転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第387話 『ぶち切れる』 慶応二年十一月三日(1866年12月9日) バタヴィア「では各々方、憚はばかりながらそれがし、太田和蔵人次郎左衛門が、議事を進めたく存じます」 次郎の隣には、大村藩の名代である甲吉郎純武が控えている。 幕府と加賀藩を除く各藩の名代と艦長(責... 2025.04.21 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~ 第14話 『魔術師裁判』 1590年7月16日 オランダ ライデン ライデン市庁舎の石造りの法廷には、いつもよりも多くの市民が集まっていた。 窓から差し込む夏の光は、緊張感に満ちた空気を和らげるどころか、むしろその場の重苦しさを一層際立たせている。 中央の被告席には... 2025.04.21 外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~
八紘共栄圏を目指して 第854話 『三国鼎立とモンゴルのオルドス・トゥメト・ヨンシエブ・チャハル・ハルハ・ウリャンカイ』 慶長三年八月一日(西暦1598年9月1日) 諫早「殿下はこれでもまだ、明が弱まるべきだと仰せになりますか――」 明国の内閣次輔、沈一貫は諫早城下の外交使節迎賓館の一室に滞在していた。 純正との初回交渉から一週間。 彼は齢六十を超え、最後の奉... 2025.04.20 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第386話 『図らずも』 慶応二年十月二十九日(1866年12月5日) バタヴィア『李百里』の遭難を受けて、次郎は全力で捜索すると同時に、全艦の整備点検を実施した。「MijnheerOtawa(太田和殿)、我々も全力をあげて捜索しています。考えられる場所としては、ス... 2025.04.20 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第385話 『バタヴィアでの決断』 慶応二年十月二十四日(1866年11月30日) ごう音と共に、暗雲が艦隊を覆い尽くした。「縮帆! 備えよ!」 顕武の命令がすぐさま甲板の乗組員に告げられる。 雨音はさらに大きくなり、声がかき消されそうなほどだ。「隼人助(大村艦隊司令)、スコ... 2025.04.19 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第853話 『新都 開封』 慶長三年七月二十一日(西暦1598年8月22日) 開封府 黄河のほとりに広がる開封は、かつて北宋の『東京』として栄えた都だった。 三重の城壁に囲まれた街並みは、長安のような碁盤目状ではなく、複雑に入り組んだ路地と水路が張り巡らされている。 ... 2025.04.19 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第384話 『出るわ出るわ』 慶応二年十月十七日(1866年11月23日) 次郎の横には勝海舟、薩摩の川村純義、佐賀の中牟田倉之助、長州の来原良蔵がいる。 目の前には万博参加の各藩の艦長または責任者が神妙な面持ちで並んでいた。 ・土佐藩の後藤象二郎の横に国沢新九郎(名代... 2025.04.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第852話 『決断』 慶長三年七月二十一日(西暦1598年8月22日) 万暦帝は決断を下した。 開平府(現在の内モンゴル自治区シリンゴル盟正藍旗南部)から順天府(北京)までは、約441km。 宣府(河北省張家口市)からは約194km、大同府(山西省大同市)からは... 2025.04.17 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第383話 『仏領コーチシナ』 慶応二年十月十日(1866年11月16日) 次郎はこの航海を終えた後、幕府に願い出て海軍士官の練習航海を年に一度実施しようと考えていた。 幕府海軍にも必要だろうが、今後、日本が近代国家として列強と渡り合っていくには見聞を広める必要がある。 ... 2025.04.17 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~ 第12話 『転生者フレデリックと転生者オットー&コンパス・オブ・ディスティニー』 1590年6月19日 オランダ ライデン「ちょっと話がある、後で時間とれるか? お前も同じ転生者なんだろ? 日本人の(日本語で)」 フレデリックはオットーの耳元でそうささやいた。 オットーは瞬時に状況を理解したのか、短くうなずく。「皆、静ま... 2025.04.16 外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~
八紘共栄圏を目指して 第851話 『対スペインパルチザンと李化龍のあせり』 慶長三年六月十八日(西暦1598年7月21日)「直茂、ビルカバンバの皇帝に親書は届いておろうな?」「は、そろそろかと存じます」 今年の2月にインカ帝国の皇帝から親書を受け取り、正式に国交を樹立する旨の返書を送ったのだ。 ただし、軍事支援は行... 2025.04.15 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第382話 『幕府海軍と大村海軍』 慶応二年九月二十二日(1866年10月30日) 当初、次郎は大村海軍の両艦隊の旗艦である『知行』と『大成』、さらに補給艦2隻と潜水艦『大鯨』、水雷艇『神雷』を伴ってパリ万博に臨む予定であった。 しかし、幕府と諸藩の強い要望を受けて、幕府と各... 2025.04.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第381話 『実は黒字でいざゆかん万博へ!』 慶応二年九月二十日(1866年10月28日) チュイルリー宮殿の一室は、異様な熱気に満ちていた。 