信長と純正、そして教え子たち

第919話 『ジェームズ1世とロバート・セシル』

慶長八年七月四日(西暦1603年8月10日) イギリス ロンドン エリザベス1世は1603年3月24日(69歳没)で、1603年4月28日に埋葬されていた。 葬儀にはイギリスの日本領事館から参列していたが、今回は純正と純勝、皇帝と皇太子の訪...
『自宅のトイレが異世界に!転生者の美女2人と男1人に出会ったので、現代技術を使って産業革命を起こすことにしました』

第3話 『美(少)女、アンナ』

異世界歴〇〇年〇〇月〇〇日=2025年9月6日(土)17:57 <田中健太・52歳> ――ぼっとん(くみ取り式)便所だった。 間違いない。 昨夜と同じ強烈な臭いとカビと湿った土の臭い。 泥でくっつけたような石壁とひび割れた石畳の床……。何か...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第19話 『海上警備行動』

令和9年8月3日(2027年8月3日)15時05分 首相官邸 橘たちばなの所信表明演説が国会で終わったのが午後1時過ぎである。官邸が演説成功の祝賀ムードから解放され、通常の業務に戻ろうとしていた矢先だった。 「尖閣諸島、魚釣島北西沖にて所属...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第466話 『御料所差配詮議方と幕府除目詮議方』

慶応五(明治二)年四月一日(1869年5月12日) 1週間たっても、慶喜に対して伊達慶邦からの返事はなかった。 東北の遊説の行程は知らせてあったので、電信を使えばすぐに届くはずなのに、である。 慶喜は考えた。 返事がない……すなわち迷ってい...
『自宅のトイレが異世界に!転生者の美女2人と男1人に出会ったので、現代技術を使って産業革命を起こすことにしました』

第1話 『中年管理職、扉を開ける』

2025年9月5日(金) <田中健太・52歳> あー眠い。 明日休みだからいいけど、きついな。 オレは社宅のマンションのドアを開けて電気をつけた。 スーツの肩に、ずっしりと一日の疲労がのしかかる。 文字どおりだね。マジで。重りでものっけてん...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第465話 『慶喜、諸侯を巡る』

慶応五(明治二)年三月一日(1869年4月12日) 京都 仙台藩邸 慶喜は、東北の諸藩は会津、仙台、庄内、米沢の四藩が味方につけばまとまると考えていた。外様が多いが譜代も多い。大藩である仙台の威光は大きく、日本海側の諸藩も、仙台が味方につけ...
信長と純正、そして教え子たち

第917話 『ラ・ロシェルの屈辱』

慶長八年五月二十五日(西暦1603年7月4日)フランス ラ・ロシェル港 3国をつなぐ電撃の結婚式が終わって、リスボンを発った蒸気船は北海をめざして航路を取っていた。 ビスケー湾は夏とはいえ海煙が濃く、陰鬱な灰色の波が船体を洗っている。 フレ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第464話 『詭弁か忠義か』

慶応五(明治二)年二月十六日(1869年3月28日) 京都 大村藩邸 本日は夜も遅いので、と言って別れた翌日、居室で先に口を開いたのは純顕であった。「次郎。昨日は詭道きどうと申したが、つぶさにはいかなる手を打つのだ。公議政体党は数で我らを上...
信長と純正、そして教え子たち

第916話 『王たちのチェス盤』

慶長八年四月一日(西暦1603年5月11日)リスボン「何が賢王だ。バカバカしい。稀代きだいの愚王ではないか」「馬鹿野郎! 大声で言うんじゃねえ。捕まっちまうぞ」「庶子とは言えかわいそうに。何千何万リーグも果ての東の国に嫁がされるとは……」「...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第463話 『慶喜の奇策』

慶応五(明治二)年二月十五日(1869年3月27日) ――議会が認めたなら、それで構わぬ。 江戸から戻った慶喜の答えは、次郎の予想に反してとても単純であった。 天領の議会管理も、幕閣の門戸を大いに開く提案も、議会の承認があれば認めるらしい。...
信長と純正、そして教え子たち

第915話 『純勝の恋と再びのコンスタンティノープル』

慶長八年三月十六日(西暦1603年4月27日) リスボン「は? 何だって? もう1回言ってみろ」「いえ、ですから父上、某……」「ああもう! はっきり申せ!」 どうした? いつになくモジモジしている。 まあこいつのことだから、案外大したことな...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第33話 『煉瓦』

1591年11月 オランダ アムステルダム「よし、方針は決まった。オレたちは鋼鉄を作る。この時代にはまだ存在しない、全く新しい価値をオレたちの手で生み出すんだ」 アカデミーの会議室は、これから始まる巨大な事業への緊張感に満たされていた。「ハ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第462話 『あり得ない条件』

