軽挙妄動

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第450話 『沙汰と黒幕』

慶応四年九月六日(1868年10月21日) 新選組の屯所で、土方は取り調べを続けていた。 しかしいっこうに進展はない。 一方には京都見廻みまわり組の隊士たち、もう一方には長州藩士たちがいる。「我らは何もしておらぬ。祝い酒の帰りに歩いていただ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第449話 『料亭の凶刃』

慶応四年九月四日 夜半 京都 京都守護職屋敷「……近藤、土方をここへ」 執務室の静寂を破ったのは、松平容保の低くしぼり出すような声だった。 近習が息をのんで退出すると、部屋は再び沈黙に包まれる。燭台しょくだいの炎が揺れ、机の前に座っている容...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第448話 『長州を救う密約』

慶応四年九月三日 夜更け 京都 大村藩邸 日付がまさに変わろうとする刻限であった。 自室に長州藩の家老・周布政之助と重臣・久坂玄瑞を残し、次郎は純顕の私室へと続く廊下を速足で進んでいく。 静まり返った屋敷に、次郎の足音だけが響いた。その歩み...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第425話 『決別か否か』

慶応四年(明治元年)二月二十八日(1868年3月21日) 江戸城「はて、それがしは何も話す事はございませぬ。次郎、そうであろう」「は、はは……」 次郎は、ここは純顕に任せた方がよいと考えたのか、相づちをうったのみである。「安藤殿、中納言様、...
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第257話 『戦後処理その2:前言撤回』

文久元年四月七日(1861/5/16) 対馬「では杉村殿……いや、佐須伊織殿とお呼びしたほうがよろしいかな」「ご随意に」「では伊織殿、ロシアに船の補修と補給のための物資は与えたが、必要以上の上陸や測量などは許していないと?」「無論にござる。...
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第226話 『島津斉彬と出兵上洛』

安政五年十月二日(1858/11/7) 鹿児島城「おお、よくぞ参った。次郎左衛門よ。丹後守殿はご承知なされたか?」 島津斉彬の第一声である。 斉彬の目的は挙兵して幕府に対して明確な反対の意を表し、まだ朝廷より宣下を受けていない家茂を廃して慶...
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第118話 『そのころの幕府と薩長土肥と他の藩、次郎左衛門の川越来訪』(1849/11/11) 

嘉永二年九月二十七日(1849/11/11) 江戸城 <阿部正弘> さてさて、いかがしたものか。かくも多くの障り(問題)があれば、なにを初めにやれば良いのかすら、わからぬようになってくるぞ。三月には長崎にメリケン船が来おったし、四月にはエゲ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第427話 純正上洛ス 将軍義昭二問フ

元亀元年 十一月一日 京都 室町御所 発 純久 宛 近衛中将 秘メ 公方様ヘ 宇喜多ノ 使者 謁見セリ 御教書ヲ 当家 ナラビニ 毛利 山陽 山陰 各大名ニ 送ルトノ 風聞アリ 内容ハ 播磨、美作、備前ノ 輩ハ 毛利ノ家人 タルベシ トノ事...
新たなる戦乱の幕開け

第394話 六分儀の完成と、果てしなき正確な時計への渇望

元亀元年(1570) 三月 諫早城 三好日向守(長逸)殿、並びに三好下野守(宗渭)殿、岩成主税助(友通)殿 既に御聞きと存じ候えども、先の先の将軍を弑し奉りし大罪のため、御幕府より追討の命を受け候。その執行はそれがしの一任となる旨、肝に銘じ...
西国の動乱、まだ止まぬ

第359話 内城での会議 義虎と国人四人 反乱すべきかせざるべきか

永禄十二年 十月二十五日 薩摩(鹿児島) 内城 巳一つ刻(0900) 上座には宗家当主の島津義久が座り、向かって右手に次兄の義弘、三男の歳久が座っている。左側は家久である。薩州島津家は一門衆であるので上座に近い方に島津義虎が座っている。 島...