中央の大きなテーブルには、駐日フランス帝国公使レオン・ロッシュからの報告書と、それに添付された写真が広がっている。 ナポレオン三世(シャルル・... 2025.04.13 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第850話 『登州決戦』 慶長三年五月十五日(西暦1598年6月18日) 満州国が登州に侵攻して1か月。 その間李化龍りかりゅうは敵の動きを警戒しつつ、防衛線の強化を図ってきた。しかし、事態は彼の予想以上に深刻な展開を見せている。「総兵大人! 沙門島しゃもんとうに敵... 2025.04.11 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第380話 『過労と財政と航路』 慶応二年八月十二日(1866年9月20日)「まったくもう、お前様ときたら。子煩悩かと思えば、家のことはまったく気にしない。そのくせお役目は、人に任せればいいものまで自分でしないと気が済まない。倒れるまでお勤めなさるなんて、尋常ではありません... 2025.04.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第848話 『山東から北京へ。寧夏の決断』 慶長三年四月九日(西暦1598年5月14日)「急報! 急報! 登州沖に大船団が出現しました! 女真の水軍と思われます!」 副官からの報告を受け、李化龍は全軍に戦闘態勢を整えるよう指示した。「おいでなさったな。女真のヤツらめ」 李化龍は城壁に... 2025.04.04 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第377話 『イギリス、再び』 慶応二年五月十二日(1866年6月24日)「Oui,jepensequec'estunebonneidée.(はい、これでいいと思います)」 駐日フランス帝国全権公使ミシェル・ジュール・マリー・レオン・ロッシュは、幕府からの出品目録を見て言... 2025.04.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第847話 『ネゴシエイト』 慶長三年三月四日(西暦1598年4月9日) 諫早「これはこれはフュンドン殿、遠いところわざわざようお越し下さった」「いえいえ。伊集院殿も安国寺殿も、お元気そうでなによりです」 ヌルハチの腹心、フュンドンが肥前国首都の諫早を訪れるのは2度目で... 2025.04.02 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第376話 『万博とアラスカとイギリス』 慶応二年四月二十九日(1866年6月12日) 「前田殿、淀屋、と申しましたかな。商人にあのような物言いをさせて良いのでしょうか」 前田斉泰に対して、伊達慶邦が問いかけた。 慶邦はその責任感と保守的な性格から、孫三郎の放埓な物言いに眉をひそめ... 2025.04.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第846話 『哱拝(ぼはい)の死』 慶長三年一月二十七日(西暦1598年3月4日) 寧夏 寧夏城の居室で、哱拝は苦しそうな呼吸を繰り返していた。布団の上で横たわる彼の顔は蒼白で、額には大粒の汗が浮かんでいる。「父上、お薬を」 長男の哱承恩が差し出す薬を、哱拝は手を震わせながら... 2025.03.31 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第375話 『淀屋清兵衛の策略』 慶応二年三月十五日(1866年4月29日) 江戸 加賀藩邸「兵備輸入取締令? あの……あれは確か万延、いや安政六年に御公儀が出した法であったな」 前田斉泰が思い出しながら牧田孫兵衛(淀屋清兵衛)に聞き直した。『兵備輸入取締令』 大名・家臣に... 2025.03.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第845話 『電気・電灯・電信』 慶長二年十二月二十日(西暦1598年1月27日) 純正が転生してから36年が経過したが、肥前国では蒸気船をはじめ、さまざまな分野で研究・開発が盛んに行われている。 軍事分野では管打式小銃の実用化が進み、炸裂さくれつ弾や榴弾りゅうだんといった... 2025.03.29 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第374話 『中居屋重兵衛と三野村利左衛門。牧田孫兵衛……』 慶応二年三月十五日(1866年4月29日) 大村藩邸の応接間で、次郎と中居屋重兵衛が向かい合って座っていた。 障子越しに差し込む陽光が、畳の上に柔らかな影を落としている。「久しいな、大村の海軍伝習課程を卒業して以来ではないか」 次郎はほほえ... 2025.03.28 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第844話 『渓谷の戦い』 慶長二年十月二十九日(西暦1597年12月20日)「隊長~。いつまで続けるんすか? もう2か月たちますよ」 スペイン王国ペルー副王領の兵士が愚痴をこぼした。 ビルカバンバのインカ帝国残党に対する攻撃部隊の兵士である。 インカ帝国は、1533... 2025.03.27 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第843話 『アステカとビルカバンバ』 慶長二年八月十九日(西暦1597年9月30日) 小樽鎮守府から北米大陸西岸の探険結果と、スペイン探検隊との遭遇に関する報告が届いてから、1年半が経過している。 探険の拠点はアンカレジであったが、その後アラスカ州シトカに新たな拠点を建設した... 2025.03.25 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第842話 『純勝の帰郷と対スペイン』 慶長二年七月七日(西暦1597年8月19日) 蒸気船の導入により、海路での航行が格段に速くなり、東北から諫早まで1か月半もかからずに往復可能となっていた。 東北だけでなく世界各地に給炭地を整備し、蒸気機関や船体の改良を経て、諫早からリスボ... 2025.03.24 八紘共栄圏を目指して
