたく存ずる。まずはこれまで...
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第324話 『払暁の奄美大島』

文久四年三月二十六日(1864年5月5日)「おい、ほんのこてこいで良かとな? (本当にこれでいいのか?)」 永平丸艦長の大山彦助が全員の顔を見て確認するように言った。「仕方なかじゃろ。殿ん命じゃ。逆らうわけにゃいかん」 安行丸艦長の川村純義...
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第323話 『イギリス東インド・清国艦隊の奄美侵攻』

文久四年三月二十六日(1864年5月1日) 「さて、薩摩はどう出るかな? 大村艦隊は出てくるだろうか」 イギリス連合艦隊第1艦隊(在清国駐留イギリス東インド・清国艦隊)、旗艦であるユーライアス艦上で、艦隊司令官であるサー・オーガスタス・レオ...
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第804話 『陸軍と領土開発省』

文禄三年七月二十日(1594/9/4) 諫早城 会議室には純正を筆頭に戦略会議衆である鍋島直茂、黒田官兵衛をはじめとした6名、陸軍大臣の波多隆、海軍大臣の長崎純景、領土開発省の日高喜がいた。 吃緊きっきんの課題として陸海軍ならびに海外領土の...
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第803話 『空軍』

文禄三年六月三日(1594/7/20)  蒸気機関の発達により、諫早から大阪までは10日から2週間程度で往復できるようになっていた。そのため純正は3か月は大阪・京都に滞在し、残りの9か月は諫早で過ごすという生活を送っていたのである。「ほうほ...
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第322話 『国外退去ならびに臨戦態勢』

文久四年三月四日(1864年4月9日) 「急ぎなさい。私が戻るかオールコック前公使が戻るか分からないが、正直なところ良い思い出がない。できればあまり関わり合いたくない国だがな」 駐日イギリス代理公使のエドワード・セント・ジョン・ニールは、執...
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第802話 『実行』

文禄三年四月十五日(1594/6/3) 京都 その日は大日本国会議が開かれ、副首相である信長をはじめとする閣僚が集まっていた。議会制度を充実させるため、各州から1名ではなく、各県もしくは各郡から1名を選出しての議会運営を始めようと考えていた...
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第801話 『洛中』

文禄三年三月二十八日(1594/5/18) 京都の片隅にある小さな居酒屋の2階。 薄暗い部屋の中で、3人の男がささやくように会話を交わしていた。 かつての室町幕府将軍・足利義昭、近江の宇多源氏佐々木氏流六角氏の16代当主・六角義治、そして美...
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第800話 『西南王楊応龍の死』

文禄三年二月八日(1594/3/29) 李化龍の進軍の報を聞いた楊応龍の対応は迅速であった。 本拠地の播州を中心として各地の苗族と連携をとり、統治のために配していた親族や腹心に命じて迎撃させたのだ。当初、数では劣勢であった楊応龍であったが、...
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第799話 『8路24万』

文禄二年十二月十八日(1594/2/8)「陛下、明からの使者が参っております」「おお、ようやく来たか。遅すぎるぞ」 楊応龍は|播《は》州の宮殿で明からの使者が来たという報告を受け、笑みをこぼす。独立と領土の要求をして期日を設け、ようやくその...
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第318話 『全体戦略会議とロシア』

文久三年十二月二日(1864年1月10日) 上海 「読みたまえ」 イギリス東インド・清国艦隊司令官のサー・オーガスタス・レオポルド・キューパーは、副官に命じてイギリス本国の海軍省からの訓令を読み上げさせた。 -議会において日本との国交断交並...
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第797話 『楊応龍とヌルハチ』

文禄二年九月二日(1593/9/26)「陛下、播州の楊応龍の使者という者が謁見を願いでております」「何? 哱拝ぼはいの次は楊応龍か? あやつには土司としての権力を認めたであろうが。まあよい、通せ」 連日の政務と内憂外患で焦燥していた万暦帝は...