転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第388話 『結局、とサラワン王国』 慶応二年十一月三日(1866年12月9日) バタヴィア「やや! 今なんと? ……我がんこ? なんか? 無理やり……最初……めん、つ?」 各藩がそれぞれの方言と共通語で翻訳するが、さっぱり分からない。 分からないが、次郎が感情をあらわにしてい... 2025.04.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第387話 『ぶち切れる』 慶応二年十一月三日(1866年12月9日) バタヴィア「では各々方、憚はばかりながらそれがし、太田和蔵人次郎左衛門が、議事を進めたく存じます」 次郎の隣には、大村藩の名代である甲吉郎純武が控えている。 幕府と加賀藩を除く各藩の名代と艦長(責... 2025.04.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第386話 『図らずも』 慶応二年十月二十九日(1866年12月5日) バタヴィア『李百里』の遭難を受けて、次郎は全力で捜索すると同時に、全艦の整備点検を実施した。「MijnheerOtawa(太田和殿)、我々も全力をあげて捜索しています。考えられる場所としては、ス... 2025.04.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第385話 『バタヴィアでの決断』 慶応二年十月二十四日(1866年11月30日) ごう音と共に、暗雲が艦隊を覆い尽くした。「縮帆! 備えよ!」 顕武の命令がすぐさま甲板の乗組員に告げられる。 雨音はさらに大きくなり、声がかき消されそうなほどだ。「隼人助(大村艦隊司令)、スコ... 2025.04.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第384話 『出るわ出るわ』 慶応二年十月十七日(1866年11月23日) 次郎の横には勝海舟、薩摩の川村純義、佐賀の中牟田倉之助、長州の来原良蔵がいる。 目の前には万博参加の各藩の艦長または責任者が神妙な面持ちで並んでいた。 ・土佐藩の後藤象二郎の横に国沢新九郎(名代... 2025.04.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第383話 『仏領コーチシナ』 慶応二年十月十日(1866年11月16日) 次郎はこの航海を終えた後、幕府に願い出て海軍士官の練習航海を年に一度実施しようと考えていた。 幕府海軍にも必要だろうが、今後、日本が近代国家として列強と渡り合っていくには見聞を広める必要がある。 ... 2025.04.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第382話 『幕府海軍と大村海軍』 慶応二年九月二十二日(1866年10月30日) 当初、次郎は大村海軍の両艦隊の旗艦である『知行』と『大成』、さらに補給艦2隻と潜水艦『大鯨』、水雷艇『神雷』を伴ってパリ万博に臨む予定であった。 しかし、幕府と諸藩の強い要望を受けて、幕府と各... 2025.04.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第381話 『実は黒字でいざゆかん万博へ!』 慶応二年九月二十日(1866年10月28日) チュイルリー宮殿の一室は、異様な熱気に満ちていた。 中央の大きなテーブルには、駐日フランス帝国公使レオン・ロッシュからの報告書と、それに添付された写真が広がっている。 ナポレオン三世(シャルル・... 2025.04.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第377話 『イギリス、再び』 慶応二年五月十二日(1866年6月24日)「Oui,jepensequec'estunebonneidée.(はい、これでいいと思います)」 駐日フランス帝国全権公使ミシェル・ジュール・マリー・レオン・ロッシュは、幕府からの出品目録を見て言... 2025.04.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第376話 『万博とアラスカとイギリス』 慶応二年四月二十九日(1866年6月12日) 「前田殿、淀屋、と申しましたかな。商人にあのような物言いをさせて良いのでしょうか」 前田斉泰に対して、伊達慶邦が問いかけた。 慶邦はその責任感と保守的な性格から、孫三郎の放埓な物言いに眉をひそめ... 2025.04.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第375話 『淀屋清兵衛の策略』 慶応二年三月十五日(1866年4月29日) 江戸 加賀藩邸「兵備輸入取締令? あの……あれは確か万延、いや安政六年に御公儀が出した法であったな」 前田斉泰が思い出しながら牧田孫兵衛(淀屋清兵衛)に聞き直した。『兵備輸入取締令』 大名・家臣に... 2025.03.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第374話 『中居屋重兵衛と三野村利左衛門。牧田孫兵衛……』 慶応二年三月十五日(1866年4月29日) 大村藩邸の応接間で、次郎と中居屋重兵衛が向かい合って座っていた。 障子越しに差し込む陽光が、畳の上に柔らかな影を落としている。「久しいな、大村の海軍伝習課程を卒業して以来ではないか」 次郎はほほえ... 2025.03.28 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第373話 『その後』 慶応二年一月二十四日(1866年3月10日) 京都病院「まずは気道の確保、それから酸素投与だ」 一之進は洪庵の顎を持ち上げ、気道を確保する。 助手はすぐにガラス容器とチューブ、マスクを組み合わせた原始的な酸素吸入器を装着した。