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』 第48話 『修一の仮説』 2024年12月10日 SPRO内「石板には、こう書かれている」 修一の言葉が研究室内に響くと、静寂が訪れた。石板の解読結果は全員の予想をはるかに超えていたのだ。『時空を超える鍵は、三種の神器にあり。鏡は過去への門、剣は現在を司り、玉は未来... 2025.03.21 『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』
八紘共栄圏を目指して 第841話 『調略』 慶長二年五月二十三日(西暦1597年7月7日) 「さて直茂よ、わが国は明国と講和しているわけだが、無論このままではいかん。いずれ明が力を回復すれば、再び大陸統一の野望を抱くやもしれんからの」 純正は居並ぶ戦略会議室の面々を前にして、直茂に言... 2025.03.21 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第840話 『3年後の紫禁城』 慶長二年四月八日(西暦1597年5月23日) 肥前国と講和した明国であったが、国内経済は依然として疲弊しており、復興にはほど遠い状態であった。 加えて寧夏国の独立による国土の割譲、膨大な戦費を浪費した楊応龍の乱の鎮圧は、明国にさらなる苦痛... 2025.03.19 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第369話 『かき集める』 慶応元年十二月一日(1866/1/17) 駐日ロシア領事エヴゲーニイ・ビュツォフとの約束の期日が過ぎていたが、次郎は適当な理由をつけて延期してもらった。 年末でもあり、ロシア側も早めに進めたい意向があるとはいえ、数か月の猶予があったためで... 2025.03.18 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第839話 『あり得ぬこと』 慶長二年二月二十二日(1597/4/8) ポルトガル リスボン 肥前国大使館「ほう……謝罪ですか」 謝罪の言葉では足りないが、国の威信と誇りに関わる問題だと親ちかしは考え、もう少し話を聞いてみようと思った。 それにしても、グスマンの変わり身... 2025.03.17 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第338話 『くすぶる火種、されど購入は決まりけり?』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 夜「安藤様、真にあのままで良かったのですか?」 小栗上野介と渋沢篤太夫、大村純顕と太田和次郎左衛門が下城した後の御用部屋での会話である。 板倉勝静や稲葉正邦ら老中院の面々は、安藤... 2025.03.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第337話 『是非』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋 全員が話すのを止め、辺りを静寂が包むのを次郎は待つ。 おもむろに安藤信正に正対し、居住まいをただした。「金山の儀につきましては、ひとえにそれがしの不徳のいたすところにございます。... 2025.03.14 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第366話 『買うべきか買わざるべきか。大問題発生』 慶応元年十一月三日(1865/12/20) 江戸城 御用部屋『賠償金の総額が293万3千ポンドのため、残額は262万8千11ポンドとなった。正直なところ全額もらっても大村藩としては赤字である。大砲を製造して各所の台場に大砲を設置、同じく艦艇... 2025.03.12 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第836話 『明の内情と三国志』 慶長二年一月六日(1597/2/22)「なんと! それで明け渡したのでございますか?」「明け渡したのではない。そもそも誰の領土でもなかったであろうが」 大陸から戻ってきた純正に対して直茂が問いかけた。新年早々小言は勘弁してくれといわんばかり... 2025.03.11 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第365話 『無理か可能か、有益か無益か』 慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸 磐城平藩 藩邸「何ですと! 次郎殿が然様さように仰せになったのですか」 藩邸にひそかに呼ばれた小栗上野介は、安藤信正の話を聞いて驚いた。「うむ。英国との戦の前にロシアとの駆け引きで蔵人くろう... 2025.03.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第835話 『建州沿岸と豆満江』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)夜 へトゥアラ <小佐々純正> オレたちは問題が解決するまで滞在することになり、宿舎に案内された。『お互いに戦うつもりはない。じっくり腰を据えて話し合おう』 ヌルハチの提案を受けて、居室で一人考え事を... 2025.03.09 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第364話 『幕閣のアラスカ購入論議』 慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸城 御用部屋「やれやれ、朝廷にも困りましたな」「然様さよう、いかに公儀の力を強めるための公武合体とはいえ、いささか度が過ぎるのではありませぬか?」「然さりとてこたびの英国との戦に際して、丹後守... 2025.03.