家老

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第459話 『鹿児島での対峙と将軍家茂』

慶応四年十二月二十日(1869年2月1日) 鹿児島へ向かう船上 <次郎左衛門> さーて、どうしたもんかな。 馨かおるや俊輔にはああ言ったけど、あれはあくまで方便みたいなもんだ。 あいつらきっと『大村藩はオレたちの味方だ』なんて思い込んだまま...
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第458話 『時と場合』

慶応四年十二月十日(1869年1月22日) 周防国 三田尻「御家老様、三田尻の港が見えてまいりました」 供の助三郎の声に次郎は我に返る。船室の窓に目をやると鉛色の空の下に長州の陸地が横たわっていた。「そうか。出迎えはあるかな」「井上馨殿が直...
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第457話 『グラバーと薩長』

慶応四年十二月八日(1869年1月20日) 京都 大村藩邸 次郎は江戸での諸外国への説明対応を終わり、幕府への引継ぎをした後に京都へ戻っていた。 戻ってきたの表現がしっくりくるほど、京都と江戸、大村を行き来している。 多忙な大村藩の家老であ...
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第456話 『スコットランド商人のささやき』

慶応四年十一月中旬(1868年12月下旬)「おや、井上さあと伊藤さあじゃなかと? どげんしたと?」 開国の影響を受けて西欧と東洋の文化が混在する国際都市長崎で、出島の多様な商業活動の騒音から距離を置いた丸山の静寂に包まれた高台に、その料亭は...
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第453話 『武備恭順 ~長州藩、復讐への道筋~』

慶応四年十月二十七日(1868年12月10日) 周防国 山口城 周布政之助の死は、長州藩に重苦しい影を落としていた。 慶喜の政治的裁定によって藩の重臣が命を絶たれた事実は、藩士たちの心に幕府への消えぬ憎悪を刻み付けたのである。藩庁の空気は悲...
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第452話 『三権分立と薩長の離反』

慶応四年十月二十日(1868年12月3日) 京都 大村藩邸  京都の混乱が一応の決着を見てから六日が過ぎ、徳川慶喜の政治的手腕によって表面上は秩序が回復したかに見えた。 しかし次郎には、この平穏が砂上の楼閣に過ぎないと分かっている。 三権分...
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第448話 『長州を救う密約』

慶応四年九月三日 夜更け 京都 大村藩邸 日付がまさに変わろうとする刻限であった。 自室に長州藩の家老・周布政之助と重臣・久坂玄瑞を残し、次郎は純顕の私室へと続く廊下を速足で進んでいく。 静まり返った屋敷に、次郎の足音だけが響いた。その歩み...
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第447話 『周布と久坂』

慶応四年九月三日(1868年10月18日) 夜の闇が三条小橋界隈の小さな居酒屋にまで忍び寄っていた。 行燈の頼りない光が、店内にいる数人の男たちの顔をぼんやりと照らしている。 昼間に藩邸で『弾圧停止の約束』を取り付けたとの知らせを受け、束の...
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第446話 『守護職弾劾』

慶応四年九月二日(1868年10月17日)「御用改めである! 神妙にいたせ!」 けたたましい怒鳴り声と共に、旅籠の部屋の障子が無残に蹴破られた。 月明かりを遮って現れたのは浅葱あさぎ色の羽織をまとった新選組の隊士たちである。抜き身の刀が行燈...
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第445話 『第一回貴族院と事件』

慶応四年八月下旬(1868年10月) 京・小松帯刀たてわき邸 庭に落ちる影が、ゆっくりと西へ傾き始めていた。 帯刀は大久保利通が去った後、数日間にわたって一人部屋に籠もって考え込んでいる。 大久保が示した策は暗闇を照らす希望の光にも見えれば...
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第444話 『公儀政体党』

慶応四年八月十五日(1868年9月30日) 京・薩摩藩邸「和戦両様? 詳しゅう申せ、帯刀たてわき」「は」 久光の低い声には未だ納得できない苛立ちが表れている。帯刀は主君の視線を真っ直ぐに受け止め、覚悟を決めて口を開いた。「は。まず『和』ん道...
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第443話 『公儀の影』

慶応四年八月十三日(1868年9月28日) 京・大村藩邸 小御所での嵐の朝議から二日が経過した。 次郎が心血を注いで起草した『重要技術管理法案』は、帝の裁可を経て正式に布告される段取りとなり、その知らせは京の有力者たちの間に静かだが確実な波...
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第440話 『典薬寮と理化学研究所』