慶応五(明治二)年二月五日(1869年3月17日) 京都・小浜藩邸「……条件、とな。いかなるものか」 慶喜は努めて平静を装って低い声で問い返した。 家茂の意向を受けて、徳川の威光を保ったまま大村を取り込むための懐柔策である。その最終段階で相...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第18話 『所信表明』

令和9年8月2日(2027年8月2日) 日本の新政権誕生の翌日、海外メディアは一斉に反応を示していた。 ――北京・人民日報 ――『極右政権、日本に誕生 ―― 戦時回帰の危険』 記事はこう続く。 『日本新生党とその連立勢力は、軍国主義の亡霊を...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第461話 『懐柔』

慶応五(明治二)年二月五日(1869年3月17日) 京都・小浜藩邸 障子の外からは、夕刻を告げる鐘の響きがかすかに届いていた。 調えられた食卓には鯛たいや鴨かもの吸物、京の野菜を使った膳が並んでいる。夜の饗応きょうおうは豪華ではないが、随所...
信長と純正、そして教え子たち

第913話 『コンスタンティノープルの合流 』

慶長八年三月十四日(西暦1603年4月25日) リスボン「ここがお主が以前より言っておったポルトガルの都か……」 蒸気船の甲板から目前に広がる街並みを眺めながら、政権相談役の信長が深い感嘆の声を漏らした。 白い壁とオレンジ色の屋根が丘陵に沿...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第32話 『鉄は国家なり』

1591年11月 オランダ アムステルダム アムステルダムの冬は、厚い雲が空を隠していた。 街には冷たい空気が漂う。 それとは対照的に証券取引所の周りは人でいっぱいだった。 行き交う人々が発する確かな熱気がある。『オラニエ蒸気機械会社』の株...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第460話 『問責と仕切り直し』

慶応四年十二月二十日(1869年2月1日) 江戸城「? 然様さようか。余が聞いた話とは随分違うようだが……」  慶喜の額から冷や汗がしたたり落ちた。「余が聞いた話では、守護職屋敷の放火と升屋の刃傷沙汰は犯人を取り押さえたと聞き及ぶ。然りなが...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第17話 『政権交代』

令和9年7月下旬 総理暗殺の衝撃が冷めやらぬ官邸の一室には、閉ざされたカーテンと沈んだ空気が漂っていた。 岩西猛外務大臣は腕を組み、机の上の湯飲みに鋭い視線を向けたまま、何も言わない。 久米義政官房長官は、総理代理として緊急対応に追われ疲れ...
信長と純正、そして教え子たち

第912話 『黄昏の聖職者』

慶長七年十月二十一日(西暦1602年12月4日) リスボン 特別法廷に第3回公判の幕が上がった。 法廷周囲には重警備態勢が敷かれ、王室保安局員が常時巡回して緊張感が漂っている。 傍聴席にはポルトガルの貴族や商人、都市参事会の代表が静かに並び...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第459話 『鹿児島での対峙と将軍家茂』

慶応四年十二月二十日(1869年2月1日) 鹿児島へ向かう船上 <次郎左衛門> さーて、どうしたもんかな。 馨かおるや俊輔にはああ言ったけど、あれはあくまで方便みたいなもんだ。 あいつらきっと『大村藩はオレたちの味方だ』なんて思い込んだまま...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第56話 『川の道と2つの計画』

西暦257年6月2日 弥馬壱国 都「『資源の道』を、オレたちの手で造る」 修一が地図の上に引いた力強い線は、希望の光ではなく、むしろあまりに遠い理想の象徴に見えた。工房に集まった誰もが、その言葉の持つ途方もない重さに息をのむ。「道、ですか…...
信長と純正、そして教え子たち

第911話 『悪魔の技か、真実の証か』

慶長七年十月十八日(西暦1602年11月3日) 第2回公判が始まったが、リスボン特別法廷には前回とは違う空気が流れている。 第1回公判で、アルメイダは枢機卿すうききょうの権威を法と論理で打ち破った。 この事実が傍聴人の心から古い権威への恐れ...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第31話 『国家と資本』

1591年8月18日(天正19年6月29日) ネーデルラント連邦共和国 ハーグ 数日前の熱気が、オラニエアカデミーの会議室にはまだ残っている。 シャルロットが提示した金融革命の壮大な計画は、メンバー全員の心を1つの方向へと向けさせた。目の前...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第458話 『時と場合』

慶応四年十二月十日(1869年1月22日) 周防国 三田尻「御家老様、三田尻の港が見えてまいりました」 供の助三郎の声に次郎は我に返る。船室の窓に目をやると鉛色の空の下に長州の陸地が横たわっていた。「そうか。出迎えはあるかな」「井上馨殿が直...
信長と純正、そして教え子たち

第910話 『世界を繋ぐ線』

慶長七年九月二十五日(西暦1602年10月11日)リスボン「……重要な提案があるんです」 その言葉がセバスティアンの注意を強く引きつけた。イタリア商人たちが退出した後に執務室は急に静かになったが、すでに関心は新しい提案に移っている。 「今後...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第16話 『国会の嵐(後編)~暗殺と変革の始まり~』

令和9年7月15日(2027年7月15日) 佐世保 護衛艦『飛龍』艦内 司令室の大型モニターに、緊急速報のテロップが素早く流れた。『【速報】柳井総理、都内ホテルで何者かに撃たれる。心肺停止の模様』 その場にいた山口多聞、艦長の加来、副長の鹿...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第457話 『グラバーと薩長』

慶応四年十二月八日(1869年1月20日) 京都 大村藩邸 次郎は江戸での諸外国への説明対応を終わり、幕府への引継ぎをした後に京都へ戻っていた。 戻ってきたの表現がしっくりくるほど、京都と江戸、大村を行き来している。 多忙な大村藩の家老であ...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第15話 『国会の嵐(前編)』~政権の黄昏~」

令和9年5月(2027年5月) 国会議事堂 4月の衝突事件から1か月が経過しても国会の熱気は収まらない。 折からの裏金問題や様々な政策への批判が、各党の党首から政権与党である自由保守党の総裁へ、矢継ぎ早に続いている状態であった。 SNSが普...
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第15話 『国会の嵐(前編)』~政権の黄昏~」

令和9年5月(2027年5月) 国会議事堂 4月の衝突事件から1か月が経過しても国会の熱気は収まらない。 折からの裏金問題や様々な政策への批判が、各党の党首から政権与党である自由保守党の総裁へ、矢継ぎ早に続いている状態であった。 SNSが普...
信長と純正、そして教え子たち

第909話 『法廷準備と新たな同盟~枢機卿裁判とイタリア商人~』

慶長七年九月二十五日(西暦1602年10月11日)リスボン「陛下、枢機卿すうききょうの弁護人はどうなさいますか」 法務大臣が羊皮紙に目を通しながら口を開いた。 教皇特使がローマへ帰国してから2週間が過ぎ、リベイラ宮殿では特別法廷の準備が本格...
信長と純正、そして教え子たち

第908話 『ローマ教皇庁』

慶長七年七月十一日(西暦1602年8月27日)リスボン「よいか、気づかれないよう迅速に任務を遂行するのだ」「ははっ」 セバスティアンが逮捕状に署名した翌朝早く、王室保安局の部隊が静かに出動した。 石畳の道に響く統制された足音が、行き交う者も...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第88話 『美咲の決意と初めての……口』

1986年5月26日(月) PM6:30 美咲の自宅 <風間悠真> 美咲の家まではいつもどおりの道を通ったんだが、今日はなぜか神社には立ち寄らなかった。 神社は休憩場所。 というよりも2人の暗黙の了解で、会話はするけどエッチな行為もする秘密...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第455話 『再び、フィクサー次郎』

慶応四年十一月上旬(1868年12月中旬) ・まずは幕府に公式に合議制を認めさせる(成功・貴族院) ・貴族院議場を幕府の権限を弱めるために本願寺に移設(論議中に騒動発生) ・無党派層の取り込み(進行中だが京都の騒乱のために進んでいない) 本...
信長と純正、そして教え子たち

第907話 『科学の盾と信仰の刃』

慶長七年三月十五日(西暦1602年5月7日)リスボン大聖堂 毒殺計画の失敗から数日が経過し、枢機卿すうききょうの憎悪は頂点に達していた。「王は悪魔に魅入られた。もはや我らが王ではない。毒を見破る術など人間の業ではないのだ。あれは間違いなく悪...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第87話 『勉強会という名の抜け駆け』

1986年5月26日(月) AM8:00 <風間悠真>   いやあ、昨日の図書館での勉強会は完全に失敗だったな。 予想はしていたが、収拾がつかん。 紳士協定(いや淑女協定、いや少女協定か?)で私一人だけが悠真の女、という行動は暗黙の了解でN...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第454話 『勅許と激震』

慶応四年十月二十九日(1868年12月12日) 京都 岩倉邸「~との由にて、麿まろが草(下書き)をしたためて奏上いたしましゃる。近々に主上おかみより宣旨が発せられましゃる」 ! な、なんて? なんて言った? 殿が正四位下で近衛大将このえのだ...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第86話 『13人の勉強会大作戦~でも勉強にならない~』

1986年5月25日(日) AM10:00 五峰町立図書館 約束の時間より30分早く、悠真は図書館に到着していた。 どう考えても思春期の男女13人が一緒に勉強して上手くいくはずがない。恋愛関係が複雑に絡み合っているならなおさらだ。 いや、て...
信長と純正、そして教え子たち

第906話 『賢王の茨の道』

慶長七年二月十三日(西暦1602年4月5日) リベイラ宮殿 セバスティアン1世が政教分離を宣言した後、謁見の間は静寂に包まれていた。 力なく歩きながら部屋を出た枢機卿すうききょうは、恥辱を感じた表情をローブのフードで隠し、彼に従う保守派貴族...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第85話 『ガレージに集う13人~恋愛格差と勉強会提案~』

1986年5月11日(日) PM5:30 バンド練習が終わると、祐介のガレージに続々と人が集まってきた。いつも一緒の祐介が小百合に声をかけたのだろう。小百合は部活に入っていないが、今日は家の都合で昼間は離ればなれだった。 悠真の6人のハーレ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第453話 『武備恭順 ~長州藩、復讐への道筋~』

慶応四年十月二十七日(1868年12月10日) 周防国 山口城 周布政之助の死は、長州藩に重苦しい影を落としていた。 慶喜の政治的裁定によって藩の重臣が命を絶たれた事実は、藩士たちの心に幕府への消えぬ憎悪を刻み付けたのである。藩庁の空気は悲...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第84話 『7月のIndependence Day Live』

1986年5月11日(日)「祐介! ゆうすけ! ゆーすけ! ユウスケ! YUUSUKEEEE!」「うるせえなっ! 遅刻してきたくせに黙りやがれっ!」(蓮)「珍しいね。悠真がそこまで興奮するなんて」(湊みなと)「どうしたんだいユーマ。どこかで...
外伝!フレデリック・ヘンドリック転生記~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~

第30話 『金融革命~オランダに現れた銀行と証券取引所~』

1591年8月15日(天正19年6月26日) オラニエアカデミーの一室 フレデリックたちはコルネリス・ピーテルスゾーン・ホーフトをアカデミーの一室に案内して商談し、その後メンバーで相談するために別室に移動して議論を交わしていた。 アカデミー...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第452話 『三権分立と薩長の離反』

慶応四年十月二十日(1868年12月3日) 京都 大村藩邸  京都の混乱が一応の決着を見てから六日が過ぎ、徳川慶喜の政治的手腕によって表面上は秩序が回復したかに見えた。 しかし次郎には、この平穏が砂上の楼閣に過ぎないと分かっている。 三権分...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第83話 『絵美。ハグからキスへ』

1986年5月9日(金) <風間悠真> 放課後、オレはいつも通り下校中に絵美を廃工場に誘った。 昨日の菜々子との進展で、遅れ組の攻略に本格的に着手する決意を固めていたんだ。6人の中で1番遅れている絵美を、今日はキスまで持っていく。「悠真~、...
信長と純正、そして教え子たち

第905話 『望むところだ』

慶長七年二月十三日(西暦1602年4月5日)「では兄上、行ってまいります」「うむ、日本はもちろんだが、欧州においてポルトガルの影響力は大きいからな。しっかり頼むぞ」 フレデリックは、先月ポルトガルより届いた技術交流(供与)と『火山の冬』に関...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第451話 『慶喜の政治的裁定と三権分立への道』

慶応四年十月十四日(1868年11月27日) 二条城 偽の長州藩士2名(真犯人)  罪状:騒乱罪(首謀者)、放火罪、詐欺罪(身分詐称)、謀反罪(幕府転覆)   処罰:死罪(斬首) 見廻みまわり組隊士  罪状:騒乱罪(料亭での集団暴行・刃傷沙...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第450話 『沙汰と黒幕』

慶応四年九月六日(1868年10月21日) 新選組の屯所で、土方は取り調べを続けていた。 しかしいっこうに進展はない。 一方には京都見廻みまわり組の隊士たち、もう一方には長州藩士たちがいる。「我らは何もしておらぬ。祝い酒の帰りに歩いていただ...
信長と純正、そして教え子たち

第904話 『賢王セバスティアン1世の探求』

慶長七年(西暦1602年)一月 ポルトガル王国・リスボン アムステルダムから帰国した視察団の報告は、リベイラ宮殿を未曾有の衝撃と混乱に陥れた。 謁見の間は重く冷たい沈黙に支配されている。 玉座の前に整列した重臣たちの顔には、焦りと屈辱、そし...
『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第14話 『緊迫の尖閣』

令和9年4月8日(2027年4月8日) 東シナ海 尖閣諸島周辺海域 横須賀で編成式が執り行われていた、まさにその時。 東シナ海の尖閣諸島、魚釣島周辺海域は一触即発の緊張に包まれていた。 巡視船『あさづき』の船橋内の空気は張り詰め、田中は双眼...