我ら

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第212話 『築地海軍操練所と金属薬莢、そして輸血と血液保存 』

安政四年三月一八日(1857/4/12)  長崎に幕府の海軍伝習所が出来たのは、2年前の嘉永から安政に改元された1855年の8月の事である。 ただし、長崎が遠隔地ということと、日本人の人材が育ってきたこともあり、講武所内の組織の1つとして正...
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第211話 『下手人とその波紋』

安政四年二月二十三日(1857/3/18) 大村藩庁『天諭攘夷じょうい義の誓い』 我ら天諭攘夷義士同盟は、ここに大村家中丹後守純顕並びにその一派に対する襲撃の所以を明らかにせん。 其その一、外夷いとの交易を推し進め、我が国の神聖なる土地を穢...
天下百年の計?

第736話 『ペトロパブロフスク・カムチャツキーからオホーツクをへてウラジオストクへ』

天正十六年六月十七日(1587/7/22)沿海地方 沿海県 ニコラエフスク・ナ・アムーレ(北黒瀬浦) 純正は小樽を出港後、1か月半かけて北加伊道沿岸を回り、その後カムチャッカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキー、オホーツクのオホーツクを...
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第209話 『落とし所と水戸の徳川斉昭』

安政四年一月四日(1857/1/29) 江戸城「それで、水戸殿はなんと仰せなのですか?」  牧野忠雅が堀田正睦(昨年12月に篤姫が輿入こしいれのため改名)に問う。「変わらぬよ。わしも昔から変わらぬが、あの御仁も変わらぬ。夷狄いてきなど我が国...
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第208話 『オランダと同じように』

安政三年十二月七日(1857/1/2)~それまで 交渉は難航していた。 ハリスが言っている事も一理あるが、日本としては下田と箱館を開港して、各国の船に対しては便宜を図っている。食料や水、燃料などの必需品も迅速に補給できるように順次体制が整っ...
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第207話 『武力衝突! ?』

安政三年十一月十日(1856/12/7) ~それまで「あいや待たれよ! 信濃守殿(井上清直)、どうか御静まり下さいませ! Dear Brooke, let's remain calm. Let's take a short break.(ブ...
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第205話 『交渉開始』

安政三年九月十五日(1856/10/13)  紆余うよ曲折を経て、次郎の軽快なジャパニーズブラックジョークから始まった日本の対4か国協議は、関係国が5か国で参加したという事もあり、序盤から難航を極めた。 ■日本側参加メンバー 全権 下田奉行...
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第204話 『サー・タンゴノカミの実力』

安政三年九月十五日(1856/10/13) ~の半月前 江戸城「な、なんだこれは……」 老中首座を退いたとは言え、いまだ幕閣の中で発言力のあった阿部正弘は目を疑った。 確かに、意見は聞いた。幕政の参考にと、聞きはしたのだ。 立秋の候、伊勢守...
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第203話 『通商条約の前に和親条約の改正』

安政三年八月十七日(1856/9/15)   イギリス・アメリカ・フランス・オランダの4か国艦隊が、各国の領事予定者を乗せて下田に着いた頃、中国では太平天国の乱が継続中であった。 イギリスは太平天国の首都(建都された南京・天京)を公使である...
天下百年の計?

第733話 『北常陸県、那珂湊にて三大名と』

天正十六年二月二十五日(1587/4/2)北常陸県 那珂湊 湊御殿 那珂湊は下野国那須郡から常陸国を貫流して太平洋に注ぐ那珂川の河口部に位置し、水戸などの同河川流域と海路を結ぶターミナルとして栄えていた。 とは言っても、規模で考えれば堺より...
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第199話 『吉田寅次郎、高杉晋作とともに帰郷する』

安政三年四月十一日(1856/5/14) 長州藩 萩城下「ごほっごほっごほっ……」「先生、あまり無理をなさらずに、ご静養くださいませ」「……九右衛門よ。わしはもう……長くはない、後は頼むぞ」 藩主毛利敬親とともに天保の改革で長州藩の財政を立...
天下百年の計?

第732話 『吉原県吉原湊』

天正十六年一月十八日(1587/2/25) 地震発生から1年と2か月が経ったが、純正は地震が発生してすぐに決定をした。 向こう10年間を復旧期間とし、全域の復旧ならびに新規の高層建築の建造を禁止したのだ。もちろん、計画していた大阪城も例外で...
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第196話 『一触即発、大村藩改易か?』

安政二年十二月二十五日(1856/2/1) 江戸城 老中御用部屋「本音が、でたな」 堀田正篤まさひろの言葉に次郎は心の中で深呼吸をする。表情を崩さぬよう注意しながら視線を合わせると、正篤は手にしていた扇子を膝の上に置き、じっと次郎を観察した...
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第195話 『対談、老中首座堀田正篤』

安政二年十二月二十五日(1856/2/1)~の数日前 <次郎左衛門>「あーもう面倒臭えなあ、あそこ息が詰まるんだよ。魑魅魍魎ちみもうりょうが跋扈ばっこするっていうの?」「なに21世紀の人間が非科学的な事を言ってんだよ」「いや、いま令和じゃね...
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第190話 『飛龍丸献上』

安政二年五月二十九日(1855/7/12)  次郎は松前藩への軍事教練と併せて、共同で北方の警備体制を整えた。 ・久春古丹クシャンコタンのロシア軍陣地を焼却。 ・南樺太のクシャンコタンを大泊と名づけ、整備。 ・択捉島単冠ヒトカップ湾と国後島...
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第188話 『次郎、ロシアへ』

安政二年二月十八日(1855/4/14) 江戸城「何故なにゆえにございましょうや」「控えなされ太田和殿」 次郎は安政東海地震の際の救援活動も人道的に行った。  医療物資の運搬やけが人の治療など諸々である。次郎はそれを誇示するつもりは毛頭なか...
天下百年の計?

第728話 『毛利だけの優遇措置とも言える』

天正十四年五月二十二日(1585/6/19) 諫早城 100万石を超える毛利の所領の差配は簡単ではない。もちろん、前述のように警察機構は独立して各国に設置され、各郡、各村に署を置き派出所をおいて治安維持にあたっている。 しかしそれ以外は自治...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第186話 『日露和親条約』

安政元年十二月二十一日(1855/2/7)~遡ること数ヶ月前「絶対にダメです! 馬鹿ですか? 阿呆あほうですか?」 次郎はそう叫びたいのを必死に我慢して、地道に交渉にあたっていた。プチャーチンに対してではない。日露和親条約締結における日本全...
天下百年の計?

第727話 『毛利輝元、小早川隆景、吉川元春』

天正十四年四月二十四日(1585/5/23) 諫早城 <小佐々純正> ……さて、困った。 困ったというよりも、いま問題は起きていないんだけど、将来的にもしかしたら問題になるかもしれない、という課題で頭を悩ましている。こうなったのは、自分のせ...
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第183話 『ヘルハルドゥス・ファビウスとSoembing号、そして長崎海軍伝習(所)』

嘉永七年八月二十日(1854/10/11) 長崎 「なんと、これほど日本人の技量が育っているとは……これでは小官が教える事などほとんど無いではありませんか」 幕府はオランダからの働きかけもあり、海軍創設へと動き出した訳であるが、その第一歩が...
天下百年の計?

第725話 『奥羽越三州同盟』

天正十四年二月二十四日(1585/3/25) 出羽国 置賜郡 米沢城 場内は殺伐とした雰囲気でありながらも、一つの目的を持って|怱々《そうそう》たる面々が集まっている。 南部大膳大夫だいぜんのだいぶ信直、斯波民部大輔みんぶのたいふ詮直あきな...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第179話 『攘夷論者徳川斉昭』

嘉永七年六月十一日(1854/7/5) <次郎左衛門> なんとか和親条約は落ち着いたけど、幕末日本史はこっからなんだよね、本番。幕府の中身はちょっとわからんけど、朝廷も今のところは開国肯定佐幕派だし、西国諸藩もおとなしいもんだ。 俺の仕事は...
天下百年の計?

第724話 『会合衆の世界進出と九州五傑』

天正十四年一月十五日(1585/2/14) 堺「そう、それが最も難し事なのだ」 会合衆の議論は連日続き、白熱していった。 千宗易(利休)の提案に多くの者が興味を示す一方で、実現に向けての課題も浮き彫りになっていた。 山上宗二は腕を組み、目を...
天下百年の計?

第723話 『肥前国(州)の貿易状況』

天正十三年十二月十五日(1585/1/15) 諫早城 大日本国と肥前国(州)とでは、経済規模がまるで違う。  厳密に言えば肥前国は小佐々州として大日本国の構成州となっている訳であるから、その肥前国の貿易収益の何パーセントかが大日本国の貿易収...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第16話 『村の子供と長老』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支国いはきこく 宮田邑むら  比古那は慎重に洞窟の入り口に近づいた。 外の様子を窺うかがうと、二人の子供が木の枝を手に持ち、何かを探すように周囲を見回している。 長...
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第174話 『黒船再来と坂本龍馬』

嘉永七年二月六日(1854年3月4日) 「Admiral Perry, what in the world are you doing here?(ペリー提督、あなたは一体、ここで何をしているのですか?)」 憮然ぶぜんとした表情で、笑顔ひと...
天下百年の計?