慶応四年五月四日(1868年6月23日)「脚気衝心かっけしょうしん……にございますか。にわかには信じがたい診立てですな」 藩医は困惑した表情で首をひねっている。 薩摩藩邸に戻った小松帯刀は、藩医に大村藩病院での診断結果を報告していた。 横に...
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第437話 『投げられた賽・朝廷と幕府』

慶応四年五月一日(1868年6月20日) 京の空は朝から低い雲に覆われていた。 禁裏御守衛総督屯所の一室では、他とは一線を画す重厚な緊張感が満ちている。 部屋の中央には総督の一橋慶喜。 目の前には大村藩邸からもたらされた一通の書状が置かれて...
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第436話 『科学の目』

慶応四年四月二十五日(1868年5月17日) 洛中らくちゅう同時多発火災から数日後、容疑者の実行犯4名の男たちが捕縛された。 幕府、薩摩、長州、公家くげの全勢力に恨みを持つ者たちが同時に事件を起こし、人々に深い困惑をもたらしたのである。 こ...
一強からの変化

第892話 『是非もなし』 

慶長五年四月二十三日(西暦1600年6月4日) 大阪政庁 近江から昼夜を問わずに駆け続けた信則と氏郷は、ようやく大阪政庁に到着した。 和議への最後の望みをつなぐため、彼らは疲労した体に鞭むち打ってここまで来たのである。 肥前国の役人に案内さ...
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第433話 『混迷の小御所会議:慶喜の貴族院構想と各藩の思惑』

遡って大村藩邸での会合の後――。「お見事でございます。これにて万事、滞りなく相成りました」 永井尚志なおゆきはわずかな笑みを浮かべて慶喜に言った。「ふん」「頭を下げて事が良き方へ流れるならば、いくらでも下げれば良いのです。然さりながら殿が行...
一強からの変化

第889話 『深夜の脱出』

慶長五年四月十日(西暦1600年5月22日) 深夜 岐阜城 半月の夜だった。 岐阜城はまるで巨大な獣が寝息を殺しているかのように、深い静寂に包まれている。 だが、その静寂は張り詰めた弦にも似て、いつ切れてもおかしくない緊張をはらんでいた。 ...
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第430話 『どんな手を使っても』

慶応四年(明治元年)三月二十八日(1868年4月20日)  先般、大老院解散の儀、我が言に配慮なきゆえに貴殿の気を害せし事、我が不徳に御座候。 然しかれども、幕府が日本を差配する大義に揺らぎ無く、此度こたび改めて帝より大政委任の宣旨を賜り候...
一強からの変化

第887話 『座して死を待つか』

慶長五年四月二日(西暦1600年5月14日)  春の柔らかな日差しとは裏腹に、織田家とその同盟国が治める地は、静かに、しかし確実に壊死えしし始めていた。 肥前国資本の生産業者が一斉に撤退してから、わずか1か月後である。 当初の『暴動寸前の騒...
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第429話 『壮大なる根回し』

慶応四年(明治元年)三月十日(1868年4月2日) 弘前城「大老院の解散、真まことに公儀のなさる事はよう分からぬ。薩摩の考えで設けられ、互いの考えが合わぬとか、悪口雑言飛び交ったとか。それと此度こたびの来訪は関わりがあるのか?」 雪解けの気...
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第427話 『薩長』

慶応四年(明治元年)三月五日(1868年3月28日) 鹿児島城「そもそも、今に始まった話では無いわ」「は」 鹿児島城内では、江戸城での一件で激高して帰ってきた島津忠義と、その父である久光、そして淀よど屋や清兵衛の三者が会談していた。 久光の...
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第425話 『決別か否か』

慶応四年(明治元年)二月二十八日(1868年3月21日) 江戸城「はて、それがしは何も話す事はございませぬ。次郎、そうであろう」「は、はは……」 次郎は、ここは純顕に任せた方がよいと考えたのか、相づちをうったのみである。「安藤殿、中納言様、...
一強からの変化

第881話 『密書と各州』

慶長四年十一月十二日(西暦1599年12月29日) 能登 七尾城「何、書状じゃと?」「は、岐阜の宰相武井十左衛門からそれがしへの書状にございます」 武井十左衛門は織田の重臣であったが、それでも直接他家の当主に手紙は送れない。 そのため、同じ...
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第407話『鉄を繋ぐ火花』

慶応三年五月二十日(1867年6月22日)万博会場 まだ多くの市民が眠りについている早朝、大村パビリオンでは特別な準備が進められていた。 今日は一般公開ではない『限定技術展示』の日。欧州の鉄鋼業関係者や技術者だけを招待したデモンストレーショ...
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第405話 『武士の商人化、商人の武士化』