シュコシュコと... 2025.03.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第372話 『公議輿論のその先と京都病院』 慶応二年一月二十四日(1866年3月10日) 京都 明保野亭「まったく、なにゆえ斯様かよう(このよう)な世となってしまったのだ」 数名の武士と酒を酌み交わし、愚痴をこぼしているのは清河八郎である。清河の実家は裕福な商家であり、彼の行動資金の... 2025.03.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第371話 『金策と犯人』 慶応二年一月十七日(1866/3/3) 大阪「ごめんやす。渋沢篤太夫さんおってですか?」 誰だろう? 見知らぬ声に不審がる渋沢であった。「どちら様でしょうか?」 戸を開けると立っていたのは、二人の見ず知らずの男である。「ごいされませ。(ごめ... 2025.03.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第370話 『京都にて』 慶応二年一月十七日(1866/3/3) 京都 岩倉邸 次郎は正月の年賀の献上品とは別に、挨拶と近況報告を兼ねた参内を終え、岩倉具視の屋敷にいた。 幕府がアラスカの購入に動いている件を次郎から聞いており、岩倉はその真意を探ろうとしていたのだ。... 2025.03.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第369話 『かき集める』 慶応元年十二月一日(1866/1/17) 駐日ロシア領事エヴゲーニイ・ビュツォフとの約束の期日が過ぎていたが、次郎は適当な理由をつけて延期してもらった。 年末でもあり、ロシア側も早めに進めたい意向があるとはいえ、数か月の猶予があったためで... 2025.03.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第338話 『くすぶる火種、されど購入は決まりけり?』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 夜「安藤様、真にあのままで良かったのですか?」 小栗上野介と渋沢篤太夫、大村純顕と太田和次郎左衛門が下城した後の御用部屋での会話である。 板倉勝静や稲葉正邦ら老中院の面々は、安藤... 2025.03.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第337話 『是非』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 全員が話すのを止め、辺りを静寂が包むのを次郎は待つ。 おもむろに安藤信正に正対し、居住まいをただした。「金山の儀につきましては、ひとえにそれがしの不徳のいたすところにございます。... 2025.03.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第366話 『買うべきか買わざるべきか。大問題発生』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋『賠償金の総額が293万3千ポンドのため、残額は262万8千11ポンドとなった。正直なところ全額もらっても大村藩としては赤字である。大砲を製造して各所の台場に大砲を設置、同じく艦艇... 2025.03.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第365話 『無理か可能か、有益か無益か』 慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸 磐城平藩 藩邸「何ですと! 次郎殿が然様さように仰せになったのですか」 藩邸にひそかに呼ばれた小栗上野介は、安藤信正の話を聞いて驚いた。「うむ。英国との戦の前にロシアとの駆け引きで蔵人くろう... 2025.03.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第364話 『幕閣のアラスカ購入論議』 慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸城 御用部屋「やれやれ、朝廷にも困りましたな」「然様さよう、いかに公儀の力を強めるための公武合体とはいえ、いささか度が過ぎるのではありませぬか?」「然さりとてこたびの英国との戦に際して、丹後守... 2025.03.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第363話 『アラスカ購入金額』 慶応元年九月十四日(1865/11/2) 冬の勢いが強まろうとしている中、次郎は箱館へいく準備を進めていた。 今日までかなりの数の電信がきたが、そもそも仮病である。感謝の念とあわせて『心配ご無用』と電文を返信し、一週間ほどずる休みして英気を... 2025.03.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第362話 『賠償金の振り分けとアラスカと万博』 慶応元年九月七日(1865/10/26) 証人喚問も終わり、イギリスとの賠償金交渉も終わった。 しかしこれは、あくまでも終戦。 イギリスとは断交状態である。 ガウワーは賠償金の一括支払いをもって国交の回復を要望してきたが、次郎は一蹴した。 ... 2025.03.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第357話 『アーサーの告白と英国外交文書』 慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球「パークス領事、あの時あなたも首をかしげていたではありませんか。なぜ英国人の仕業だとわかるのだ、と」 ……確かに。 パークスはアーサーと交わした会話を思い出す。「……」 YesともNoとも言わ... 2025.02.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