第721話 『ヌエバエスパーニャ出兵論と新しい薬の話』

天正十三年十月十二日(1584/11/14) 海軍省内「イスパニアの勢を、ふつと(完全に)消し去るべきではございませぬか?」 こういう議論が海軍内の若手将校の間で公然とされるようになったのは、第二次対イスパニア戦争勝利後の事である。一度なら...
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第173話『鋼鉄艦とベッセマー転炉。蒸気機関の改良と800トン級2隻建造へ』

嘉永七年一月二十四日(1854年2月21日)  現在の大村藩の造船所の利用状況は、下記の通りである。 零号ドック(ポルトランド・長さ62m幅21.5m深さ6m)……修理用。 壱号ドック(長さ122.5m幅25m深さ8.4m)壱(半分)……至...
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第170話 『江戸表にてプチャーチンと幕閣』

嘉永六年十月二十六日(1853年11月26日) 佐賀城「よし、それで大村家中とはつつがなく、渡りをつけた(交渉した)のだな?」「はは。大村家中は既に時津から伊木力村までは完工しております。我が家中としましては、伊木力から喜々津を経て、三浦村...
天下百年の計?

第718話 『三個師団と三個艦隊。汽帆船の艦隊編成へ』

天正十三年六月二十九日(1584/8/5)  陸軍に関しては北方は小樽に、印阿国はケープタウンとカリカットに駐屯地を設営して地域の防備と運営にあたる事となったのだが、三個師団の増強はそこまで時間はかからなかった。  小樽、ペトロパブロフスク...
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第169話 『次郎を呼べよ』

嘉永六年九月二十四日(1853年10月26日) 「それで讃岐様、琉球はいかなる仕儀に御座いましょうや」「うむ、なんとか大村家中の御助力のお陰で面目を保つ事ができた。然れど以後如何いかが致すかは、よくよく考えねばならぬ」 讃岐とは島津家の一門...
天下百年の計?

第717話 『肥前国(州)陸海軍と大日本国陸海軍』

天正十三年五月二十二日(1584/6/30) 肥前州庁舎 大日本国陸海軍は、いわゆる肥前州陸海軍である。 各州の州軍はそのまま大名の私兵が運用される事になっているが、装備や規模、練度や士気の面で国軍よりはるかに劣る。州は独立国に等しい権限を...
天下百年の計?

第716話 『朝鮮出兵の話』

天正十三年四月十三日(1584/5/22) 「なに? 右議政は小佐々との通商をさらに進めるに留まらず、同盟を結べと申すのか?」 李氏朝鮮王朝第14代国王の宣祖は、右議政の柳成龍に向かって驚きの声を上げる。史実では1590年に右議政となった柳...
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第166話 『江戸城での弁明とプチャーチンの来航』

嘉永六年七月十八日(1853年8月22日) 江戸城 御用部屋「して次郎左衛門、此度こたびの江戸参府ならびに登城におよんだ儀については、あえて言うことも無いかと思うが、つくづくと(じっくりと)話してもらうぞ」 次郎は呼び出され、江戸城御用部屋...
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第165話 『公儀からの質し状と登城命令』

嘉永六年七月三日(1853年8月7日) 大村政庁「また、でございますか」「……まただ。次郎、お主がJantje(オランダ語のヤンチェ……やんちゃの語源とする説あり)をやらかすから、こうなったのだぞ」 純顕すみあきはいたずらっぽい顔をして次郎...
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第164話 『幕閣と親書の受領。至善丸へのスクリュー艤装』

嘉永六年五月二十三日(1853年6月29日) 江戸城「なんじゃと! ?」 近習から書状を受け取り、読み上げた老中首座の阿部正弘は驚きの声を上げた。ペリー来航の知らせから城内は緊迫しており、そんな中で、幕閣を驚愕きょうがくさせる出来事があった...
天下百年の計?

第712話 『大日本国銀行』

天正十二年十一月二日(1583/12/15) 肥前国庁舎 最上義光に送った質問状については、予想通りの回答がきた。要するに単なる軍事訓練であり、他領への侵攻の意図はまったくない、という事である。 真偽のほどは別として、純正は念のため、義氏に...
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第163話 『次郎vs.ペリー 日本の事情とアメリカの事情』

嘉永六年五月二十日(1853年6月26日) 浦賀沖 サスケハナ号艦上「これは心強い。よろしくお願いいたす」 栄左衛門はそう言って、純顕と次郎の一行とともに改めてペリーに向き直る。日本側は純顕、次郎、香山栄左衛門の三名で、アメリカ側はペリー・...
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第162話 『サスケハナ艦上にて対峙する』

嘉永六年五月二十日(1853年6月26日) 浦賀沖「提督、奴らはどうするでしょうか」 ブキャナンがペリーに尋ねると、ペリーは葉巻をふかしながら静かに言う。「ふむ。琉球の件があるので慎重に行動しなければならないが、臆することはない。奴らにはこ...
天下百年の計?