慶応三年五月十八日(1867年6月20日)フランス・パリ パリ万博の日本パビリオン内に設けられた小さな会議室。 緊張感と熱気が入り混じる空間で、渋沢栄一主催の研究会が始まろうとしている。 この集まりは、当初大々的に開かれる予定であったが、現...
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第403話 『通信革命』

慶応三年五月十五日(1867年6月17日)パリ 朝方、日本パビリオンから叫び声が上がった。 警備を担当していた藩士が、息を切らして次郎のもとへ駆け込んでくる。「た、大変です! 大変です! 御家老様!」 次郎は慌てて起き上がり、部下の報告を聞...
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第402話 『空への挑戦』

慶応三年五月十三日(1867年6月15日)フランス・ブローニュの森 朝露がまだ残るブローニュの森に、異様な熱気が漂っていた。 パリ市民の憩いの場であるこの広大な森林公園の一角に、特別な設備が整えられているのだ。 高台にある長い滑走路状の平た...
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第397話 『パリへの道』

慶応三年五月六日(1867年6月8日)フランス・セーヌ川・シュレーヌ ル・アーヴルから6月5日に出発した日本の遠征隊は、約340キロメートルのセーヌ川を遡上する航行の4日目を迎えていた。 夜間の航行は危険なため、日の出から日没までの約12時...
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第396話 『潜水艦と少年』

慶応三年五月二日(1867年6月4日)フランス ル・アーヴル パリ万博に二ヶ月遅れて参加となった日本遣欧団は、艦隊をフランスのセーヌ川河口にある港町ル・アーヴルまで進ませた。 潜水艦『大鯨』と水雷艇『神雷』のえい航索を切り離し、万博の参加要...
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第394話 『再会、そして再出発』

~慶応三年一月十九日(1867年2月23日)プリンスエドワード島「おお! 司書よ! 繁太郎も無事か! 良かった。……本当に良かった」 南東方面の探索にあたっていた『知行』をはじめとする分艦隊六隻は、入り江に投錨とうびょうして上陸を開始してい...
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第393話『大鯨と神雷』

慶応三年一月八日(1867年2月12日)喜望峰沖 荒れ狂った嵐は二日後には収まり、何事もなかったかのような晴天である。日本艦隊は旗艦『知行』を中心に、洋上に停泊していた。 ・大村藩海軍旗艦『知行』 ・同型の二番艦『大成』 ・同補給艦三隻 ・...
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第385話 『バタヴィアでの決断』

慶応二年十月二十四日(1866年11月30日) ごう音と共に、暗雲が艦隊を覆い尽くした。「縮帆! 備えよ!」 顕武の命令がすぐさま甲板の乗組員に告げられる。 雨音はさらに大きくなり、声がかき消されそうなほどだ。「隼人助(大村艦隊司令)、スコ...
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第383話 『仏領コーチシナ』

慶応二年十月十日(1866年11月16日) 次郎はこの航海を終えた後、幕府に願い出て海軍士官の練習航海を年に一度実施しようと考えていた。 幕府海軍にも必要だろうが、今後、日本が近代国家として列強と渡り合っていくには見聞を広める必要がある。 ...
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第374話 『中居屋重兵衛と三野村利左衛門。牧田孫兵衛……』

慶応二年三月十五日(1866年4月29日) 大村藩邸の応接間で、次郎と中居屋重兵衛が向かい合って座っていた。 障子越しに差し込む陽光が、畳の上に柔らかな影を落としている。「久しいな、大村の海軍伝習課程を卒業して以来ではないか」 次郎はほほえ...
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第373話 『その後』

慶応二年一月二十四日(1866年3月10日) 京都病院「まずは気道の確保、それから酸素投与だ」 一之進は洪庵の顎を持ち上げ、気道を確保する。 助手はすぐにガラス容器とチューブ、マスクを組み合わせた原始的な酸素吸入器を装着した。シュコシュコと...
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第372話 『公議輿論のその先と京都病院』

慶応二年一月二十四日(1866年3月10日) 京都 明保野亭「まったく、なにゆえ斯様かよう(このよう)な世となってしまったのだ」 数名の武士と酒を酌み交わし、愚痴をこぼしているのは清河八郎である。清河の実家は裕福な商家であり、彼の行動資金の...
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第364話 『幕閣のアラスカ購入論議』

慶応元年十一月二日(1865/12/19) 江戸城 御用部屋「やれやれ、朝廷にも困りましたな」「然様さよう、いかに公儀の力を強めるための公武合体とはいえ、いささか度が過ぎるのではありませぬか?」「然さりとてこたびの英国との戦に際して、丹後守...
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時系列・あらすじ

以下、旧暦表示。随時更新します。1837年天保7年11月: 50歳の男が幕末の大村藩下級藩士に転生。若い妻と息子がいる状況に戸惑うが、純顕と純熈に仕え、列強に対抗する決意を固める。前世の記憶を頼りに、激動の幕末を生き抜こうと覚悟する。天保7...
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第322話 『国外退去ならびに臨戦態勢』

文久四年三月四日(1864年4月9日) 「急ぎなさい。私が戻るかオールコック前公使が戻るか分からないが、正直なところ良い思い出がない。できればあまり関わり合いたくない国だがな」 駐日イギリス代理公使のエドワード・セント・ジョン・ニールは、執...
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第319話 『アラスカ売却交渉とロシア太平洋艦隊のネーバルプレゼンス』

文久三年十二月十一日(1864年1月19日) 箱館「ほう……これはまた、珍しい。何かの交渉ならば、ぜひお手柔らかに願いたいものですな」 駐日函館ロシア領事のヨシフ・アントノヴィチ・ゴシケーヴィチは、決して良い思い出とは言い難い相手と、再び交...
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第317話 『江戸の備えと江川英敏』

文久三年十一月十二日(1863年12月22日) 「はい、では大きく息をすって、吐いて~」 韮山代官の江川太郎左衛門英敏は、父の後を継いで農兵育成・反射炉の完成・爆裂砲弾の作成などを次々に推し進め、それと並行して江戸湾の海防を担う大役を背負っ...
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第299話 『帰途』

文久二年九月二日(1862年10月24日) 上海沖「もうちっと居たかった気もするが、仕方ねえか」「晋作さん、仕方ないですよ。御家老様と御公儀からの命となれば、逆らえません」「そうか……僕にとっては狭い日本より随分と暮らしやすいと思うのだが…...
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第298話 『埠頭の攻防とそれぞれの思惑』

文久二年九月一日(1862年10月23日) 夜 上海 埠頭ふとう「rukko! eh log chor nahin! (待て! ちょっと! 人たち、あれ、犯人、違う!)」「おお晋九郎! 遅いぞ! 何やってたんだ!」 息を切らしながら説明して...
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第297話 『謎の男、その正体と目的』

文久二年九月一日(1862年10月23日) 夜 上海 埠頭ふとう バシャ! バシャ! バシャ! 「おいおいおい……こりゃあ御家老様が襲われた時よりひどいじゃないか」 騒ぎが収まるまで待っていたのだろう。 銃声がやみ、清国人(紅幇ほんぱん)数...
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第295話 『イギリス租界と2人の行方』

文久二年八月二十一日(1862年9月14日) 肥前 川棚港「なんじゃこのどでかい船は……平三、本当にこれで間違いないのか?」「はい、これで間違いございません」 男は使用人の男に聞いた。 乗る予定の船は、聞いていた普通の客船ではなかったのだ。...
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第294話 『交渉開始とイギリスの魔の手』

文久二年八月十九日(1862年9月12日) |玉蘭閣《ぎょくらんかく》「なるほど。で、イギリス人の旅行客が巡撫じゅんぶだか知府だかの……ああ、大名って言うんだったか。その行列を遮って進もうとして、その2人が銃を撃ち、他のイギリス人が無礼を働...
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第292話 『フランス租界と青幇』

文久二年八月十九日(1862年9月12日) ホテル『宏記洋行』 夕方 「おい! 晋作は何処いずこだ! まったくあいつは読めん! 何をしているのだ?」「申し訳ありません。昼まではいたのですが、ちょっと目を離した隙にまかれました……」 中牟田倉...
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第291話 『上海租界とリボルバー』 

文久二年八月十八日(1862年9月11日) 上海 フランス租界 ホテル『宏記洋行』  部屋には佐賀藩の中牟田倉之助、薩摩藩の五代友厚、そして大村藩士の峰源助がいた。彼らは皆、晋作と同じく通商のために上海に来ていた同志である。「おお、晋作君か...
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第283話 『生麦事件のその後とエイガー機銃とアームストロング砲』

文久二年七月二十一日(1862年8月16日) イギリスの狙いは薩摩藩ではなく、幕府の弱体化と各藩の対立であった。事件は日本全体の混乱を狙ったもので、薩摩藩は標的ではなかったが、結果的に巻き込まれたのだ。 日本は国際法に則ってヒュースケンの殺...