Uncategorized 第354話 『首里城下ふたたび。証人喚問』 慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球 予定していた9月1日~15日よりも2週間早く、証人喚問が行われた。 イギリス側としては一刻も早く実施して心証を良くしようとの考えだったのだろうが、次郎をはじめとした日本側は動じない。 証人喚... 2025.02.18 Uncategorized
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第349話 『賠償金交渉とロシア、フランス』 慶応元年一月二十日(1865/2/15) 賠償金交渉は遅々として進んでいなかった。 ■ロシア領事館「やはり、イギリスと日本の交渉は一筋縄ではいかないようですね」 後任の箱館領事のエヴゲーニイ・ビュツォフはゴシケーヴィチに言った。「そうだな。... 2025.02.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第346話 『イギリスの時間稼ぎ?』 元治元年十一月五日(1864/12/22) 会見終了後「Mr.オオタワ、今回はどのような協議がなされたのですか?」 ジャパン・タイムズのチャールズ・D・リッカービーがまず第一声をあげ、次郎に質問をした。川路聖謨としあきらはいない。英語が次郎... 2025.02.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第344話 『小栗上野介の財政・貨幣政策』 元治元年十月六日(1864/11/5) 小栗上野介は外国奉行としてアメリカやフランスと交渉することはもちろん、勘定奉行として幕府の財政の健全化と増大する軍事費や様々な歳出を補うべく、その施策にまい進していた。「このままでは立ち行かなくなる」... 2025.01.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第343話 『ロッシュと借款と技術供与』 元治元年九月六日(1864/10/6) フランス公使館 フランス公使館の応接室で、レオン・ロッシュは上野介と次郎を前に、優雅な身振りで紅茶を注ぎながら話を切り出した。「さて、ミスター小栗。本日のご来訪の目的をお聞かせください」 小栗は背筋を... 2025.01.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第342話 『昇任問題とレオン・ロッシュ』 元治元年八月二十七日(1864/9/27)「して次郎、朝廷から昇任の知らせが来ていたようだが、その後は如何いかがあいなっておるのだ?」「は、その儀につきましては丁重にお断りいたしたく、返信をいたしましてございます」「なんと、断ったのか?」 ... 2025.01.28 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 時系列・あらすじ 以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7... 2025.01.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第339話 『対英、対列強会議』 元治元年七月十四日(1864/8/15) 江戸城 御用部屋「さて方々、これより先のイギリスならびに列強に対する策を論じたいと存じます」 集まったメンバーは下記のとおり。 ・将軍後見職 一橋慶喜 ・政事総裁職 松平春嶽 ・大老筆頭 安藤信正 ... 2025.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第338話 『ロシアの対日、対英戦略』 元治元年七月三日(1864/9/4) 箱館「クリミアではイギリスに屈辱的な敗北を喫しましたが、まさか日本がイギリスを打ち負かすとは……。日本にはこれまで散々な目に遭わされてきましたが、今回の件は今後の対日外交の指針を見直す必要があるかもしれ... 2025.01.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第337話 『捕虜』 元治元年七月三日(1864/8/4) 日英戦争における鹿児島・馬関戦役の捕虜は、士官・下士官兵すべてが横浜の称名寺にある収容所へ送られた。鹿児島湾海戦で200名、馬関海戦で340名、合計540名である。 称名寺は金沢区にある真言律宗の別格本... 2025.01.22 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第335話 『鹵獲戦利品の分配』 元治元年五月十六日(1864/6/19) |鹵獲《ろかく》したイギリス軍艦を大村藩の海軍工廠こうしょうで修理しているころ、大村・佐賀・長州・薩摩・幕府の間ではその分配協議がなされていた。 五大老とはいえ、土佐藩、加賀藩、仙台藩は除外されてい... 2025.01.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第333話 『同航戦』 元治元年四月十一日(1864/5/16) 彦島の北西、竹ノ子島の南西沖で、同航戦が始まった。「目標、右舷敵艦、撃ちぃ〜方、始め!」 針路、速度を同じくしての正面からのぶつかり合いである。次郎の指令のもと全艦一斉に砲撃を開始した。14隻対8隻... 2025.01.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第332話 『下関戦争-長州海軍と幕府海軍-』 元治元年四月十一日(1864/5/16)「くそっ! やはり無理か!」 