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第834話 『関白太政大臣小佐々純正の大義』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)へトゥアラ「なぜそこまで領土を広げる必要があったのですか? 日本だけでは足りなかったのですか? 倭寇わこうは途絶えて久しいし、日本に攻め入る国もない。琉球や朝鮮と交易すればよかったのでは? 呂宋やアユ... 2025.03.07 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第833話 『遼東では足りぬのか、沿海州では足りぬのか』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)へトゥアラ「はっきり言っておきますが、余は肥前国はもちろん、その冊封国である朝鮮と戦うつもりはありませんぞ」 ヌルハチはそう言って純正の言葉を待った。「戦うつもりがないのであれば、なおさら兵を引き上げ... 2025.03.05 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第362話 『賠償金の振り分けとアラスカと万博』 慶応元年九月七日(1865/10/26) 証人喚問も終わり、イギリスとの賠償金交渉も終わった。 しかしこれは、あくまでも終戦。 イギリスとは断交状態である。 ガウワーは賠償金の一括支払いをもって国交の回復を要望してきたが、次郎は一蹴した。 ... 2025.03.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第832話 『何をもって領土とするか』 慶長元年十一月十四日(1597/1/2)肥前国彼杵そのぎ郡 佐世保湊みなと『失礼いたします! こおおおおぉぉぉぉぉぉぉのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおお馬鹿者があああああ!』「そんな感じで殿下の前で、自分の息子を力いっぱいぶん殴ったのよ」「へえ…... 2025.03.03 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第361話 『市中引き回しの上磔・獄門。そして減額交渉』 ~慶応元年八月十八日(1865/10/7)「さて皆さん、こちらの御三方ですが、どうすべきでしょうか? もし日本の法でとなると、市中引き回しの上磔はりつけか獄門になるでしょうなあ……」 次郎は笑うでもなく淡々と話し、オランダ・フランス・アメリ... 2025.03.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第831話 『豆満江からウラジオストク』 慶長元年九月十日(1596/10/31)「長官、なんの変哲もございませんな。海沿いに砦と言えるような代物はありませんぞ」「うむ」 海軍大臣長崎甚左衛門純景からの命令で、佐世保を母港とする第一艦隊は豆満江河口周辺を索敵していた。同時に豆満江ト... 2025.03.01 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第830話 『地震のその後と内憂外患』 慶長元年九月一日(1596/10/22)大日本国仮設政庁 災害復興会議 地震の被害状況で言えば、発生から2か月弱しかたっていなかったが、天正地震に比べると雲泥の差があった。天正地震の際にも対策は実施されていたが、完成度が違った。 畳三畳分の... 2025.02.27 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第359話 『パークスと大英帝国の威信、そして黒幕オールコック』 慶応元年六月二十七日(1865/8/18) 琉球 次郎はニールの言葉を聞いて深く考え込んだ。 イギリスから正式な調査団への協力があったのは事実である。しかしそれ以前の非公式な動きを日本側が情報を秘匿していたのもまた、事実なのだ。 もっとも情... 2025.02.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第829話 『領土開発省と慶長大地震』 慶長元年閏うるう七月九日(1596/9/1) 純正は肥大化する領土経営の効率化のため、領土開発省大臣の日高甲斐守喜と行政区画の再編成を協議していた。 まずは台湾と東南アジアであるが、これはあくまで領土開発省の管轄であり、陸海軍の管理地域とは... 2025.02.25 八紘共栄圏を目指して
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第358話 『ニールの覚悟』 慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球 次郎の言葉が、重苦しい空気の中に響く。 その意味するところを、3人の英国人は瞬時に理解した。これは単なる事情聴取ではない。彼らの立場を左右する重大な場であることを、改めて認識したのだ。 オー... 2025.02.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第357話 『アーサーの告白と英国外交文書』 慶応元年六月二十六日(1865/8/17) 琉球「パークス領事、あの時あなたも首をかしげていたではありませんか。なぜ英国人の仕業だとわかるのだ、と」 ……確かに。 パークスはアーサーと交わした会話を思い出す。「……」 YesともNoとも言わ... 2025.02.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
八紘共栄圏を目指して 第828話 『ポルトガルの戦略と反乱の狼煙』 慶長元年五月十七日(1596/6/12) リスボン「さて、宰相。この状況をどう見る?」 セバスティアン1世は大西洋の地図を見ながら、宰相のクリストヴァン・デ・モウラに質問していた。 ヨーロッパからアメリカ大陸にかけての地図だ。5月の中旬に... 2025.02.23 八紘共栄圏を目指して