第711話 『最上の馬揃えと商人の動き』

天正十二年九月十八日(1583/11/2) 新政府庁舎 武田州……清水湊8万貫 徳川州……大浜湊10万貫 浅井州……小浜湊7万貫 里見州……館山湊9万貫 畠山州……七尾湊8万貫 大宝寺州……酒井湊6万貫 各州から港湾整備の予算申請が出たが、...
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第160話 『威嚇と応戦-ペリー来航前哨戦』

嘉永六年四月十九日(1853/5/26) 琉球 ブキャナンは、周囲を見渡しながら状況を確認しようと必死になった。ペリーも同様に冷静さを失わず、素早く判断を下す。「状況は? 負傷者はいるのか?」 ペリーはブキャナンに命じて被害状況を確認し、同...
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第159話 『一触即発! 琉球にて』

遡る事嘉永六年二月十九日(1853/3/28)  鹿児島城「おお! これは肥前の宰相、太田和次郎左衛門殿! お会いしとうござった!」 少し|慇懃《いんぎん》無礼気味に見えるが、次郎はそれを感じつつも低姿勢で応対する。「はは。英明なる豊後殿に...
天下百年の計?

第709話 『瓶詰めの開発と琉球州顛末。琉球国か琉球州か』  

天正十二年六月十六日(1583/8/3) 諫早城 「ところで忠右衛門。その後缶詰はどうなっている?」 純正は唐突に忠右衛門に尋ねた。 忠右衛門は14年前に真空ポンプを使って実験をして以来、純正から缶詰の開発を依頼されていたのだ。 しかし実際...
天下百年の計?

第708話 『琉球州誕生か』

天正十二年四月二十六日(1583/6/16) 諫早城 前回の会議で決まった新政府の歳入を調べ上げた。補助金を支払った残りの純粋な歳入だ。 小佐々州……553,346貫 織田州……219,912貫 武田州……76,758貫 北条州……74,3...
天下百年の計?

第707話 『財政と琉球領土編入問題』

天正十二年三月五日(1583/4/26) 肥前国庁舎 「そ、それは、あまりにも無体ではありませぬか? 我らから四割もお取りになるとは」 一人ではない。全員がそう言って場が騒然となった。信長は黙って目をつむり、聞いている。「では一つだけお伺い...
天下百年の計?

第706話 『一応の決着。その後の新政府会議』

天正十二年三月五日(1583/4/26) 肥前国庁舎  数度による肥前国内での協議の上で、大日本国新政府の会議に臨む純正であったが、いくつもの懸念があった。 ・越後奥州問題 ・財政問題 ・大日本国憲法への批准 参加大名は小佐々純正、織田信長...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第11話 『卒善中郎将の掖邪狗(エキヤク・ヒエシエコ)』

2024/6/12(水) 15:00 九州大学「昨日なんで休講だったのかな? ねえ、誰か先生の連絡先知らないの?」「知らねー。だってあの先生、嫌いじゃないけど、あんまり人付き合い得意そうじゃないだろ?」「確かに。明日も休講なのかな?」「わか...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第154話 『石油精製法その弐』

嘉永五年十月二十九日(1852/12/10)  予想通り、次郎が提案して純顕が長崎奉行を通じて幕府に上書した内容は、おおむね受諾されたが、純顕の関与は却下された。当然といえば当然の結果である。 こちらは意見を聞いただけで、幕政に参画せよとい...
天下百年の計?

第705話 『越後と残りの奥州』(小佐々家中会議)

天正十二年閏うるう一月十一日(1583/3/5) 肥前国庁舎  本当に小佐々が全部の金を出すのでいいのか? 何か良い方法はないのか? 純正は戦略会議室のメンバーを集めての会議の中で、想定問答を行った。 来るべき新政府の会議における、越後の上...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第153話 『公儀からの質問状』

嘉永五年八月十八日(1852/10/30) 大村藩庁「然さて次郎よ、この、ごほっ……長崎奉行の志摩守(牧義則)殿からの書状じゃが、どうにも公儀から問いただすようにとのお達しのようじゃ」「殿、大事ございませぬか? 誰かおらぬか! 俊達先生を…...