助けられる味方は助けなければならない。 人道的見地からはもちろん、戦力保持の意味合いもある。しかし、それがために全体が危険にさらされては意味がないのだ。一分一秒を争う判断... 2025.01.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第331話 『フランス・アメリカ・オランダ艦隊』 元治元年四月十一日(1864/5/16) 男島沖 イギリス艦隊旗艦上「艦橋-見張り! ロシア艦隊停止! 距離1,500ヤード!」「……副官、ロシア艦隊に通信を送れ、文面は、こうだ」 -発 大英帝国東インド・中国艦隊増援艦隊司令官 宛 ロシア... 2025.01.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第330話 『ロシア艦隊と』 元治元年四月十一日(1864/5/16) 蓋井島沖 -発 彦島信号所 宛 大村艦隊並前田台場 敵小型艦海峡進入せり 水深測定ならびに周囲の偵察と認む-「ふむ、やはり慎重策をとるか」 次郎は長州藩に砲台の砲と艦載砲の変更と同時に電信網の敷設協... 2025.01.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第325話 『激闘! 鹿児島湾海戦! -序章-』 文久四年四月三日(1864/5/8) |蟄居《ちっきょ》処分状 文久四年三月二十七日、赤塚源六、大山彦助、松方正義の三名は、主命に背き独断専行にて大島沖に於おいて英国艦隊と交戦せり。 これは重罪である。 然されども今般の英国との戦況に鑑み... 2025.01.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第801話 『洛中』 文禄三年三月二十八日(1594/5/18) 京都の片隅にある小さな居酒屋の2階。 薄暗い部屋の中で、3人の男がささやくように会話を交わしていた。 かつての室町幕府将軍・足利義昭、近江の宇多源氏佐々木氏流六角氏の16代当主・六角義治、そして美... 2025.01.02 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第320話 『南北戦争とフランスとオランダ』 文久三年十二月十八日(1864年1月26日) 次郎はイギリスとの開戦を見据え、列強を日本側に取り込もうと考えていたが、ロシアは上手くいくであろうとの感触であった。アラスカの売却はロシアにとってもメリットがある。 もし万が一破談となっても、... 2025.01.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第319話 『アラスカ売却交渉とロシア太平洋艦隊のネーバルプレゼンス』 文久三年十二月十一日(1864年1月19日) 箱館「ほう……これはまた、珍しい。何かの交渉ならば、ぜひお手柔らかに願いたいものですな」 駐日函館ロシア領事のヨシフ・アントノヴィチ・ゴシケーヴィチは、決して良い思い出とは言い難い相手と、再び交... 2024.12.31 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第316話 『薩摩と長州』 文久三年十月二日(1863年11月12日) -発 次郎左衛門 宛 松前勘解由様 昨今の日英関係に鑑み、開戦となればロシアの動向愈々以ていよいよもって重きにして、特に間宮海峡並びに宗谷海峡の備えは重きと存じ候間(思うので)、近く新式砲台の設... 2024.12.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第315話 『軍事作戦か開戦か』 文久三年八月二十二日(1863年10月4日) 八月十八日の政変は起きなかった。次郎の工作や諸々の条件の変化がなし得た事だが、水戸・長州・薩摩・土佐等々、日本全国の攘夷じょうい勢力の絶対数が減少していたのは確かだ。 昨年、一昨年と対外的な事... 2024.12.28 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第313話 『技術革新と大老会議』 文久三年六月二十九日(1863年8月13日) 強力な海軍を創る。 その一環として次郎がオランダに発注した2,500トン級鋼鉄艦である『大成』が川棚に到着したのは、去年のちょうど今ごろである。 世界でも最先端の同艦の設計図をもとに、同型艦を... 2024.12.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第312話 『岩倉具視の出世と大哨戒網』 文久三年五月十五日(1863年6月30日) -発 六位蔵人次郎左衛門 宛 左近衛権少将様(島津久光) 斯様かように短き略式なる書面にて失礼仕り候。 生麦の儀、いまだ解決に至らず候間そうろうあいだ(解決してませんので)、イギリスの出方により... 2024.12.25 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第311話 『イギリスの分析』 文久三年五月十一日(1863年6月26日) 「ふむ……」 イギリス東インド・清国艦隊司令官のオーガスタス・レオポルド・キューパー少将は、本国から指令のあった調査報告書を読んで目頭を押さえている。 1.江戸で消費される米その他の食料品の9割は... 2024.12.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第310話 『和宮の懐妊と家茂上洛』 文久三年三月二十四日(1863年5月11日) 極秘 1863年3月25日 駐日英国公使館代理公使 エドワード・セント・ジョン・ニール殿 親愛なるニール殿、貴殿より届いた1862年12月20日付の書簡を読んだ首相と私は、大変驚愕きょうがく... 2024.12.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く