一強からの変化 第877話 『新生 大日本国と信長』 慶長四年十月四日(西暦1599年11月21日)「斯様かような仕儀にて、ここにいたっては、乱れ騒ぎし策も立たず(混乱の解決策もなく)、殿下にご足労いただくほかないと愚考した次第にございます」 純正の御前で平伏しているのは、1か月半前から大日本... 2025.06.12 一強からの変化
一強からの変化 第876話 『佐世保電信開通と大日本国の動向』 慶長四年八月十五日(西暦1599年10月4日) 肥前国佐世保「接続完了!」 太田和源五郎の声が、佐世保の電信局に響き渡った。 諫早から佐世保まで、約56.5kmにわたって敷設された電信線が、ついに開通したのである。 当初は4月に完成予定だっ... 2025.06.10 一強からの変化
一強からの変化 第875話 『純正とフレデリックの密談と協定』 慶長四年七月二十八日(西暦1599年9月17日) 諫早城・純正私室「申し訳ありません、フレデリック殿下。本日の電信施設見学は急きょ延期とさせていただきたく」 純正は朝食後にフレデリックを私室に呼び、予定の変更を告げた。昨夜、一晩中考え抜いた... 2025.06.08 一強からの変化
一強からの変化 第874話 『世界技術・学術同盟』 慶長四年七月二十七日(西暦1599年9月16日)午前「殿下、和蘭(オランダ)の蒸気船から煙が上がっております!」 突然、諫早城の見張り台から報告が入った。 純正は書斎でマウリッツからの親書を読み返していたが、慌ただしい足音と共に直茂が駆け込... 2025.06.06 一強からの変化
一強からの変化 第873話 『金色の時計』 慶長四年七月二十六日(西暦1599年9月15日) 諫早城<小佐々純正> あー、眠……。 オレはコーヒーを飲み干しておかわりを頼み、立ち上がって伸びをする。それから頭の上で手を組んで、左右に体を伸ばした。 次に、前屈して腕を前にやろうとする。... 2025.06.03 一強からの変化
一強からの変化 第872話 『オラニエ公マウリッツからの使者』 慶長四年七月二十五日(西暦1599年9月14日)諫早城「申し上げます殿下! 諫早の湊みなとに蒸気で動く汽帆船。我が国の船ではなく、横に上から赤、白、青の三色の旗を掲げています!」 急ぎ足で入ってきた伝令の報告に、居室に居合わせた全員が息をの... 2025.06.02 一強からの変化
一強からの変化 第871話 『遠国からの知らせ』 慶長四年七月二十五日(西暦1599年9月14日)「暑い、暑い……今年は残暑が厳しいのではないか」 大陸では女真とモンゴルの争いが激化するなか、純正は諫早城の居室で、うちわをあおぎながら愚痴を言っていた。 それでも、諫早城内では各所に蒸気機関... 2025.05.31 一強からの変化