信長と純正、そして教え子たち 第920話 『帰路』 慶長八年七月十日(西暦1603年8月16日)「これで、欧州での務めは全て終わったな」 テムズ川を下る御座船(遣欧艦隊旗艦)の甲板で、純正は小さくつぶやいた。 数か月に及んだ欧州歴訪の最後を飾るロンドンの街並みが、灰色の空の下でゆっくりと遠ざ... 2025.09.14 信長と純正、そして教え子たち
信長と純正、そして教え子たち 第919話 『ジェームズ1世とロバート・セシル』 慶長八年七月四日(西暦1603年8月10日) イギリス ロンドン エリザベス1世は1603年3月24日に崩御(69歳没)して、1603年4月28日に埋葬されていた。 葬儀には駐英日本領事館から参列していたが、今回は純正と純勝、皇帝と皇太子の... 2025.09.13 信長と純正、そして教え子たち
信長と純正、そして教え子たち 第917話 『ラ・ロシェルの屈辱』 慶長八年五月二十五日(西暦1603年7月4日)フランス ラ・ロシェル港 3国をつなぐ電撃の結婚式が終わって、リスボンを発った蒸気船は北海をめざして航路を取っていた。 ビスケー湾は夏とはいえ海煙が濃く、陰鬱な灰色の波が船体を洗っている。 フレ... 2025.09.08 信長と純正、そして教え子たち
信長と純正、そして教え子たち 第900話 『黄金の国の飢餓』 慶長五年(1600年)十一月 新生インカ帝国首都 クスコ「……まだ、来ないのか」 絞り出すような声が、がらんとしたクスコの玉座の間に響いた。 皇帝トゥパク・アマルの言葉は、問いかける相手もいないまま、高く冷たい石の天井に吸い込まれて消える。... 2025.08.02 信長と純正、そして教え子たち
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第392話 『喜望峰沖の嵐』 慶応三年一月六日(1867年2月10日)喜望峰沖 大村藩海軍艦艇『知行』を旗艦とする日本国万博遣欧艦隊は、南緯三十八度、喜望峰沖の海上を進んでいた。 夕暮れの空は一面灰色の雲に覆われ、海面は不自然なほど静まりかえっている。「嵐の前の静けさだ... 2025.05.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第348話 『賠償金の多寡』 元治元年十一月六日(1864/12/23) 会見終了後~「では、今回の会談において決まったことをお知らせします」 次郎はほぼ毎日記者会見を開いている。同時に会見で話した内容を記録し、それを各国の公使館へ配布することも忘れない。 新聞記者は当... 2025.02.05 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
東アジアの風雲 第776話 『海軍と朝鮮水軍と李舜臣』 天正二十一年三月一日(1592/4/12) 漢陽(ソウル)外港 済物浦(仁川) 灰色の空の下、済物浦付近は異様な緊張感に包まれていた。 静かに波音を立てる水面に、大小様々な船がひしめき合っている。その中心に鎮座する巨大な黒い船体。煙突から... 2024.12.05 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第755話 『肥前銀行と大日本国銀行』 天正十八年十月九日(1589/11/16) 灰色の雲に覆われた空の下、肥前国諫早において大日本国銀行監査総監の近江屋治郎右衛門は、随員20名を従えて肥前銀行本店に到着した。 5層の巨大な蔵造りの建物群は、それ自体が1つの街区を形成してい... 2024.10.23 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第66話 『一度目の試射』(1845/5/23) 弘化二年四月十八日(1845/5/23) 玖島くしま城下 <次郎左衛門>「お前様、もう、よいのではありませんか……。わたくしはもう、構いませんよ」「え? 何が?」どうしたんだ? 静。怒っているようには……見えないけど……んん?「何が、ではあ... 2024.03.31 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
Uncategorized 第190話 工部省筆頭技術者 鬼才 国友一貫斎 永禄十一年 七月 工部省 技術研修室 国友一貫斎(いっかんさい) わしの名は二代目国友一貫斎。 小佐々家工部省、技術開発局の筆頭技術者だ。もう三十前だが結婚もせず(やかましいわ!)、研究一筋で独身を貫いている。 むかし、といっても五~六年... 2023.05.29 Uncategorized
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート 第27話 神!まじ神!!おばあちゃんの知恵袋 さて、さっきの四項目にいろいろと当てはめて考えてみよう。 一、重要で緊急性の高い仕事。 二、緊急ではないけれども重要度が高い仕事。 三、重要度は低いけれども緊急性が高い仕事。 四、重要度と緊急性が低い仕事。 この中で重要な事、それは生き残る... 2023.04.14 二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート